【喪失】と【紛失】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「喪失」(読み方:そうしつ)と「紛失」(読み方:ふんしつ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「喪失」と「紛失」という言葉は、どちらも「失うこと」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




喪失と紛失の違い

喪失と紛失の意味の違い

喪失と紛失の違いを分かりやすく言うと、喪失とは形のないものを失うことを表し、紛失とは形のあるものを失うことを表すという違いです。

喪失と紛失の使い方の違い

一つ目の喪失を使った分かりやすい例としては、「母の記憶喪失の原因はストレスだろうか」「心神喪失者は罪を犯しても無罪になります」「失恋後の喪失感に苦しむ」「喪失感から立ち直るにはどうしたらいいですか」などがあります。

二つ目の紛失を使った分かりやすい例としては、「紛失した携帯電話の探し方を調べる」「大事なイラストを紛失してしまった」「紛失届は提出後の取り下げができません」「オンラインで紛失届を申請できますか」などがあります。

喪失と紛失の使い分け方

喪失と紛失という言葉は、どちらも今まであったものが無くなったり失ってしまうことを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

喪失とは、失うことや無くすことを意味します。主に、権利や資格などの抽象的なもの、記憶や自信など精神的なものを失う場合に広く用いられる言葉です。「心神喪失」とは、精神障害などによって自分の行為について判断する能力を全く欠いている状態のことです。

紛失とは、物が紛れてなくなることを意味し、形のある物が物理的になくなることを表す言葉です。その物自体が存在するしないに関わらず、何かに入り混じって所在がわからなくなることに使用されています。

つまり、二つの言葉は失うものは何かによって使い分けられます。抽象的な形がないものを失うことには「喪失」が用いられ、物理的に形のあるものを失うことには「紛失」が使用されています。

喪失と紛失の英語表記の違い

喪失も紛失も英語にすると「loss」となり、例えば上記の「記憶喪失」を英語にすると「loss of memory」となります。

喪失の意味

喪失とは

喪失とは、失うことを意味しています。

喪失の読み方

喪失の読み方は「そうしつ」です。誤って「もしつ」「そんしつ」などと読まないようにしましょう。

表現方法は「被保険者資格喪失届」「資格喪失」「喪失する」

「被保険者資格喪失届」「資格喪失」「喪失する」などが、喪失を使った一般的な言い回しです。

喪失の使い方

喪失を使った分かりやすい例としては、「仕事で成果を出せず自信喪失しています」「父親の権威喪失は子供に大きな影響を与えます」「社会保険喪失届を提出しました」「健康保険の資格喪失証明書はいつもらえますか」などがあります。

その他にも、「大切な人を失い喪失感に苛まれる」「彼女は深い喪失感を抱えているようだ」「喪失体験からの回復には時間が必要です」「一時的な得意先喪失による損失を補償します」「敵軍の戦意喪失を狙った心理戦を実行する」などがあります。

喪失の「喪」は訓読みで「うしなう」と読み、これまで備わっていた大事なものをなくすことを表します。今まで持っていたものをどこかにやってしまうことを表す「失」と組み合わさり、喪失とは何かを失うことを意味します。主に、精神的なもの、抽象的なものについて用いられる言葉です。

「喪失感」の意味

上記の例文にある「社会保険資格喪失証明書」とは、会社を退職して社会保険の資格を失ったことを証明する書類です。国民健康保険などに加入するための届出書類として必要になります。

「社会保険資格喪失証明書」の意味

喪失を用いた日本語には「喪失感」(読み方:そうしつかん)があります。喪失感とは、自分が大切にしていた人や物、あるいは大事な時間や思い出などを失ったときのむなしい気持ちです。「喪失感を覚える」「喪失感を抱える」「喪失感に襲われる」などと表現します。

喪失の対義語

喪失の対義語・反対語としては、手に入れることや自分のものにすることを意味する「獲得」、手に入れることを意味する「取得」などがあります。

喪失の類語

喪失の類語・類義語としては、今まであったもの失うことを意味する「無くす」、備わっているものをなくすことを意味する「落とす」、それまであったものがそこからなくなることを意味する「消える」、失うことを意味する「ロス」などがあります。

