【ぬか喜び】と【取り越し苦労】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

よく使われる日本語の「ぬか喜び」(読み方:ぬかよろこび)と「取り越し苦労」(読み方:とりこしくろう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「ぬか喜び」と「取り越し苦労」という言葉の意味は、大きく異なりますので、ご注意下さい。




「ぬか喜び」と「取り越し苦労」の違い

「ぬか喜び」と「取り越し苦労」の意味の違い

「ぬか喜び」と「取り越し苦労」の違いを分かりやすく言うと、「ぬか喜び」とはあてが外れてあとでがっかりするような一時的な喜びのこと、「取り越し苦労」とはどうなるか分からないことをあれこれ心配することという違いです。

「ぬか喜び」と「取り越し苦労」の使い方の違い

一つ目の「ぬか喜び」を使った分かりやすい例としては、「恋愛中のぬか喜びがとても辛い」「初週の売り上げは高いもののぬか喜びはできない」「人事部に呼ばれたので昇進かと思ったがぬか喜びだった」などがあります。

二つ目の「取り越し苦労」を使った分かりやすい例としては、「取り越し苦労を治すことができた」「取り越し苦労の影響で体調を崩した」「不安の大半は取り越し苦労に終わる」などがあります。

「ぬか喜び」と「取り越し苦労」の使い分け方

「ぬか喜び」と「取り越し苦労」はよく使われる日本語ですが、全く違う意味を持つ言葉になります。

「ぬか喜び」は、あてが外れてあとでがっかりするような一時的な喜びのことを意味しており、一時的に喜ぶも勘違いだった場合に使います。

もう一方の「取り越し苦労」は、どうなるか分からないことをあれこれ心配することを意味しており、先のことを考えて不安になった場合に使います。

「ぬか喜び」と「取り越し苦労」の英語表記の違い

「ぬか喜び」という英語はないのですが、一時的な喜びという意味を持つ「short-lived joy」で表わすことができます。

もう一方の「取り越し苦労」という英語もないのですが、あなたは無駄に心配しているという意味を持つ、「you are worrying for nothing」で表わすことができます。

「ぬか喜び」の意味

「ぬか喜び」とは

「ぬか喜び」とは、あてが外れてあとでがっかりするような一時的な喜びのことを意味しています。

「ぬか喜び」の使い方

「ぬか喜び」を使った分かりやすい例としては、「ぬか喜びさせて申し訳ございません」「テストで高得点を取れたと思っているがぬか喜びはできない」「女性から週末の予定を聞かれたので期待したがぬか喜びだった」「早合点でぬか喜びした」などがあります。

「ぬか喜び」の由来

「ぬか喜び」の「ぬか」は、 玄米などを精白する際に果皮や種皮などが破けて粉になった「糠」のことです。「糠」はその形状から、細かいや儚いという意味で使われていました。それが転じて一時的な儚い喜びという意味で、「ぬか喜び」が使われるようになりました。

「ぬか喜び」はあてが外れてあとでがっかりするような一時的な喜びのことを意味しているので、継続的に喜ぶ場合や、喜んで終わる場合には使えません。勘違いで喜び、がっかりする場合に使うと覚えておきましょう。

「ぬか喜び」の漢字表記

「ぬか喜び」を漢字にすると、「糠喜び」となりますが、一般的にはひらがな表記の「ぬか喜び」が使われています。

表現方法は「ぬか喜びさせる」「ぬか喜びできない」「ぬか喜びさせてごめん」

「ぬか喜びさせる」「ぬか喜びできない」「ぬか喜びだった」「ぬか喜びさせてごめん」「ぬか喜びさせやがって」などが、「ぬか喜び」を使った一般的な表現方法になります。

「ぬか喜び」の類語

「ぬか喜び」の類語・類義語としては、努力や苦心がすべて無駄になることを意味する「水の泡」、一旦良くなったものがが再びもとの状態に戻ることを意味する「元の木阿弥」(読み方:もとのもくあみ)などがあります。

「ぬか喜び」の喜の字を使った別の言葉としては、非常に喜ぶことを意味する「大喜び」、なんとなく嬉しいことを意味する「空喜び」(読み方:そらよろこび)、あまりの喜ばしさに泣くことを意味する「喜び泣き」などがあります。

