【交番】と【駐在所】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「交番」(読み方:こうばん)と「駐在所」(読み方:ちゅうざいしょ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「交番」と「駐在所」という言葉は、どちらも「警察署の下部機構」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




交番と駐在所の違い

交番と駐在所の意味の違い

交番と駐在所の違いを分かりやすく言うと、交番とは都市部に設置され複数の警察官が交代制で勤務する、駐在所とは都市部以外に設置され一人の警察官が勤務するという違いです。

交番と駐在所の使い方の違い

一つ目の交番を使った分かりやすい例としては、「拾った財布を駅前の交番に届けました」「家を飛び出して近くの交番に逃げ込みました」「交番に警察官がいない時間帯があります」「交番設置を求める声が上がっている」などがあります。

二つ目の駐在所を使った分かりやすい例としては、「私の叔父は駐在所に勤務しています」「駐在所にいる警察官は警部補以下の階級です」「派出所や駐在所の地図記号を描けますか」「全駐在所の直通電話は廃止されました」などがあります。

交番と駐在所の使い分け方

交番と駐在所という言葉は、どちらも警察署の下部におかれる警察の末端機構を表しますが、意味や使い方には違いがあります。

交番とは、警察署の下部機構の一つで、地域警察官の活動拠点を意味します。交番は主として都市部に置かれ、複数の警察官が交代制で勤務します。交番に勤務する警察官は、交番での警戒監視、所管区内のパトロールおよび各家庭や事業所等への巡回連絡を行っています。

駐在所とは、警察署の下部機構であり、巡査が駐在して担当区域内の犯罪予防や事務処理などに従事するところです。駐在所は都市部以外の郊外や山間部に置かれ、原則として1人の警察官が住み込んで勤務しています。

つまり、交番と駐在所の違いは、ロケーションは勤務形態です。交番は都市部にあって警察官が交代制で勤務し、駐在所は都市部以外で一人の警察官が勤務しています。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

交番と駐在所の英語表記の違い

交番を英語にすると「police box」「alternation」となり、例えば上記の「駅前の交番」を英語にすると「police box in front of the station」となります。

一方、駐在所を英語にすると「police substation」「place of residence」となり、例えば上記の「駐在所に勤務している」を英語にすると「work at a police substation」となります。

交番の意味

交番とは

交番とは、警察署の下部機構で、町の要所に設けられた警察官の詰め所を意味しています。

その他にも、「交替で番に当たること、また、役割・位置などが入れ替わること」「電流などが、大きさと方向を、周期的に規則正しく変えること」の意味も持っています。

交番の使い方

「交番に紛失届を出しました」「基本的に交番勤務は四部制です」「交番にいるお巡りさんは英語が話せます」などの文中で使われている交番は、「警察署の下部機構で、町の要所に設けられた警察官の詰め所」の意味で使われています。

一方、「各車両の運行予定を交番表で確認する」の文中で使われている交番は「交替で番に当たること、また、役割などが入れ替わること」の意味で、「コイルに交番を流して磁界を発生させる」の文中で使われている交番は「電流などが周期的に規則正しく変えること」の意味で使われています。

交番とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を捉える必要があります。交番の「交」は入れかわること、「番」はかわるがわる勤めに当たることを表す漢字です。

交番の語源

交番という言葉の語源は、「交替で番をする所」を意味する「交番所」に由来します。1874年に東京警視庁に「交番所」ができ、当時は警察官が警察署から決まった場所に行って、交替で番をする形を取っていました。

表現方法は「交番荷重」

交替を用いた日本語には「交番荷重」(読み方:こうばんかじゅう)があります。交替荷重とは、荷重の大きさと向きが周期的に変化する動荷重の一種です。荷重の大きさだけが変動する「繰り返し荷重」と区別されています。

交番の類語

交番の類語・類義語としては、都道府県の各地域を管轄し警察事務を処理する役所を意味する「警察署」、役割や位置などを互いに入れかえることを意味する「交代」、入れ替わることや交替することを意味する「チェンジ」などがあります。

駐在所の意味

駐在所とは

駐在所とは、ある人が派遣されて駐在する所、また、その事務所を意味しています。

その他にも、「警察署の下部機構で、巡査が駐在して、受け持ち区域内の警備や事務処理を扱う所」の意味も持っています。

駐在所の使い方

「来年度にシンガポール駐在所を設置します」「英語が得意な同僚は海外駐在所に派遣されました」「駐在所勤務によって給料が上がりました」などの文中で使われている駐在所は、「ある人が派遣されて駐在する所」の意味で使われています。

一方、「駐在所は住み込みが中心です」「原則として駐在所には休みがありません」「駐在所の間取りは独特です」などの文中で使われている駐在所は、「警察署の下部機構で、巡査が駐在して、受け持ち区域内の警備や事務処理を扱う所」の意味で使われています。

駐在所とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ちますが、一般的には「警察署の下部機構で、巡査が駐在して、受け持ち区域内の警備や事務処理を扱う所」を指す言葉です。駐在所の「駐在」は一定の場所に相当の期間留まることを表します。

駐在所を用いた日本語には「巡査駐在所」があります。巡査駐在所とは、警察署のない土地に置き、巡査を単独で駐在させてその区内を巡回し、警察事務を取り扱わせる所です。原則として一人の警察官が、自身の家族と共に駐在所で生活しながら勤務します。

駐在所の類語

駐在所の類語・類義語としては、派出された人が詰めて業務をする所を意味する「派出所」、東京都を管轄する警察を意味する「警視庁」、警察官や巡査を親しんで呼ぶ語を意味する「お巡りさん」などがあります。

交番の例文

1.駅前の通りで落とし物を拾ったので、近くの交番に持って行きました。
2.交番の警察官が家を訪ねて来て、巡回連絡カードの記入をお願いされました。
3.お財布を紛失してしまい電車賃も無かったので、交番でお金を借りることにしました。
4.元カレのストーカー行為に不安を感じているので、最寄りの交番に相談しようと思います。
5.交番磁界は、疼痛緩和などの治療を目的とした医療機器に利用されています。

この言葉がよく使われる場面としては、都市の要所要所に設けられた警官の詰所、交替して番に当たること、時間の経過とともに周期的に向きと大きさが変化する電流を表現したい時などが挙げられます。

例文5にある「交番磁界」とは、時間と共に大きさと方向が変化を繰り返す磁界を意味します。

駐在所の例文

1.海外でのビジネス展開を検討しており、まずは足掛かりとして駐在所を設置する予定です。
2.駐在所での生活は地域密着型なので、人付き合いが上手なお巡りさんに向いていると思います。
3.駐在所に勤めている警察官の奥さんに、直接給料が払われることはありません。
4.次の勤務地である駐在所の間取りに余裕はありますが、家族が渋っているので単身赴任になりそうです。
5.地域の人口減少に伴って、昔からあった駐在所が廃止されるかもしれません。

この言葉がよく使われる場面としては、ある人が派遣されて駐在する場所、巡査が駐在して受け持ちの地区の警備や事務処理にあたる所を表現したい時などが挙げられます。

例文1にある駐在所は、ある人が派遣されて駐在する場所の意味で用いられています。例文2から例文5の駐在所は、巡査が駐在して警備や事務処理にあたる所の意味で使われています。

交番と駐在所という言葉は、どちらも「警察署の下部機構」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、都市部に設置され警察官が交代制で勤務するところを表現したい時は「交番」を、都市部以外に設置され警察官が一人で勤務するところを表現したい時は「駐在所」を使うようにしましょう。

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