似た意味を持つ「煽り耐性」（読み方：あおりたいせい）と「スルースキル」（読み方：するーすきる）の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「煽り耐性」と「スルースキル」という言葉は、どちらもネット上でのコミュニケーションにおいて重要となる心の対応力のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「煽り耐性」と「スルースキル」の違い
「煽り耐性」と「スルースキル」の意味の違い
「煽り耐性」と「スルースキル」の違いを分かりやすく言うと、「煽り耐性」は心が動じない性質そのものを指すこと、「スルースキル」は意識的に無視や対応しない行動を指すことという違いです。
「煽り耐性」と「スルースキル」の使い方の違い
一つ目の「煽り耐性」を使った分かりやすい例としては、「彼女はネット歴が長いから煽り耐性も自然と高いです」「煽り耐性の低さが災いしてトラブルを招くこともある」「強い煽り耐性はまるで鋼のメンタルのようだ」「彼は煽り耐性が高い」などがあります。
二つ目の「スルースキル」を使った分かりやすい例としては、「スルースキルを磨けば他人の言動に振り回されにくいです」「ネットの炎上騒動を避けるにはスルースキルが不可欠だと思う」「スルースキルが高い人はネットで長続きする」などがあります。
「煽り耐性」と「スルースキル」の使い分け方
「煽り耐性」と「スルースキル」はどちらもネット上でのコミュニケーションにおいて重要となる心の対応力のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「煽り耐性」は、「彼はどんなコメントにも冷静に対応できるから煽り耐性が高い」のように、攻撃的な発言や挑発に対して動じず、感情的に反応しない力を表す言葉になります。したがって、怒らない、反応しない、心を乱されない強さを指します。
一方、「スルースキル」は、「不快な書き込みがあっても完全にスルーできるなんて彼はスルースキルが高い」のように、わざと無視したり、気づかないふりをする技術的な対応の仕方を表す言葉です。
こちらは感情的に動じるかどうかよりも、意図的にスルーする処世術という意味合いが強くなります。
つまり、心が動じない性質そのものを指すのが「煽り耐性」、意識的に無視や対応しない行動を指すのが「スルースキル」と覚えておきましょう。
「煽り耐性」と「スルースキル」の英語表記の違い
「煽り耐性」はネットスラングなので直訳した英語表現はありませんが、近い表現として「emotional resilience」「troll resistance」「thick skin」などがあります。
例えば上記の「彼は煽り耐性が高い」を英語にすると「He has thick skin and doesn’t get affected by trolls」となります。
一方、「スルースキル」ネットスラングなので直訳した英語表現はありませんが、近い表現として「ignore skill」「ability to ignore provocation」「graceful avoidance」となります。
例えば上記の「スルースキルが高い人はネットで長続きする」を英語にすると「People with strong ignore skills tend to last longer online」となります。
「煽り耐性」の意味
「煽り耐性」とは
「煽り耐性」とは、感情を逆なでされても動じない心の強さのことを意味しています。
「煽り耐性」の使い方
「煽り耐性」を使った分かりやすい例としては、「煽り耐性のある人はアンチのコメントにも動じません」「煽り耐性がないとSNSでの発言はかなり疲れるものになると思う」「煽り耐性が高い人は無意味な論争に巻き込まれにくいです」などがあります。
「煽り耐性」は感情を逆なでされても動じない心の強さのことを意味するネットスラングです。
ネットスラングとは、インターネット上で使われている俗語のことを意味しています。また、流行語や若者言葉などと同じように、時代ととも意味や使い方にも変化が生じると覚えておきましょう。
ネットスラングはあくまでネット上で使う言葉なので、日常生活やビジネスシーンなどの現実世界では使用しません。
「煽り耐性」は特にSNSや掲示板、YouTubeのコメント欄といった、見知らぬ誰かと自由に意見を交わせるネット上の環境で頻繁に使われる言葉です。
「煽り耐性」の語源
「煽り耐性」の語源は匿名掲示板です。掲示板文化が盛んだった2000年代初頭の匿名掲示板などで頻繁に見られるようになり、そこから一般にも浸透していきました。
ネット上では、自分の投稿に対して心ないコメントが返ってくることも少なくありません。
そんなとき、感情的に反論するのではなく、冷静にスルーする、あるいは冗談でかわす、そうした対応ができる人が「煽り耐性がある」と評価されます。逆に、すぐに反応してしまう人は「煽り耐性が低い」とされトラブルの火種になることもあると覚えておきましょう。
「スルースキル」の意味
「スルースキル」とは
「スルースキル」とは、意図的に無視や対応しない技術のことを意味しています。
「スルースキル」の使い方
「スルースキル」を使った分かりやすい例としては、「私は少しずつスルースキルを身につけてきました」「SNSを続けるにはある程度のスルースキルが必要です」「スルースキルが高い彼女はどんな批判も笑って流します」「スルースキルがあると人間関係のストレスが減る」などがあります。
「スルースキル」とは、意図的に無視や対応しない技術のことを意味するネットスラングです。簡単に言うならば、嫌なことや無意味なこと、相手の挑発や悪意ある言葉にいちいち反応せず、冷静に聞き流す能力のことを指します。
特に、SNSやネット掲示板、あるいは職場や学校といった人間関係の場面で、自分を守るための重要な心のスキルとして注目されています。
「スルースキル」の語源
「スルースキル」の語源は匿名掲示板です。2000年代に入り、匿名掲示板やSNSが一般に普及する中で、他人からの心ない言葉や煽りに過剰反応することなく、うまく無視したり受け流したりできる人を指して「スルースキルが高い」と称賛するようになりました。
「煽り耐性」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、感情を逆なでされても動じない心の強さのことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「煽り耐性」はネットスラングとして使う言葉です。
「スルースキル」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、意図的に無視や対応しない技術のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「スルースキル」はネットスラングとして使う言葉です。
「煽り耐性」と「スルースキル」はどちらもネット上でのコミュニケーションにおいて重要となる心の対応力のことを表します。
どちらの言葉を使うか迷った場合、心が動じない性質そのものを指すことを表現したい時は「煽り耐性」を、意識的に無視や対応しない行動を指すことを表現したい時は「スルースキル」を使うと覚えておきましょう。
