【散歩】と【散策】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「散歩」(読み方:さんぽ)と「散策」(読み方:さんさく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「散歩」と「散策」という言葉は、どちらも「歩くこと」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




散歩と散策の違い

散歩と散策の意味の違い

散歩と散策の違いを分かりやすく言うと、散歩とは何らかの目的でぶらぶら歩くこと、散策とは目的を持たずにぶらぶら歩くことという違いです。

散歩と散策の使い方の違い

一つ目の散歩を使った分かりやすい例としては、「数年前から朝の散歩を日課にしています」「散歩の健康効果に着目する」「夏は熱中症対策をしながら犬の散歩をしています」「散歩による消費カロリーを計算する」などがあります。

二つ目の散策を使った分かりやすい例としては、「GWに散策イベントを開催します」「東京メトロ沿線の特色あるエリアを散策する」「猛暑日の散策は危険ですのでお控えください」「雨が降ったので散策を断念しました」などがあります。

散歩と散策の使い分け方

散歩と散策という言葉は、どちらも明確な目的地を設定せずにぶらぶらと歩くことを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

散歩とは、気晴らしや健康などのために、あてもなくぶらぶらと歩くことを意味します。基本的に、散歩にはリフレッシュや軽い運動といった一応の目的があり、どちらかというと能動的な動きになります。また、「犬の散歩」のように動物にも使用できる言葉です。

散策とは、特段の目的もなく、ただぶらぶらと歩くことを意味します。散策は、とりとめなく自然の風物や雰囲気に身をゆだねて歩く受動的な歩きです。人間以外に用いることはできない言葉であり、「犬の散策」と表現することはできません。

つまり、散歩とは何らかの目的でぶらぶら歩くことを表し、散策とは目的を持たずにぶらぶら歩くことを意味します。二つ言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

散歩と散策の英語表記の違い

散歩も散策も英語にすると「walk」「stroll」となり、例えば上記の「朝の散歩」を英語にすると「a morning walk」となります。

散歩の意味

散歩とは

散歩とは、気晴らしや健康などのために、ぶらぶら歩くことを意味しています。

散歩の使い方

散歩を使った分かりやすい例としては、「いつもの散歩道で旧友にばったり会いました」「新型アスレチックで空中散歩を楽しむ」「街歩きが好きは母は散歩の達人です」「効果的な散歩の方法を教えてもらいました」などがあります。

その他にも、「おすすめの散歩コースを教えてください」「散歩にはたくさんのメリットがあります」「散歩中の犬に吠えられてしまった」「散歩に関連したフリーイラストをダウンロードする」などがあります。

散歩の「散」は四方にちらばることや、ぶらぶらしていることを表し、「歩」は足の運びや歩くことを表します。散歩とは、気晴らしや健康などのために、あてもなく、ぶらぶらと歩くことを意味します。

散歩の特徴

散歩の主な効果には、心肺機能の強化と持久力向上、ストレス解消やリフレッシュなどがあります。有酸素運動である散歩は、心臓が鍛えられ、肺が酸素を取り込むようになり呼吸機能が向上します。また、脳の血流が良くなることで副交感神経が活発になり、心身がリラックスした状態になります。

散歩の対義語

散歩の対義語・反対語としては、非常にはやく走ることを意味する「疾走」などがあります。

散歩の類語

散歩の類語・類義語としては、ぶらぶらと歩くことやそぞろ歩きを意味する「遊歩」、ある目的で諸地方を巡り歩くことを意味する「行脚」(読み方:あんぎゃ)、家を出てあちこちと歩くことを意味する「出歩く」、健康維持や体力増強のための歩行運動を意味する「ウオーキング」などがあります。

散策の意味

散策とは

散策とは、これといった目的もなく、ぶらぶら歩くことを意味しています。

散策の使い方

散策を使った分かりやすい例としては、「全長2.3kmの自然散策路を歩きました」「英語の曲を聴きながら近くを散策する」「近くの川の散策にハマりました」「有馬温泉の散策マップをダウンロードする」「散策マップをリニューアルしました」などがあります。

その他にも、「待ち合わせ時間まで駅周辺を散策する」「森林公園は探索も散策も楽しめます」「散策しやすいエリアをご紹介します」「家族で散策した思い出をイラストにしました」「散策を楽しむ観光客で賑わっています」などがあります。

散策の「策」は訓読みで「むち」と読み、馬などを打って進ませるために用いる革ひもや竹の棒を表します。気ままにぶらぶらしているさまを表す「散」と組み合わさり、散策とは、はっきりとした目的がなく、ぶらぶらと歩くことを意味します。

上記の例文にある「散策路」(読み方:さんさくろ)とは、散策をするため定められたり設けられた道を意味します。史跡を巡らせる目的や、レジャーおよび健康増進を図る目的などで、公園内や市区町村内そのものを散策するルートを散策路として紹介していることがあります。

散策の対義語

散策の対義語・反対語としては、未知の事柄などをさぐり調べることを意味する「探索」などがあります。

散策の類語

散策の類語・類義語としては、あてもなくぶらぶら歩き回ることを意味する「漫歩」、当てもなく気の向くままにぶらぶら歩き回ることを意味する「そぞろ歩き」、当てもなくあちこち歩き回ることを意味する「ほっつく」などがあります。

散歩の例文

1.実家の近くの散歩コースは、四季折々の自然を楽しめるようになっています。
2.朝の散歩には、あなたが思っているよりもすごい効果があるんです。
3.歌を口ずさみながら散歩をすると、気分が前向きになって意欲が湧いてきます。
4.高齢者となった父は、夜の散歩を徘徊と間違えられてショックを受けていました。
5.受験生の娘は、ダイエットのために英語のラジオ講座を聴きながら散歩しています。

この言葉がよく使われる場面としては、気晴らしや健康などのためにぶらぶら歩くこと、あてもなく遊び歩くことを表現したい時などが挙げられます。

例文4にある散歩を徘徊の違いは、自宅に帰る方法や道順を分かっているかどうかです。散歩は自宅に帰る方法を理解しておりますが、徘徊は帰る方法が分かっていない状態です。

散策の例文

1.近所の公園は散策路が整備されているので、ベビーカーを押しながらでも歩きやすいです。
2.商店街は思っていたよりも人通りも多かったので、自転車からおりて散策しました。
3.英語の先生は自然散策が趣味で、週末は郊外に出かけることが多いそうです。
4.地図を持たずに知らない街を散策すると、五感をフル活用して楽しむことができます。
5.人出が多い観光地はのんびり散策することができないので、あまり好きではありません。

この言葉がよく使われる場面としては、特に目的がなくぶらぶらと歩くことを表現したい時などが挙げられます。

例文3にある「自然散策」とは、自然環境に触れながらのんびりと歩き、自然の美しさや季節感を楽しんだりする活動です。

散歩と散策という言葉は、どちらも「ぶらぶら歩くこと」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、何らかの目的を持ってぶらぶら歩くことを表現したい時は「散歩」を、目的を持たずにぶらぶら歩くことを表現したい時は「散策」を使うようにしましょう。

言葉の使い方の例文
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