似た意味を持つ「目当て」(読み方:めあて)と「目的」(読み方:もくてき)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「目当て」と「目的」という言葉は、どちらも何かをしようとする狙いのことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「目当て」と「目的」の違い
「目当て」と「目的」の違いを分かりやすく言うと、「目当て」は興味や関心の対象として使う、「目的」は理性的で抽象的な言葉として使うという違いです。
一つ目の「目当て」を使った分かりやすい例としては、「彼は新しくオープンした店の限定グッズを目当てに来た」「子どもたちはお菓子を目当てに祭りへ出かけた」「観光客がこの町に訪れるのは、美しい景色を目当てにしているからだ」などがあります。
二つ目の「目的」を使った分かりやすい例としては、「彼の目的は留学を通して語学力を高めることだ」「目的を達成するためには努力と計画が必要です」「この調査の目的は、市民の意識を明らかにすることです」などがあります。
「目当て」と「目的」はどちらも何かをしようとする狙いのことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「目当て」は、実際に行動を起こすときの直接的な狙いや興味や関心の対象に対して使われます。たとえば「お金を目当てに近づく」「イベントの景品を目当てに応募する」などのように、感情的・具体的な動機や対象を表します。
一方、「目的」は行動の最終的なゴールや達成すべき意図を表す、理性的で抽象的な言葉です。たとえば「勉強の目的」「計画の目的」「目的を持って行動する」など、社会的や正式な場面でも使われます。
つまり、「目当て」は興味や関心の対象として使う、「目的」は理性的で抽象的な言葉として使う覚えておきましょう。
「目当て」を英語にすると「aim」「object」「attraction」などとなり、例えば「限定グッズを目当てに来た」は英語で「He came for the limited-edition goods」となります。
一方、「目的」を英語にすると「purpose」「goal」「objective」となり、例えば「彼の目的は語学力を高めることだ」は英語で「His purpose is to improve his language skills」となります。
「目当て」の意味
「目当て」とは、目標とするもののことを意味しています。
「お金を目当てに」「目当ての店」などが、「目当て」を使った一般的な言い回しになります。
「目当て」を使った分かりやすい例としては、「彼女はセールで安くなったバッグを目当てにデパートへ向かった」「観光客は夜景を目当てに展望台に集まっていた」「子どもたちはおまけのシールを目当てにお菓子を買っていた」などがあります。
「目当て」は、行動の動機や狙いとなる対象を意味する名詞です。
「目当て」はもともと「目を当てる」という言葉から生まれたもので、視線や意識を向ける対象という意味があり、そこから転じて目的というニュアンスで使われるようになりました。
「目当て」は、何かをする際の具体的な目的や期待の対象を表す言葉です。理性的で客観的な「目的」と比べて、より感情的・個人的な動機を示す点が特徴です。
たとえば、「旅行の目的はリフレッシュすることです」は説明的で理性的な言い方ですが、「旅行の目当ては美味しい料理です」は、楽しみや関心の対象を強調した自然な言い方になります。
また、「目当て」はポジティブな場面だけでなく、「お金目当て」「名誉目当て」「地位目当て」など、打算的・利己的な意図を表す場合にも使われます。文脈によっては、少し皮肉や批判の響きを持つこともあるため、使い方には注意が必要です。
「目当て」の類語・類義語としては、狙いをつけることを意味する「狙い」、心が向く対象を表す「関心」、行動を起こす動機を意味する「理由」などがあります。
「目的」の意味
「目的」とは、実現しようとしてめざす事柄のことを意味しています。
「目的を達成する」「目的を持つ」などが、「目的」を使った一般的な言い回しになります。
「目的」を使った分かりやすい例としては、「彼の目的は新しい技術を開発して社会に貢献することです」「留学の目的を明確にしておくと、学びの方向性がぶれません」「この調査の目的は、顧客満足度を向上させるためのデータを集めることです」などがあります。
「目的」は、ある行動を行う理由や到達しようとする最終的な目標を意味する名詞です。
「目的」は、「目当て」や「狙い」よりも理性的で抽象的な性格を持つ言葉です。個人の感情や欲望よりも、論理的・計画的な意図や方針を表す場面で使われます。
たとえば、「目当て」は「このレストランに行く目当てはデザートです」のように感情的で具体的ですが、「目的」は「この調査の目的は市場の動向を把握することです」のように、説明的で公的な響きを持ちます。
また、「目的」はビジネス・学術・法律など、公的・公式な文書や発言で用いられることが多く、日常会話ではやや硬い印象を与える場合もあります。
「目的」の類語・類義語としては、行動の狙いや方向を示す「目標」、達成を目指す結果を意味する「ゴール」、行動の理由を示す「動機」などがあります。
「目当て」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、目標とするもののことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「目当て」は興味や関心の対象として使う言葉です。
「目的」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、実現しようとしてめざす事柄のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「目的」は理性的で抽象的な言葉として使う言葉です。
「目当て」と「目的」はどちらも何かをしようとする狙いのことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「目当て」は興味や関心の対象として使う、「目的」は理性的で抽象的な言葉として使う覚えておきましょう。