「取り越し苦労」の意味

「取り越し苦労」とは

「取り越し苦労」とは、どうなるか分からないことをあれこれ心配することを意味しています。

「取り越し苦労」の使い方

「取り越し苦労」を使った分かりやすい例としては、「取り越し苦労をやめたいと思っている」「取り越し苦労が多くて夜寝れないことがよくある」「仕事でよく取り越し苦労をしてしまう」「心配しても取り越し苦労で終わるだけだ」などがあります。

「取り越し苦労」は、どうなるか分からないことをあれこれ心配することを意味しており、簡単に言うならば、考える必要のない余計な心配のことです。必要以上に考えて不安を感じた時に使われているため、マイナスなイメージを持つ言葉になります。

表現方法は「取り越し苦労に終わる」「取り越し苦労が多い」「取り越し苦労をやめる」

「取り越し苦労に終わる」「取り越し苦労が多い」「取り越し苦労をやめる」などが、「取り越し苦労」を使った一般的な表現方法になります。

「取り越し苦労」の類語

「取り越し苦労」の類語・類義語としては、心配する必要のないことをあれこれ心配することを意味する「杞憂」(読み方:きゆう)、考えないようにしても自分の意志で払い除けることができない観念のことを意味する「強迫観念」などがあります。

「取り越し苦労」の苦労の字を使った別の言葉としては、あれこれと気を使って精神的に疲れることを意味する「気苦労」(読み方:きぐろう)、小さいことまで気に掛けて心配する性質を意味する「苦労性」(読み方:くろうしょう)などがあります。

「ぬか喜び」の例文

1.バイトの後輩からクリスマスの予定を聞かれてテンション上がっていたが、シフトを交代して欲しいという連絡だったので、ただのぬか喜びだった。
2.期待させるような発言をしてしまったようで、ぬか喜びさせてごめんなさい。
3.明日台風が直撃する予報だったので、学校が休みになると思っていたが、進路が変わりただのぬか喜びだった。
4.このドラマは初回の視聴率が高かったが、ぬか喜びはできない。
5.今年はボーナス出るぞと上司から言われてとても期待していたが、結局出ることはなかったのでぬか喜びだった。
6.少額当選を大当たりだ!と言い家族をぬか喜びさせてきた父だが、今年は見事に30万を当て腰を抜かすこととなった。
7.大学入試で思ったよりも問題が簡単で、自信を持って答えを提出したが、結果は不合格でぬか喜びだった。
8.トレーディングカードでレアカードを入手したと思っていたが、実際には偽物だったので、ぬか喜びだった。
9.上司にランチに行くと言われて、おごってもらえると思っていたが、実際には割り勘だったので、ぬか喜びだった。
10.ダイエットに成功したと思っていたが、実際には体重が変わらなかったので、ぬか喜びだった。

この言葉がよく使われる場面としては、あてが外れてあとでがっかりするような一時的な喜びのことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、勘違いで一時的に喜んだことを表現し、日常生活とビジネシーンの両方で使うことができます。

「取り越し苦労」の例文

1.取り越し苦労が多くて、日々の生活に疲れてしまう。
2.不安の9割は取り越し苦労で終わると言われているので、もっと楽に生きることにしよう。
3.自分に自信がない人は、取り越し苦労をする傾向がある。
4.息子がきちんとした大人になれるかいつも心配していたが、立派な社会人になったので取り越し苦労だったようだ。
5.取り越し苦労をやめるために、物事をポジティブに考えるようにした。
6.慎重で取り越し苦労が多い母と、なるようになるさとあっけらかんとしている妹はいつもぶつかっている。
7.戦後最大の台風というから前々日からしっかり準備しておいたのに大した事はなく、取り越し苦労に終わった。
8.彼女は仕事でミスをすることを恐れて、いつも取り越し苦労をしているので、私はリラックスするようアドバイスしています。
9.この場で取り越し苦労をしても始まらないのだから、とりあえずやってみてはどうでしょうか。
10.新しいクラスに移る前に、友達ができるかどうかと取り越し苦労をする児童は一定数います。

この言葉がよく使われる場面としては、どうなるか分からないことをあれこれ心配することを表現したい時などが挙げられます。

例文1のような、取り越し苦労が多いはよく使われる表現方法になります。

「ぬか喜び」と「取り越し苦労」はよく使われる日本語ですが、意味は全く異なっています。「ぬか喜び」はあてが外れてあとでがっかりするような一時的な喜びのこと、「取り越し苦労」はどうなるか分からないことをあれこれ心配すること、と覚えておきましょう。

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