【手を染める】と【足を洗う】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「手を染める」(読み方:てをそめる)と「足を洗う」(読み方:あしをあらう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「手を染める」と「足を洗う」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。




「手を染める」と「足を洗う」の違い

「手を染める」と「足を洗う」の意味の違い

「手を染める」と「足を洗う」の違いを分かりやすく言うと、「手を染める」は悪いことをし始めること、「足を洗う」は悪いことをやめることという違いです。

「手を染める」と「足を洗う」の使い方の違い

一つ目の「手を染める」を使った分かりやすい例としては、「彼女は悪事に手を染めるような人ではない」「借金を返すために危ない仕事に手を染めた」「一度手を染めると抜け出せなくなることもある」「彼はついに裏社会の仕事に手を染めてしまった」などがあります。

二つ目の「足を洗う」を使った分かりやすい例としては、「もう足を洗って真面目に働いています」「兄は不良グループから足を洗ったらしいです」「危ない仕事から足を洗う決心をしました」「彼はもう裏稼業から足を洗って真面目に働いています」などがあります。

「手を染める」と「足を洗う」の使い分け方

「手を染める」と「足を洗う」は似た言葉ですが、意味は全く異なるので間違えないように注意が必要です。

「手を染める」は「彼はついに裏社会の仕事に手を染めてしまった」のように、良くないことや本来避けるべきことに関わり始める場合に使う言葉になります。

一方、「足を洗う」は「彼はもう裏稼業から足を洗って真面目に働いている」のように、今まで関わっていた悪いことや好ましくないことから身を引く場合に使う言葉です。

つまり、悪いことをし始めるのが「手を染める」、悪いことをやめるのが「足を洗う」と覚えておきましょう。

「手を染める」と「足を洗う」の英語表記の違い

「手を染める」を英語にすると「get involved in」や「dabble in」となり、例えば上記の「彼はついに裏社会の仕事に手を染めてしまった」を英語にすると「He finally got involved in the underworld business」となります。

一方、「足を洗う」を英語にすると「quit」や「turn over a new leaf」「leave behind one’s shady past」となり、例えば上記の「彼はもう裏稼業から足を洗って真面目に働いてい」を英語にすると「He has already quit his shady business and is now working honestly」となります。

「手を染める」の意味

「手を染める」とは

「手を染める」とは、関係をもちはじめることを意味しています。

「手を染める」の使い方

「手を染める」を使った分かりやすい例としては、「彼は賭博に手を染めて人生を狂わせた」「あの人は楽に稼ごうとして犯罪に手を染めたらしいです」「裏社会に手を染めた彼を誰も止められなかった」「彼女は嘘に手を染めることを嫌っていた」などがあります。

「手を染める」はこれまで関わってこなかった物事や行為に初めて関わり始めることを表す言葉です。特に人から好まれない物事に足を踏み入れる場合などの、悪事に対して使われることが多い表現です。

例えば、楽にお金を稼ぐために危ない仕事に手を染めてしまった人や、誰かにそそのかされて裏の仕事に手を染めてしまった人などが挙げられます。

「手を染める」の特徴

「手を染める」は多くの場合、犯罪行為や不正行為など、道徳的に好ましくないことに関わり始める場面で使うのが特徴です。

また、「手を染める」は元々なにかをし始めるという意味で使われていたのですが、近年ではほぼ悪いことを始めるというニュアンスでのみ使うようになっています。

「手を染める」の語源

「手を染める」の語源は手を色に染めるという意味からきています。染め物をするとき、人は布だけでなく自分の手も染料で汚してしまいますよね。これが転じて、何かに関わることを「手を染める」と言うようになりました。

「手を染める」の類語

「手を染める」の類語・類義語としては、新たに物事に関わり始めることを意味する「関わる」や、悪いことを始める意味で使われる「首を突っ込む」などがあります。

「足を洗う」の意味

「足を洗う」とは

「足を洗う」とは、悪いことから離れることを意味しています。

「足を洗う」の使い方

「足を洗う」を使った分かりやすい例としては、「彼は裏社会から足を洗ったそうだ」「昔の仲間も今は足を洗っているらしいです」「裏の仕事から足を洗って地元に戻りました」「父はギャンブルから足を洗ったと言っていた」などがあります。

「足を洗う」はこれまで関わっていた良くない行いから身を引き、きっぱりと縁を切ることを表す言葉です。簡単に言うならば、悪事や裏の仕事などから抜け出して、真っ当な生活に戻ることを指します。

例えば、裏社会からの引退を決意した人や非合法の仕事をしていた人が真っ当な仕事をする際に「足を洗う」という表現をよく使います。

「足を洗う」の特徴

そのため、「足を洗う」は後ろ暗い世界に属していた人が新たな人生を歩む決意を示す場面で使うのが特徴です。

「足を洗う」の語源

「足を洗う」の語源は仏教です。仏教ではお寺に入る前に足を洗って心身を清め、俗世間の煩わしさを捨てるという行為があります。これが転じて、悪い世界と手を切るというニュアンスで「足を洗う」が使われるようになりました。

「足を洗う」の類語

「足を洗う」の類語・類義語としては、悪い仲間や世界から抜け出すことを意味する「身を引く」などがあります。

「手を染める」の例文

1.彼は簡単にお金を稼げると言われ、つい危険な仕事に手を染めてしまったそうです。
2.最初は少しのつもりでも、一度手を染めるとやめるのは難しいと言われています。
3.犯罪に手を染めるのは一瞬ですが、償うには一生かかるかもしれません。
4.彼女はお金に困ってしまい、誰にも言えずに裏の仕事に手を染めたと聞きました。
5.どんな理由があっても、許されないことに手を染めないように気をつけてください。

この言葉がよく使われる場面としては、関係をもちはじめることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「手を染める」は悪いことをし始める時に使う言葉です。

「足を洗う」の例文

1.昔は荒れた生活をしていましたが、今ではすっかり足を洗って家族と穏やかに暮らしています。
2.彼は危ない仕事から足を洗い、新しい人生を歩むために遠くの町へ引っ越したそうです。
3.どんなに後ろめたい過去でも、足を洗って新しくやり直すことはできると信じています。
4.彼女は芸能界での活動を終え、足を洗って普通の会社で働き始めたと聞きました。
5.足を洗うのは勇気のいることですが、周りの支えがあれば必ずできると思います。

この言葉がよく使われる場面としては、悪いことから離れることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「足を洗う」は悪いことをやめる時に使う言葉です。

「手を染める」と「足を洗う」は似た言葉ですが意味は全く異なっています。どちらの言葉を使うか迷った場合、悪いことをし始めるのが「手を染める」、悪いことをやめるのが「足を洗う」と覚えておきましょう。

言葉の使い方の例文
編集者
株式会社セラーバンク/例文買取センター運営
例文買取センター