紛失の意味

紛失とは

紛失とは、物がまぎれてなくなること、なくすことを意味しています。

その他にも、「抜け出して逃げること」の意味も持っています。

表現方法は「盗難紛失」「携帯紛失」「紛失した」

「盗難紛失」「携帯紛失」「紛失した」「紛失する」などが、紛失を使った一般的な言い回しです。

紛失の使い方

「英語のテキストを紛失してしまった」「財布に紛失防止タグを付ける」「パソコンで紛失モードを解除する」「紛失された文書はこちらですか」「ご本人が紛失届を提出してください」などの文中で使われている紛失は、「物がまぎれてなくなること」の意味で使われています。

一方、「容疑者が警察署から紛失しました」「紛失した妻がふらっと姿を現した」「水族館からペンギンが紛失した」などの文中で使われている紛失は、「抜け出して逃げること」の意味で使われています。

紛失とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ちますが、多くは「物がまぎれてなくなること」の意味で用いられる言葉です。「抜け出して逃げること」の意味では、ほとんど使われていません。

「紛失届」の意味

紛失を用いた日本語には、「紛失届」(読み方:ふんしつとどけ)があります。紛失届とは、現金や貴金属、各種免許証などの私有財産を遺失したり忘失したときに、警察や関係官庁署などに届け出る手続きおよび書類のことです。

紛失の対義語

紛失の対義語・反対語としては、落とし物を拾うことを意味する「習得」、手にはいることを意味する「入手」などがあります。

紛失の類語

紛失の類語・類義語としては、置き忘れたり落としたりして金品を失うことを意味する「遺失」、失いなくすことや失せてなくなることを意味する「亡失」、物が消えてなくなることを意味する「消失」などがあります。

喪失の例文

1.大切なペットが亡くなって喪失感に襲われた友人は、ペットロス症候群になってしまったようです。
2.記憶喪失になると、自分の名前の書き方さえも分からなくなることがあります。
3.近年、任意継続保険料の未納により健康保険の資格喪失となる人が増えています。
4.父は、企業型確定拠出年金の加入資格を喪失してから、お金の使い方に気を遣うようになりました。
5.英語が苦手な息子は学習意欲を喪失し、授業中に居眠りをするようになってしまいました。
6.いつかこの日が来るとは分かってたが、子どもが独り立ちし家を出た後の喪失感は想像以上だった。
7.娘は結婚、地方の大学に入学した息子は一人暮らしを始めて、喪失感が半端ないと友人が嘆いていた。
8.長年連れ添ったパートナーの死により、彼女は深い喪失感を経験し、日々の生活に寂しさが広がっていきました。
9.災害による家屋の全焼で、彼は家族の思い出や大切な品々を喪失し、心に深い傷を負いました。
10.経済的な失敗により、彼は財産を喪失し、信用を回復するために一からスタートしなければなりませんでした。

この言葉がよく使われる場面としては、主に抽象的な事柄について失うことを表現したい時などが挙げられます。

例文2にある「記憶喪失」とは、意識障害によって、それ以前のある期間の記憶をなくしてしまうことを意味します。医学的には、「健忘症」と言います。

紛失の例文

1.私が通院している病院で、患者の個人情報が保存されたUSBメモリを紛失する事案が発生した。
2.いつの間にか紛失したスマホを探す方法を、ドコモショップの窓口で尋ねました。
3.携帯を紛失してしまい、ソフトバンクのオペレーターに位置情報を調べてもらえるか問い合わせました。
4.GPSがオフでも紛失した携帯電話を見つける方法があったら教えてください。
5.クレジットカードを紛失してしまったので、近くの警察署へ紛失届を提出しました。
6.同僚は上司にPCを紛失したと言っているが、酔って落として壊し、証拠隠滅に川に捨てたことを僕は知っている。
7.6ヶ月定期券を紛失しダメもとで近所の警察署に行ったら親切にも届けてくれた人がいて心の底から感謝した。
8.私は財布を無くしてしまったが、万が一のことを考えて紛失防止タグを付けたので、すぐに見つけることが出来た。
9.国の行政機関が重要な書類を紛失してしまったことについて、メディアからは批判が相次いだ。
10.私はどうやら交通カードを紛失してしまった。時間もなかったので仕方なく駅の改札でカードの再発行手続きを行った。

この言葉がよく使われる場面としては、物がまぎれてなくなること、人が姿を消すこと、抜け出して逃げることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、紛失という言葉は、何かに紛れて物がなくなることを表し、日常的によく使用されています。

喪失と紛失という言葉は、どちらも「失うこと、無くなること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、抽象的で形のないものをなくすことを表現したい時は「喪失」を、物理的に形があるものをなくすことを表現したい時は「紛失」を使うようにしましょう。

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