似た意味を持つ「身に余るお言葉」(読み方:みにあまるおことば)と「もったいないお言葉」(読み方:もったいないおことば)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「身に余るお言葉」と「もったいないお言葉」という言葉は、どちらも謙遜して使う言葉を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「身に余るお言葉」と「もったいないお言葉」の違い
「身に余るお言葉」と「もったいないお言葉」の意味の違い
「身に余るお言葉」と「もったいないお言葉」の違いを分かりやすく言うと、「身に余るお言葉」の方が「もったいないお言葉」よりもやや一般的に使われているという違いです。
「身に余るお言葉」と「もったいないお言葉」の使い方の違い
一つ目の「身に余るお言葉」を使った分かりやすい例としては、「身に余るお言葉に感謝申し上げます」「身に余るお言葉を頂きありがとうございます」「身に余るお言葉大変恐縮でございます」などがあります。
二つ目の「もったいないお言葉」を使った分かりやすい例としては、「もったいないお言葉をいただきありがとうございます」「社長のもったいないお言葉に身が引き締まる思いです」「もったいないお言葉を賜り大変感謝しております」などがあります。
「身に余るお言葉」と「もったいないお言葉」の使い分け方
「身に余るお言葉」と「もったいないお言葉」はどちらも謙遜して使う言葉で、意味に大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「身に余るお言葉」の方が「もったいないお言葉」よりもやや一般的に使われているという点です。
ただし、基本的に置き換えて使うことが可能なので、好きな方を使って問題ないと覚えておきましょう。
「身に余るお言葉」と「もったいないお言葉」の英語表記の違い
「身に余るお言葉」も「もったいないお言葉」も日本語特有の表現なので直訳した英語はありませんが、近い表現として「undeserved compliment」「The honor is more than I deserve」などがあります。
「身に余るお言葉」の意味
「身に余るお言葉」とは
「身に余るお言葉」とは、自分には不相応であると謙遜することを意味しています。
表現方法は「身に余るお言葉をいただき」「身に余るお言葉恐れ入ります」
「身に余るお言葉をいただき」「身に余るお言葉恐れ入ります」などが、「身に余るお言葉」を使った一般的な言い回しになります。
「身に余るお言葉」の使い方
「身に余るお言葉」を使った分かりやすい例としては、「この度は身に余るお言葉を賜り大変恐縮です」「大変ありがたく存じます私には身に余るお言葉です」「身に余るお言葉をいただき社員一同感謝しております」などがあります。
「身に余るお言葉」は、処遇が自分の身分や業績を超えて良すぎることを意味する「身に余る」に、相手の褒め言葉を謙遜する「お言葉」が合わさり、自分には不相応であると謙遜することを謙遜する言葉です。
「身に余るお言葉」は基本的に、目上の人からの言葉に対して、謙遜する態度を取る場合に使うと覚えておきましょう。また、謙遜する場合に使う言葉なので、立場が同等や目下の人に対して使うのはあまり適していません。
「身に余るお言葉」は、「身に余るお言葉ありがとうございます」「身に余るお言葉感謝いたします」などのように、感謝のフレーズとセットで使うことが多いと覚えておきましょう。
「身に余るお言葉」の由来
「身に余るお言葉」の由来は江戸時代の身分制度です。江戸時では士農工商という制度があり、自分の身分がはっきりと決められていました。士農工商は基本的に支配階級である士と被支配階級である農、工、商を区別していたと言われています。
江戸時代では身分制度があっため、身分が高い者が身分が低い者を見下すのは当たり前のように行われていました。そのため、身分が低い者が身分が高い者に褒められることはほとんどなかったのです。
しかし、時には何らかの事情で身分が低い者が身分が高い者に褒められる場面もありました。この時に身分が低い者は「身分に余るお言葉をいただきありがとうござす」などと言ったそうです。
この「身分に余るお言葉」というのが転じて、「身に余るお言葉」になったと言われています。
「身に余るお言葉」の類語
「身に余るお言葉」の類語・類義語としては、功績などを褒めたたえる言葉のことを意味する「お褒めの言葉」、またとないほどに尊い言葉のことを意味する「ありがたいお言葉」などがあります。
「もったいないお言葉」の意味
「もったいないお言葉」とは
「もったいないお言葉」とは、身に過ぎて恐れ多い言葉のことを意味しています。
「勿体無いお言葉」はビジネスシーンでは適切ではない
「もったいないお言葉」の「もったいない」は「勿体無い」と変換することができますが、ビジネスシーンにおいては適切ではありません。したがって、ひらがなの「もったいないお言葉」を使うようにしましょう。
表現方法は「もったいないお言葉ありがとうございます」「もったいないお言葉をいただき恐縮です」
「もったいないお言葉ありがとうございます」「もったいないお言葉をいただき恐縮です」「もったいないお言葉痛み入ります」などが、「もったいないお言葉」を使った一般的な言い回しになります。
「もったいないお言葉」の使い方
「もったいないお言葉」を使った分かりやすい例としては、「私にはもったいないお言葉で大変光栄であります」「もったいないお言葉をいただき誠にありがとうございます」「大変ありがたく存じます私にはもったいないお言葉です」などがあります。
「もったいないお言葉」は身に過ぎて恐れ多いことを意味する「もったいない」に、相手の褒め言葉を謙遜する「お言葉」が合わさり、目上の人に褒められた時の感謝の言葉として使います。
「もったいないお言葉」は基本的に、目上の人からの言葉に対して、謙遜する態度を取る場合に使うと覚えておきましょう。また、謙遜する場合に使う言葉なので、立場が同等や目下の人に対して使うのはあまり適していません。
「もったいないお言葉」は、「もったいないお言葉ありがとうございます」「もったいないお言葉感謝いたします」などのように、感謝のフレーズとセットで使うことが多いと覚えておきましょう。
「もったいないお言葉」の類語
「もったいないお言葉」の類語・類義語としては、我が身にはありがたくもったいないことを意味する「恐れ多い」、身に受けた恩恵などに対して感謝の念でいっぱいであることを意味する「かたじけない」などがあります。
「身に余るお言葉」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、自分には不相応であると謙遜することを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「身に余るお言葉」はビジネスシーンにおいてよく使われている言葉です。
「もったいないお言葉」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、身に過ぎて恐れ多い言葉のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「もったいないお言葉」はビジネスシーンにおいてよく使われている言葉です。
「身に余るお言葉」と「もったいないお言葉」はどちらも謙遜して使う言葉を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、意味はほぼ同じ言葉なので、好きな方を使って問題ないと覚えておきましょう。