似た意味を持つ「じわじわ」と「じりじり」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「じわじわ」と「じりじり」という言葉は、どちらもゆっくりと少しずつ進む様子のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「じわじわ」と「じりじり」の違い
「じわじわ」と「じりじり」の意味の違い
「じわじわ」と「じりじり」の違いを分かりやすく言うと、「じわじわ」はプラスのイメージで使うことが多い、「じりじり」はマイナスのイメージで使うことが多いという違いです。
「じわじわ」と「じりじり」の使い方の違い
一つ目の「じわじわ」を使った分かりやすい例としては、「薬がじわじわと効いてきた」「人気がじわじわと広がっている」「寒さがじわじわと体に染みてくる」などがあります。
二つ目の「じりじり」を使った分かりやすい例としては、「時計の針が進むのをじりじりと待った」「太陽の日差しがじりじりと肌を焼く」「面接の順番を待つ間、じりじりとした気持ちが募った」などがあります。
「じわじわ」と「じりじり」の使い分け方
「じわじわ」と「じりじり」はどちらもゆっくりと少しずつ進む様子のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「じわじわ」は「薬がじわじわ効いてきた」「人気がじわじわ広がっている」のように、穏やかに変化や影響が広がる様子を表します。時間をかけて少しずつ浸透したり、影響が強まったりするニュアンスがあり、肯定的な意味でも中立的な意味でも使うことができます。
一方、「じりじり」は「待たされてじりじりする」「日差しがじりじり照りつける」のように、焦りやいら立ち、あるいは強い刺激を感じる様子を表します。こちらは主に感情的・身体的な不快感を伴う場面で使われることが多く、ややネガティブなニュアンスがあります。
つまり、プラスのイメージで使うことが多いのが「じわじわ」、マイナスのイメージで使うことが多いのが「じりじり」と覚えておきましょう。
「じわじわ」と「じりじり」の英語表記の違い
「じわじわ」を英語にすると「gradually」や「slowly but steadily」となり、例えば「人気がじわじわと広がっている」を英語にすると「Its popularity is gradually spreading」となります。
一方、「じりじり」を英語にすると「impatiently」や「burning hotly」となり、例えば「面接の順番を待つ間、じりじりとした気持ちが募った」を英語にすると「As I waited for my interview turn, I grew more and more impatient」となります。
「じわじわ」の意味
「じわじわ」とは
「じわじわ」とは、物事がゆっくりと確実に進行することを意味しています。
「じわじわ」の使い方
「じわじわ」を使った分かりやすい例としては、「感動がじわじわと胸に広がってきた」「人気がじわじわと出てきている商品です」「寒さがじわじわと体にしみてくる」「痛みがじわじわと増していくのを感じた」などがあります。
「じわじわ」は、物事がゆっくりと、しかし確実に進行していく様子を表すオノマトペです。オノマトペとは、さまざまな状態や動きなどを音で表現すること、つまり擬声語や擬態語を意味するフランス語です。
オノマトペは主に自然界にある音や声など、現実に聞こえる音や感覚を人の言語で表現しています。日本語は他の言語に比べてオノマトペの種類が非常に多く、「じわじわ」以外にも「のんびり」「どきどき」「もやもや」「にこにこ」「ぐんぐん」「ひりひり」などがあります。
「じわじわ」は「痛みがじわじわ広がる」「人気がじわじわ上がる」のように、物事が少しずつ進んだり変化したりする様子を表すときに使います。時間をかけて変化していくイメージで、急激ではないが確実に影響が広がっていくというニュアンスがあります。
また、「じわじわ」は感情面でもよく使われます。「感動がじわじわこみ上げる」「悔しさがじわじわと湧いてくる」のように、感情がゆっくりと内側から生まれていく様子を表すことができます。
「じわじわ」の特徴
「じわじわ」は日常会話でもよく使われる言葉で、フォーマルな場面でも比較的使いやすい表現です。ビジネス文書でも「じわじわと需要が拡大している」「コストがじわじわ上昇している」などのように用いられます。
「じわじわ」の類語
「じわじわ」の類語・類義語としては、変化がゆっくりと進むことを意味する「少しずつ」、緩やかに影響が広がることを表す「ゆるやかに」、また感情や熱が穏やかに伝わる様子を表す「しみじみ」などがあります。
「じりじり」の意味
「じりじり」とは
「じりじり」とは、ゆっくりとわずかずつ確実に進み迫ったり退いたりすることを意味しています。
「じりじり」の使い方
「じりじり」を使った分かりやすい例としては、「太陽がじりじりと照りつけて肌が痛い」「面接の順番を待ちながらじりじりと落ち着かない」「時計の針が進むのをじりじりしながら見つめた」「試合の終了間際、時間がじりじりと迫ってきた」などがあります。
「じりじり」は、焦りやいら立ち、または熱などの刺激が強く感じられる様子を表すオノマトペです。
オノマトペは自然界の音や感覚、心の動きなどを言葉にしたもので、日本語では「じりじり」以外にも「どきどき」「いらいら」「ぐつぐつ」「ひりひり」「もやもや」など、多様な表現があります。
「じりじり」は「太陽がじりじり照りつける」「待たされてじりじりする」のように、強い熱や焦りを感じる場面で使われます。
感覚的には「ゆっくり進んでいるのに、待つ側には長く感じられる」「熱さや緊張が高まっていく」といった、心や体に刺激を与えるようなイメージがあります。
また、時間や状況が少しずつ進んでいるのに思うように進展しない場面でも、「じりじりとした気持ちになる」「じりじりと焦りを感じる」といった形で使われます。特に、感情的なもどかしさや緊張感を表すときに適しています。
「じりじり」の特徴
「じりじり」は日常会話ではもちろん、ビジネスシーンでも「株価がじりじりと上昇している」「交渉がじりじりと進展している」などのように使われることがあります。やや感情のこもったニュアンスを持つ表現ですが、フォーマルな文章にも用いることができるのが特徴です。
「じりじり」の類語
「じりじり」の類語・類義語としては、焦りや苛立ちを意味する「いらいら」、待ちきれない気持ちを表す「そわそわ」、また時間がゆっくり進むもどかしさを表す「もどかしい」などがあります。
「じわじわ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事がゆっくりと確実に進行することを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「じわじわ」はプラスのイメージで使うことが多い言葉です。
「じりじり」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、ゆっくりとわずかずつ確実に進み迫ったり退いたりすることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「じりじり」はマイナスのイメージで使うことが多い言葉です。
「じわじわ」と「じりじり」はどちらもゆっくりと少しずつ進む様子のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、プラスのイメージで使うことが多いのが「じわじわ」、マイナスのイメージで使うことが多いのが「じりじり」と覚えておきましょう。