【ちんたら】と【もたもた】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「ちんたら」と「もたもた」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「ちんたら」と「もたもた」という言葉は、どちらも動作や作業の進み方が遅いことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「ちんたら」と「もたもた」の違い

「ちんたら」と「もたもた」の違いを分かりやすく言うと、「ちんたら」はゆっくりし過ぎている様子に使う、「もたもた」は必要な動作がスムーズに進まず手間取っている様子に使うという違いです。

一つ目の「ちんたら」を使った分かりやすい例としては、「ちんたら歩いていたら集合時間に遅れそうになった」「仕事をちんたら進めていたら締め切りが危なくなってしまった」「彼がちんたら準備しているせいで予定がどんどん押していく」などがあります。

二つ目の「もたもた」を使った分かりやすい例としては、「もたもたしていたらバスに乗り遅れてしまった」「彼女がもたもた荷物をまとめているので出発できない」「いつまでももたもたしているとチャンスを逃してしまいます」などがあります。

「ちんたら」と「もたもた」はどちらも動作や作業の進み方が遅いことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「ちんたら」は「時間に余裕があるのにちんたら仕事をしている」のように、余計にゆっくりし過ぎている、のんびりし過ぎているニュアンスで使う言葉になります。単に遅いだけではなく、本人の姿勢やペースがのらりくらりしている印象を含みます。

一方、「もたもた」は「急いでいるのに彼がもたもたして出発が遅れた」のように、焦りや苛立ちと結びついて、必要な動作が手間取っている状態で使う言葉です。のんびりというより、「段取りが悪い」「手際が悪い」というニュアンスが強くなります。

つまり、ゆっくりし過ぎている様子に使うのが「ちんたら」、必要な動作がスムーズに進まず手間取っている様子に使うのが「もたもた」と覚えておきましょう。

「ちんたら」を英語にすると「dawdle」「take one’s sweet time」「amble along」となり、例えば「彼はいつも仕事をちんたら進めている」を英語にすると「He’s always dawdling through his work」となります。

一方、「もたもた」を英語にすると「fumble around」「dilly-dally」「move sluggishly」となり、例えば「急いでいるのにもたもたしている」を英語にすると「He’s fumbling around even though we’re in a hurry」となります。

「ちんたら」の意味

「ちんたら」とは、物事に対して積極的でなくだらだら行うことを意味しています。

「ちんたら」を使った分かりやすい例としては、「ちんたら歩いていたら待ち合わせに遅れた」「彼がちんたら準備しているせいで出発が遅れた」「仕事をちんたら進めていたら締め切りが危なくなった」「店員さんがちんたら対応していてレジに列ができていた」などがあります。

「ちんたら」は、物事をゆっくり、だらだらと進める様子を意味する副詞です。必要以上に時間をかけてしまう印象があり、やや否定的なニュアンスで使われることが多い言葉です。

「ちんたら」の特徴は、単に「ゆっくり」というよりも、効率が悪い、テンポが悪い、無駄に遅いといったニュアンスを伴う点です。

たとえば、「ちんたら歩いている」という場合は、のんびりというより、急ぐべきなのに遅すぎる、というもどかしさが含まれています。「ちんたら準備している」も同様に、必要以上に時間がかかっていることを強調します。

また、「ちんたら」は仕事や家事、勉強など、物事の進行が遅い場面全般で使われますが、友人同士の会話などカジュアルな場面で使われることが多く、フォーマルな文章やビジネス文書ではあまり用いられません。

「ちんたら」の対義語・反対語としては、迅速に進める様子を意味する「てきぱき」があります。

「ちんたら」の類語・類義語としては、動きが遅く無駄に時間がかかることを意味する「のろのろ」などがあります。

「もたもた」の意味

「もたもた」とは、人の動作や物事の進行がのろくてはかどらないことを意味しています。

「もたもた」を使った分かりやすい例としては、「支度にもたもたして電車に乗り遅れた」「作業がもたもたしてなかなか進まない」「店員がもたもたしていて会計が長引いた」「歩き方がもたもたしていて後ろがつかえてしまった」などがあります。

「もたもた」は、動作や行動が遅く、スムーズに進まない様子を表すオノマトペです。オノマトペとは、さまざまな状態や動きなどを音で表すこと、つまり擬声語や擬態語を意味するフランス語です。

オノマトペは主に自然界にある音や声、さらには人の動作の感覚などを言語化したもので、日本語は特にその種類が豊富です。「もたもた」以外にも「ぐずぐず」「のろのろ」「ばたばた」「きびきび」「どたばた」「ちんたら」などがあり、細かなニュアンスを伝えることができます。

「もたもた」は「仕事をもたもた進める」「会議の準備をもたもたしている」のように、段取りが悪かったり、動きが遅かったりして物事が滞る様子を表すときに使います。

理由としては「迷っている」「集中できていない」「手際が悪い」「急いでいない」などが含まれることが多く、周囲から見ると「もっと早くできるはずなのに」という印象を与えるニュアンスがあります。

また、「もたもた」は人の気持ちや内面の迷いにも使われることがあります。「告白するチャンスなのに彼はずっともたもたしていた」「決断にもたもたして好機を逃した」のように、心の中でためらったり、決めかねている様子にも用いられます。

「もたもた」は日常会話で非常によく使われる言葉で、カジュアルな表現ではありますが、ビジネスシーンにおいても「対応にもたもたして顧客を待たせてしまった」「作業がもたもたして進捗が遅れています」などのように使われることがあります。

ただし、相手を評価する文脈で使うと否定的に響きやすいため配慮が必要です。

「もたもた」の類語・類義語としては、動きが遅いことを意味する「のろのろ」、決断が遅いことを意味する「ぐずぐず」、時間を無駄に使うことを意味する「だらだら」などがあります。

「ちんたら」の例文

1.彼は朝の支度をちんたら進めているので、出発の時間にいつも間に合わなくなってしまうのです。
2.店員さんがちんたら作業をしていたせいで、レジに長い行列ができてしまったのだと思います。
3.会議の準備をちんたら進めていたら、開始直前になって慌てて対応する羽目になりました。
4.彼女がちんたら歩いているため、集合時間になっても目的地に到着できないことが多いのです。
5.仕事をちんたら進めてしまうと、気づいたころには締め切りが迫っていて焦ることになります。

この言葉がよく使われる場面としては、物事に対して積極的でなくだらだら行うことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「ちんたら」はゆっくりし過ぎている様子に使う言葉です。

「もたもた」の例文

1.彼がもたもた準備をしていたため、予定していた電車に乗り遅れてしまったのです。
2.会議の開始時間が迫っているのに、彼がもたもた資料を探していて少し心配になりました。
3.料理の手順でもたもたしてしまい、予定よりかなり遅い時間に夕食を出すことになりました。
4.もたもた歩いていると危険なので、横断歩道ではしっかり急いで渡っていただきたいのです。
5.彼女がもたもた支度しているので、家族全員が予定より遅れてしまうことが多いのです。

この言葉がよく使われる場面としては、人の動作や物事の進行がのろくてはかどらないことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「もたもた」は必要な動作がスムーズに進まず手間取っている様子に使う言葉です。

「ちんたら」と「もたもた」はどちらも動作や作業の進み方が遅いことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、ゆっくりし過ぎている様子に使うのが「ちんたら」、必要な動作がスムーズに進まず手間取っている様子に使うのが「もたもた」と覚えておきましょう。

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