【腑に落ちる】と【腹落ちする】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「腑に落ちる」(読み方:ふにおちる)と「腹落ちする」(読み方:はらおちする)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「腑に落ちる」と「腹落ちする」という言葉は、どちらも納得がいくことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「腑に落ちる」と「腹落ちする」の違い

「腑に落ちる」と「腹落ちする」の意味の違い

「腑に落ちる」と「腹落ちする」の違いを分かりやすく言うと、「腑に落ちる」とは日常生活で多く使われている、「腹落ちする」とはビジネスシーンで多く使われているという違いです。

「腑に落ちる」と「腹落ちする」の使い方の違い

一つ目の「腑に落ちる」を使った分かりやすい例としては、「ペットの名前の由来を聞いて腑に落ちる」「彼があの場所に行ってくれと言った意味が腑に落ちた」「先生が言ってることは腑に落ちることが多い」「彼女の説明は腑に落ちる」などがあります。

二つ目の「腹落ちする」を使った分かりやすい例としては、「彼の話を聞いて腹落ちしました」「ずっと分からないままだった英語の問題が腹落ちする」「この件については腹落ちするまで徹底的に話し合うことにした」などがあります。

「腑に落ちる」と「腹落ちする」の使い分け方

「腑に落ちる」と「腹落ちする」は、どちらも納得がいくことや理解することという同じ意味を持つ言葉で、大きな違いはありません。

あえて違い挙げるならば、「腑に落ちる」は日常生活で使われていることが多く、「腹落ちする」とはビジネスシーンで使われていることが多いという点になります。あくまで、多いだけなので、実際にはどちらの言葉を使っても問題はありません。

「腑に落ちる」と「腹落ちする」の英語表記の違い

「腑に落ちる」も「腹落ちする」も英語にすると「understand」「be convincing」となり、例えば上記の「彼女の説明は腑に落ちる」を英語にすると「Her explanations are convincing」となります。

「腑に落ちる」の意味

「腑に落ちる」とは

「腑に落ちる」とは、納得がいくことを意味しています。

「腑に落ちる」の使い方

「腑に落ちる」を使った分かりやすい例としては、「話を最後まで聞くと腑に落ちることができました」「彼のプレゼンはみんな腑に落ちただろう」「彼女の説明を聞いて腑に落ちた」「彼が東京へ行けと言った意味が腑に落ちた」などがあります。

「腑に落ちる」は納得がいくことや理解することを意味する慣用句です。「腑」とは、はらわたや内臓のことを指しており、人の心や考え方という意味でも使われています。つまり、「腑に落ちる」とは心から納得するというニュアンスで使うと覚えておきましょう。

「腑に落ちる」は「腑に落ちない」の否定形で誤用ではないと考える人もいますが、誤用ではありません。明治時代辺りから使われており、辞書にも載っている正しい日本語になります。

「腑に落ちる」の対義語

「腑に落ちる」の対義語・反対語としては、納得がいかないことを意味する「腑に落ちない」があります。

「腑に落ちる」の類語

「腑に落ちる」の類語・類義語としては、他人の考えや行動などを十分に理解して得心することを意味する「納得する」、理解できることを意味する「合点がいく」、よく分かって承知することを意味する「得心する」(読み方:とくしんする)などがあります。

「腹落ちする」の意味

「腹落ちする」とは

「腹落ちする」とは、納得がいくことを意味しています。

「腹落ちする」の使い方

「腹落ちする」を使った分かりやすい例としては、「有名な哲学者が言っていることはあとになって腹落ちすることが多い」「ずっと分からないままだった古文の問題がようやく腹落ちした」「社員と腹落ちするのは企業を成長させるのに必要です」などがあります。

「腹落ちする」は納得がいくことや理解することを意味する慣用句です。また、「腹落ちする」は身体の一部を使った慣用句ですが、「お腹」だけではなく、「心」という意味でも使われています。つまり、「腹落ちする」とは心から納得するというニュアンスです。

また、「腹落ちする」は主にビジネスシーンにおいて使われる言い回しになります。そのため、馴染みない人もいるはずです。

辞書などでは「腹落ちする」ではなく、「腹に落ちる」という言い回しで載っていることが多いですが、実際には「腹落ちする」や「腹落ちした」の言い回しで使うのが一般的になっていると覚えておきましょう。

「腹落ちする」の類語

「腹落ちする」の類語・類義語としては、意味や内容を飲み込むことを意味する「理解する」、納得することを意味する「飲み込む」、相手の事情などを理解して許すことを意味する「承知する」などがあります。

「腑に落ちる」の例文

1.20年越しに未解決事件の真相が明らかになり、腑に落ちることができました。
2.子供の頃母親に言われてきたことが、大人になって腑に落ちることとなりました。
3.審判の判定に腹も立てるも、あとから映像を見ると確かにオフサイドになっており腑に落ちた。
4.監督からレギュラーを外された理由を聞いて腑に落ちることができた。明日から練習を頑張ろう。
5.彼は腑に落ちるような説明をしてくれないので、不信感が募る。
6.上司からスケジュールには多少の余裕を持たせるよう言われたが、実際始まってみるとどの工程も遅れがちで、上司の言っていたことが腑に落ちた。
7.子どものことから、お兄ちゃんだからこうしなさい、ああしなさいと言われるのが腑に落ちなかった。弟とは1歳しか変わらないのに。
8.みんな携帯電話を学校に持ち込んでいるのに、自分だけそれをとがめられるのがどうしても腑に落ちなかった。
9.わたしは何も知らされてなかったので、部員たちの奇妙な振る舞いが腑に落ちずに困惑してしまったのだ。
10.監督は一方的に言うだけで腑に落ちるような説明を一切してくれなかったので不信感が募っていた。

この言葉がよく使われる場面としては、納得がいくことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「腑に落ちる」は納得したり、理解した場合に使われる言葉です。

「腹落ちする」の例文

1.強豪チームになるためには、選手と監督の双方が腹落ちし、協力していくべきです。
2.彼の出生の秘密を知ってしまったので、彼の行動が腹落ちるする。
3.彼女は浮気について腹落ちするような説明ををしないため、別れることを決意しました。
4.警察から事件の真相を聞いたことで、ようやく腹落ちすることができました。
5.審判のアウトの判定に腹を立てるも、後から映像をみると確かに先にタッチされており腹落ちする。
6.すばっと腹落ちするような言葉を持っている上司のもとで働きたいものです。そういう上司となら、多少の我慢もできるってもんじゃないですか。
7.こんなに資料を集めて何をするのかと思っていたが、彼に話を聞いてみてようやく腹落ちしたという具合だ。
8.この件についてはうやむやにせず腹落ちするするまで徹底的に話し合いをしたいのだが、まず相手が取り合ってくれないのだ。
9.この数学の問題がわからなかったが、先生に何度も説明してもらった末にようやく腹落ちすることができた。
10.信頼できる部下というのは従順な部下ではなく腹落ちするするまでわからないことを聞いてきてくれる部下だ。

この言葉がよく使われる場面としては、納得がいくことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「腹落ちする」は納得したり、理解した場合に使われる言葉です。

「腑に落ちる」と「腹落ちする」はどちらも納得がいくことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、日常生活で多く使われているのが「腑に落ちる」、ビジネスシーンで多く使われているのが「腹落ちする」と覚えておきましょう。

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