【飢え死に】と【野垂れ死に】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「飢え死に」(読み方:うえじに)と「野垂れ死に」(読み方:のたれじに)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「飢え死に」と「野垂れ死に」という言葉は、どちらも人が命を失うことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「飢え死に」と「野垂れ死に」の違い

「飢え死に」と「野垂れ死に」の違いを分かりやすく言うと、「飢え死に」は死の原因を表すこと、「野垂れ死に」は死の状況やありさまを表すことという違いです。

一つ目の「飢え死に」を使った分かりやすい例としては、「戦時中の食糧難で多くの人が飢え死にした」「山で遭難して救助が遅れ、登山者が飢え死にした」「貧困のために子どもが飢え死にするのは社会的悲劇だ」などがあります。

二つ目の「野垂れ死に」を使った分かりやすい例としては、「ホームレスの男性が路上で野垂れ死にしているのが発見された」「戦乱で多くの人が看取られることなく野垂れ死にした」「孤立した老人が野垂れ死にすることを誰も望んではいない」などがあります。

「飢え死に」と「野垂れ死に」はどちらも人が命を失うことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「飢え死に」は食べ物が足りず栄養失調で死ぬことを表す言葉になります。原因が明確で、死に至る直接的な理由を示す語です。

一方、「野垂れ死に」は屋外や路上などで介護や看取りを受けられずに死ぬことを表す言葉です。必ずしも原因が飢餓である必要はなく、病気や寒さなどによる場合も含まれます。死の原因よりも誰にも看取られず無念でみすぼらしい最期という状況を強調する語です。

つまり、死の原因を表すのが「飢え死に」、死の状況やありさまを表すのが「野垂れ死に」と覚えておきましょう。

「飢え死に」を英語にすると「starve to death」「die of starvation」となり、例えば「戦時中の食糧難で多くの人が飢え死にした」を英語にすると「Many people starved to death during the food shortages in wartime」となります。

一方、「野垂れ死に」を英語にすると「die in the street」「die outdoors」などとなり、例えば「ホームレスの男性が路上で野垂れ死にしているのが発見された」を英語にすると「A homeless man was found dead in the street, having died alone」となります。

「飢え死に」の意味

「飢え死に」とは、空腹のために死ぬことを意味しています。

「飢え死にする」「飢え死に寸前」「飢え死に状態」などが、「飢え死に」を使った一般的な言い回しになります。

「飢え死に」を使った分かりやすい例としては、「食料が尽きて飢え死にしそうな状況に陥った」「貧困地域では子どもが飢え死にしてしまうことがある」「遭難者が山中で飢え死に寸前のところを救助された」「昔は食料不足で飢え死にする人も珍しくなかった」などがあります。

「飢え死に」とは、食べ物がなく空腹のまま命を落とすことを意味する言葉です。つまり「飢餓による死亡」を表す表現であり、とても悲惨で深刻な響きを持ちます。そのため、日常生活ではあまり使われず、歴史的な出来事や社会問題を語る際によく用いられます。

「飢え死に」は人類の歴史の中で繰り返されてきた現象であり、災害・戦争・貧困などと結びついて語られることが多いです。現代日本ではあまり身近ではありませんが、世界的に見ると今でも飢え死にする人々は存在します。

そのため、「飢え死に」はマイナスのイメージを伴う言葉だと覚えておきましょう。

「飢え死に」の類語・類義語としては、食べ物がなく餓えて死ぬことを意味する「餓死」、食べ物がなく苦しむことを意味する「飢餓」、飢えて極限まで苦しむことを表す「餓える」などがあります。

「野垂れ死に」の意味

「野垂れ死に」とは、路傍などで倒れて死ぬことを意味しています。

「野垂れ死にする」「野垂れ死に状態」「野垂れ死に同然」などが、「野垂れ死に」を使った一般的な言い回しになります。

「野垂れ死に」を使った分かりやすい例としては、「生活に困窮して野垂れ死にする人が増えている」「道端で野垂れ死にしている動物を見つけた」「戦後の混乱期には野垂れ死にする人も少なくなかった」「老人が孤独の中で野垂れ死にするケースが問題になっている」などがあります。

「野垂れ死に」とは、家や身寄りのないまま外で死ぬことを意味する言葉です。つまり、路上や野外で死ぬことを表す表現であり、非常に悲惨で無念な状況を強調するニュアンスがあります。

日常生活ではあまり使われませんが、歴史的な飢饉や戦争、極端な貧困を描写する際に用いられます。特に社会問題としての孤独死や生活困窮者の末路を語る際にも使われることがあります。

そのため、「野垂れ死に」はマイナスのイメージを伴う言葉だと覚えておきましょう。

「野垂れ死に」の類語・類義語としては、路上や外で死ぬことを意味する「路死」、孤立して死ぬことを意味する「孤死」、助けがなく死ぬことを強調する「放置死」などがあります。

「飢え死に」の例文

1.戦時中の厳しい食糧難によって、多くの人々が十分な食事を得られずに飢え死にしてしまいました。
2.山で遭難した登山者は水も食料も尽き、最終的には飢え死にするという悲劇に見舞われたのです。
3.飢え死にする人々を救うために、地域全体で支援活動を行うことが求められています。
4.食糧不足が続けば、貧しい国々で子どもたちが飢え死にする現実を避けることはできません。
5.飢え死にという言葉を聞くと、今なお世界に広がる深刻な飢餓問題を考えざるを得ません。

この言葉がよく使われる場面としては、空腹のために死ぬことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「飢え死に」は死の原因を表す時に使う言葉です。

「野垂れ死に」の例文

1.孤独に生きていた老人が誰にも看取られず、結局は路上で野垂れ死にしてしまったそうです。
2.野垂れ死にという言葉には、人間が無念に世を去る様子が強く表現されています。
3.彼は家族もなく、最期には誰にも知られずに野垂れ死にすることを恐れていたのです。
4.社会的な支援がなければ、多くの人が路上で野垂れ死にする未来が現実になるでしょう。
5.野垂れ死にを防ぐためには、地域の助け合いの仕組みを整えることが大切だと考えます。

この言葉がよく使われる場面としては、路傍などで倒れて死ぬことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「野垂れ死に」は死の状況やありさまを表す時に使う言葉です。

「飢え死に」と「野垂れ死に」はどちらも人が命を失うことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、死の原因を表すのが「飢え死に」、死の状況やありさまを表すのが「野垂れ死に」と覚えておきましょう。

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