【むやみ】と【やたら】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「むやみ」と「やたら」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「むやみ」と「やたら」という言葉は、どちらも度を越していることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「むやみ」と「やたら」の違い

「むやみ」と「やたら」の違いを分かりやすく言うと、「むやみ」は無闇に思慮なく行うことを戒めるニュアンスが強いこと、「やたら」は頻度や程度の過剰さを単に強調することという違いです。

一つ目の「むやみ」を使った分かりやすい例としては、「むやみに人を信用するな」「新薬をむやみに試すべきではありません」「むやみに近づくと危険です」「むやみに情報を広めてはいけない」「彼はむやみに怒ることはない」などがあります。

二つ目の「やたら」を使った分かりやすい例としては、「やたらと電話がかかってくる」「今日はやたら暑い一日だった」「彼はやたらと自慢話をする」「最近やたら広告が目につく」「会場にはやたら人が多かった」などがあります。

「むやみ」と「やたら」はどちらも度を越していることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「むやみ」は「むやみに人を信用するな」「むやみに薬を飲んではいけない」「むやみに物を捨てないほうがいい」のように、考えなしに行うことや必要以上に行うことを戒める文脈で使うことが多い言葉です。

一方、「やたら」は「やたらと電話がかかってくる」「やたら暑い日が続く」「彼はやたらと自慢話をする」のように、頻度や程度が非常に高いことを強調するときに使う口語的な言葉です。頻度や量を強める役割が強く、必ずしも行為の是非を評価する語ではありません。

つまり、無闇に思慮なく行うことを戒めるニュアンスが強いのが「むやみ」、頻度や程度の過剰さを単に強調するのが「やたら」と覚えておきましょう。

「むやみ」を英語にすると「recklessly」「thoughtlessly」「needlessly」などとなり、例えば「むやみに人を信用するな」を英語にすると「Don’t trust people recklessly」となります。

一方、「やたら」を英語にすると「excessively」「overly」「way too」などとなり、例えば「やたらと電話がかかってくる」を英語にすると「I’m getting way too many calls」となります。

「むやみ」の意味

「むやみ」とは、前後を考えないことを意味しています。

「むやみ」を漢字にすると「無闇」と表記することができます。

「むやみ」を使った分かりやすい例としては、「むやみに人を信用してはいけない」「むやみに夜道を歩くのは危険だ」「むやみに薬を飲むのは体によくない」「むやみに怒鳴るのは大人げない」などがあります。

「むやみ」は形容動詞の連用形的に使われることが多く、理由や根拠もなく、無分別に行うことを意味する言葉です。前に述べた事柄を考えずに行動する場合や、過剰で不適切な行為を戒める際に使われます。

「むやみ」は話し言葉でも書き言葉でも使用されますが、日常会話では注意や忠告のニュアンスで使うことが多いです。そのため、ビジネスシーンなどのフォーマルな文章で使う場合は、状況に応じて「無分別に」「必要以上に」などと置き換えると自然です。

「むやみ」を使う上で注意しなければならないのは、理由や背景がはっきりしている場合には適さないという点です。たとえば、「むやみに行動する」という場合は、何の判断もせずに行動することを意味しますので、意図的で計画的な行動には使えません。

「むやみ」の類語・類義語としては、無分別であることを意味する「軽率」、必要以上に行うことを意味する「やりすぎ」などがあります。

「やたら」の意味

「やたら」とは、根拠や節度がないことを意味しています。

「やたら」を使った分かりやすい例としては、「やたらにスマホを触るのは目に悪い」「やたら雨が降る日が続いている」「やたら声を張り上げる子供に困っている」「やたら人が集まって騒いでいる」などがあります。

「やたら」は副詞として用いられ、程度が極端であることや理由もなく度を越して行うことを意味する言葉です。行動や状態が過剰である場合に強調したいときに使われます。

「やたら」は日常会話でも頻繁に使われ、カジュアルな表現として馴染みやすいです。しかし、ビジネスやフォーマルな文章ではやや口語的に感じられるため、「過度に」「極端に」などに置き換える方が自然な場合があります。

「やたら」を使う上で注意しなければならないのは、過剰さや度合いを強調する言葉であるため、肯定的・計画的な行為に対しては適さない点です。たとえば「やたら努力する」という表現は、むやみにやっている印象を与えてしまうため注意が必要です。

「やたら」の類語・類義語としては、無分別に行うことを意味する「むやみ」、極端な状態や過剰さを意味する「過剰」などがあります。

「むやみ」の例文

1.むやみに新しい情報を信じ込んでしまうと、かえって誤解を招いてしまうことがあります。
2.むやみに自分の考えを押し付けてしまうと、相手の気持ちを傷つけてしまいます。
3.むやみに動き回ると体力を消耗してしまうので、まずは落ち着いて行動することが大切です。
4.むやみに高価なものを買ってしまうと、後で後悔することになるので注意が必要です。
5.むやみに叱るのではなく、理由を説明して子どもに理解させることが大切だと思います。

この言葉がよく使われる場面としては、前後を考えないことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「むやみ」は無闇に思慮なく行うことを戒めるニュアンスが強い言葉です。

「やたら」の例文

1.彼はやたらと細かいことにこだわるので、一緒に作業すると時間がかかってしまいます。
2.最近やたらと広告メールが届くので、正直なところ困っているのです。
3.今日はやたらと人に会う機会が多く、普段よりとても疲れてしまいました。
4.彼女はやたらと自分の自慢話をするので、聞いている側は少し退屈してしまいます。
5.この季節になるとやたらと虫が出てくるので、家の掃除には気をつけています。

この言葉がよく使われる場面としては、根拠や節度がないことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「やたら」は頻度や程度の過剰さを単に強調する言葉です。

「むやみ」と「やたら」はどちらも度を越していることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、無闇に思慮なく行うことを戒めるニュアンスが強いのが「むやみ」、頻度や程度の過剰さを単に強調するのが「やたら」と覚えておきましょう。

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