【受理】と【受領】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「受理」(読み方:じゅり)と「受領」(読み方:じゅりょう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「受理」と「受領」という言葉は、どちらも「受け取ること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




受理と受領の違い

受理と受領の意味の違い

受理と受領の違いを分かりやすく言うと、受理とは書類を正式に受け取ることを表し、受領とは金銭や物品を受け取ることを表すという違いです。

受理と受領の使い方の違い

一つ目の受理を使った分かりやすい例としては、「結婚は婚姻届けの受理によって成立します」「出生届が受理されない名前があります」「論文が受理されたとの連絡が入った」「受付年月日と受理年月日を併記する」「110番の受理件数は増加傾向にある」などがあります。

二つ目の受領を使った分かりやすい例としては、「必ずメールの受領確認をしてください」「受領書の雛形をエクセルで作成する」「無料のフォーマットを使って受領証を発行しました」「現金でキックバックを受領したようだ」などがあります。

受理と受領の使い分け方

受理と受領という言葉は、どちらもビジネスシーンで使用され、渡されたものを受け取ることを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

受理とは、受け取って処理することを意味し、書類や訴状あるいは願い事などを受け付けることを表す言葉です。特に役所などの公的な機関で用いられ、各種の申請や届出などを正式に受け取ることを表現します。

受領とは、物品や金銭を受け取ることを意味します。ビジネスの場で使用されることが多い言葉で、取引相手や顧客から品物や代金を受け取った際に、「受領いたしました」などと表現します。また、物品を確かに受け取ったことを証明する印を「受領印」と言います。

つまり、受理と受領の違いは、受け取るものにあります。受理は重要な書類を正式に受け取る時に使用され、受領は金銭や物品を受け取る時に用いられています。

受理と受領の英語表記の違い

受理も受領も英語にすると「reception」「receipt」「acceptance」となり、例えば上記の「婚姻届けの受理」を英語にすると「acceptance of notification of marriage」となります。

受理の意味

受理とは

受理とは、提出された願書・届け・訴状などを受け取って処理することを意味しています。

受理の使い方

受理を使った分かりやすい例としては、「受験票は出願受理後に速達で郵送します」「婚姻届受理証明書を取得する」「厚労省は新薬承認申請を受理しました」などがあります。

その他にも、「不受理申出制度の目的をご存知でしょうか」「不受理申出の対象となる届出は何ですか」「成年後見開始申立て後に受理面接を行う」「やっと英語の論文が受理された」「新しい学部の設置届出が受理された」などがあります。

受理の「受」は訓読みで「うける」と読み、差し出されたものを自分の方に取り入れることを表します。「理」は訓読みで「おさめる」と読み、一定の範囲の中にきちんと入れることを表す漢字です。受理とは、受け取って処理することであり、提出された書類を受け収めることを意味します。

「不受理申出制度」の意味

受理を用いた日本語には「不受理申出制度」があります。不受理申出制度とは、本人の意思に基づかない届出が受理されることを防止するための制度です。婚姻届・離婚届・養子縁組届・養子離縁届・認知届について、自ら窓口に届け出ない限り、届出を受理しないよう申出をすることができます。

受理の対義語

受理の対義語・反対語としては、願い出などを退けることを意味する「却下」、希望や要望事項を願い出ることを意味する「申請」などがあります。

受理の類語

受理の類語・類義語としては、渡されたものを受け収めることを意味する「受け取る」、金銭・物品・書類などを、よく調べて受け取ることを意味する「査収」、贈り物の金品などを受け取って納め入れることを意味する「受納」などがあります。

受領の意味

受領とは

受領とは、物や金を受け取ることを意味しています。

その他にも、「平安中期以降、実際に任国に赴任して政務を執った国司の最上席の者」「江戸時代、優秀と認められた職人・芸人などが栄誉として国名を付した一種の官位を名のることを許されること」の意味も持っています。

受領の読み方

受領の読み方は「じゅりょう」の他に「ずりょう」がありますが、「ずりょう」と読む場合は、前任者から引き継ぎを受けて事務を執る意味になります。

受領の使い方

「納品書に受領印を押す」「昨日、契約書を受領いたしました」「テンプレートを用いて受領書を作成する」「払込受領証を控えとして保管しています」などの文中で使われている受領は、「物や金を受け取ること」の意味で使われています。

一方、「日本史の授業で受領の権限について習いました」などの文中で使われている受領は「平安中期以降、国司の最上席の者」の意味で、「受領して竹本筑後掾と称した」の文中で使われている受領は「江戸時代、官位を名のることを許されること」の意味で使われています。

受領という言葉は、上記の例文にあるように複数の意味を持ちますが、一般的には「物や金を受け取ること」の意味で用いられています。受領の「受」は自分の方に向かってくるものを取って収めること、「領」は自分のものにすることや手に入れることを表します。

「受領書」の意味

受領を用いた日本語には「受領書」があります。受領書とは、ビジネスシーンで使用される言葉で、取引先から商品やサービスを受け取った際に、受け取った事実を証明し取引先に伝えるために発行する書類のことです。

受領の対義語

受領の対義語・反対語としては、さずけ与えることを意味する「授与」、書類や資料などを差し出すことを意味する「提出」などがあります。

受領の類語

受領の類語・類義語としては、金品を受け取っておさめることを意味する「領収」、受け取ることや受け入れることを意味する「接受」、不正に金品などを受け取ることを意味する「収受」、目上の人から物をいただくことを意味する「拝領」などがあります。

受理の例文

1.住民代表者から市長に災害対策条例制定の請求書が提出され、市長はこれを受理しました。
2.離婚届が受理されたことを証明する書類はあるのか、市役所に問い合わせました。
3.自分の知らないうちに、婚姻届や離婚届などが受理されることなんてあるのだろうか。
4.行政手続制度において、行政の裁量により受理を拒否することはできません。
5.郵送で受領した申請書は、書類の不備を確認した後に受理するか否かを決定します。

この言葉がよく使われる場面としては、受け取って処理すること、受け付けて審理することを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、受理という言葉は、行政手続きやビジネスシーンで使用されることが多くあります。

受領の例文

1.お願いしておりましたデータのご送付ありがとうございます。確かに受領いたしました。
2.仕事で書類を受領することが多いので、都度フォルダに入れて整理しています。
3.振込をした時に発行される受領書は、領収書の代わりになりますか。
4.取引先から請求書が届いたので、取り急ぎ受領メールを送りました。
5.日本史のテストで、受領の役割を記述する問いに何も書けませんでした。

この言葉がよく使われる場面としては、金や物を受け取ること、律令制の地方官である国司の別称、江戸時代に国名を付した一種の官位を名のることを許されたことを表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文4の受領は、「金や物を受け取ること」の意味で用いられています。例文5にある受領は、「律令制における国司の別称」の意味で使用されています。

受理と受領という言葉は、どちらも「受け取ること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、書類を正式に受け取ることを表現したい時は「受理」を、金品を受け取ることを表現したい時は「受領」を使うようにしましょう。

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