似た意味を持つ「貧乏舌」(読み方:びんぼうじた)と「馬鹿舌」(読み方:ばかじた)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「貧乏舌」と「馬鹿舌」という言葉は、どちらも味音痴を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
貧乏舌と馬鹿舌の違い
貧乏舌と馬鹿舌の意味の違い
貧乏舌と馬鹿舌の違いを分かりやすく言うと、貧乏舌とは料理のランクの違いが分からない人、馬鹿舌とは味の違いが分からない人という違いです。
貧乏舌と馬鹿舌の使い方の違い
一つ目の貧乏舌を使った分かりやすい例としては、「彼は何でも美味しいと感じる貧乏舌です」「食費がかからない貧乏舌で幸せです」「貧乏舌の治し方はありますか」「貧乏舌の方が人生得してるよね」などがあります。
二つ目の馬鹿舌を使った分かりやすい例としては、「甘ければ何でも良い馬鹿舌です」「なぜ私は馬鹿舌なのだろう」「毎食ラーメンで満足できる馬鹿舌です」「ジャンクフードが馬鹿舌にするのだろうか」などがあります。
貧乏舌と馬鹿舌の使い分け方
貧乏舌と馬鹿舌という言葉は、どちらも辞書に載っていない造語であり、味の感じ方が鈍い人の意味で使われています。二つの言葉は、ほぼ同じ意味で使わていますが、ニュアンスには少し違いがあります。
貧乏舌とは、高級な料理の味が分からなかったり、安い料理でも満足できる人を意味します。貧乏という言葉がキーワードになるため、料理の金額やランクによる味の違いが分からないというニュアンスが強い言葉です。
馬鹿舌とは、味の良し悪しが分からない人を意味します。この言葉のキーワードである馬鹿とは、機能が正常に働かなることであり、何を食べても美味しいとも不味いともあまり感じないというニュアンスが強い言葉です。
貧乏舌と馬鹿舌という言葉を比べると、味の違いが分からないこと全般を表す馬鹿舌の方が広い意味を持ち、幅広く使える言葉だと言えるでしょう。
なお、貧乏舌も馬鹿舌も、自分や身内に関してへりくだって使う分には問題ありませんが、他人に関して使う場合は悪口になってしまいます。使う際には、十分な注意が必要な言葉です。
貧乏舌と馬鹿舌の英語表記の違い
貧乏舌も馬鹿舌も英語にすると「poor taste in food」「unsophisticated palate」となり、例えば上記の「彼は貧乏舌です」を英語にすると「he is unsophisticated palate」となります。
貧乏舌の意味
貧乏舌とは
貧乏舌とは、高級な料理の味が分からなかったり、安い料理でも満足できるさまや、そのような人を意味しています。
貧乏舌の使い方
貧乏舌を使った分かりやすい例としては、「食の好き嫌いがないことも貧乏舌の特徴です」「貧乏舌の私でも食べられなかった」「貧乏舌はある意味お得で幸せだね」「貧乏舌の原因は食生活でしょう」などがあります。
その他にも、「貧乏舌なので味の違いが分かりません」「貧乏舌で有名な芸能人がいます」「グルメよりも貧乏舌の方が得してる」「貧乏舌の原因は遺伝かもしれない」「貧乏舌の類似表現に味音痴があります」「夫婦揃って貧乏舌です」などがあります。
貧乏舌とは、貧乏人は高級な料理が食べられず味覚が育たないため、いざ高級な料理を食べても美味だと感じられないというイメージから使われている言葉です。また、貧乏人は安い料理でも満足しているという意味でも使われています。
貧乏舌の対義語
貧乏舌の対義語・反対語としては、いろいろなものを食べて味の良し悪しがよく分かるようになることを意味する「舌が肥える」、料理の味や知識について詳しいことを意味する「食通」などがあります。
貧乏舌の類語
貧乏舌の類語・類義語としては、複雑で繊細な味を感じ取ることができないことを意味する「味音痴」、味に対する感度が低下したり味を感じなくなったりする症状を意味する「味覚障害」などがあります。
馬鹿舌の意味
馬鹿舌とは
馬鹿舌とは、味の違いが分からないさまや、そのような人を意味しています。
馬鹿舌の読み方
馬鹿舌の読み方は「ばかじた」です。舌は「した」ではなく「じた」と読みます。
馬鹿舌の使い方
馬鹿舌を使った分かりやすい例としては、「馬鹿舌の夫には簡単な料理で十分だ」「私はお得な馬鹿舌で幸せだ」「グルメか馬鹿舌かで芸能人が格付けされる」「馬鹿舌の直し方をネットで調べる」などがあります。
その他にも、「うちの子はなぜ馬鹿舌なのだろう」「食べ比べが出来ない馬鹿舌です」「馬鹿舌診断チェックをやってみよう」「馬鹿舌の反対は食通だろう」「馬鹿舌の直し方をネットで調べる」などがあります。
馬鹿舌という言葉の「馬鹿」とは、元来は相手をののしる言葉ですが、この言葉では本来持っているべき機能が失われるさまを表します。馬鹿舌とは、何を食べても美味しいとも不味いとも思うことがあまりない様子や、そのような人を意味する言葉です。
馬鹿舌の対義語
馬鹿舌の対義語・反対語としては、美食に精通しており味の良し悪しが分るさまを意味する「口が肥える」、贅沢でうまいものばかりを好んで食べる人を意味する「美食家」などがあります。
馬鹿舌の類語
馬鹿舌の類語・類義語としては、味に関して感覚が鈍いことを意味する「味覚音痴」などがあります。
貧乏舌の例文
この言葉がよく使われる場面としては、何を食べても美味しいと感じることを表現したい時などが挙げられます。
例文4や例文5にあるように、貧乏舌という言葉は、特に料理のランクや金額というアプローチから、味の違いが分からないことを指す言葉です。
馬鹿舌の例文
この言葉がよく使われる場面としては、味の良し悪しが分からないことを表現したい時などが挙げられます。
例文5にある「舌馬鹿」とは、辛さや刺激的な味により、一時的に味覚がおかしくなっていることの意味で使われている言葉です。一方、「馬鹿舌」は常に味の違いが分からないという性質を表しています。
貧乏舌と馬鹿舌という言葉は、どちらも味の感じ方が鈍いことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、料理の金額やランクによる味の違いが分からない人を表現したい時は「貧乏舌」を、味の分からないひと全般を表現したい時は「馬鹿舌」を使うようにしましょう。