【賃上げ】と【ベースアップ】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「賃上げ」(読み方:ちんあげ)と「ベースアップ」(読み方:べーすあっぷ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「賃上げ」と「ベースアップ」という言葉は、どちらも給与が増えることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「賃上げ」と「ベースアップ」の違い

「賃上げ」と「ベースアップ」の違いを分かりやすく言うと、「賃上げ」は給与が上がること全般を指すこと、「ベースアップ」は基本給の水準そのものを引き上げることという違いです。

一つ目の「賃上げ」を使った分かりやすい例としては、「物価高を受けて今年は賃上げが実施されました」「会社から賃上げの発表があり、社員の間で話題になっています」「長年の努力が認められて賃上げにつながりました」などがあります。

二つ目の「ベースアップ」を使った分かりやすい例としては、「今年は全社員一律でベースアップが行われました」「労使交渉の結果、基本給のベースアップが決定しました」「ベースアップが実施されると将来の給与にも影響します」などがあります。

「賃上げ」と「ベースアップ」はどちらも給与が増えることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「賃上げ」は「成果に応じて賃上げが行われた」のように、基本給の引き上げだけでなく、昇給や手当の増額、賞与の増加なども含めた広い意味で使われる言葉になります。

一方、「ベースアップ」は「基本給が一律で引き上げられた」のように、給与体系の土台となる基本給そのものが上がる場合に使う言葉です。

つまり、給与が上がること全般を指すのが「賃上げ」、基本給の水準そのものを引き上げるのが「ベースアップ」と覚えておきましょう。

「賃上げ」を英語にすると「pay raise」「wage increase」「salary increase」となり、例えば「今年は賃上げが実施されました」を英語にすると「A pay raise was implemented this year」となります。

一方、「ベースアップ」を英語にすると「base pay increase」「base salary raise」となり、例えば「全社員のベースアップが決定しました」を英語にすると「A base salary increase was decided for all employees」となります。

「賃上げ」の意味

「賃上げ」とは、企業が従業員の賃金を引き上げることを意味しています。

「賃上げ」を使った分かりやすい例としては、「物価高を受けて会社が賃上げを実施しました」「長年の勤務が評価され、今年は賃上げが決まりました」「賃上げの有無が今後の働き方を考える材料になっています」などがあります。

「賃上げ」は、労働者に支払われる賃金が引き上げられることを意味する名詞です。名詞とは、人や物、事柄などの名前を表す言葉を指しています。

「賃上げ」は、企業や組織が従業員の生活水準の向上や人材確保を目的として行う施策を指すときに用いられます。基本的にプラスのイメージを持つ言葉であり、労働者にとっては歓迎される話題として語られることが多いのが特徴です。

また、「賃上げ」は個人の評価による昇給だけでなく、物価上昇への対応や社会的要請を背景に、全体的な給与水準を引き上げる文脈でも使われます。そのため、経済ニュースや労使交渉の場面などで用いられることが多い言葉です。

「賃上げ」の類語・類義語としては、給与が上がることを意味する「昇給」があります。

「ベースアップ」の意味

「ベースアップ」とは、給料の基本額の水準を高くすることを意味しています。

「賃金のベースアップ」「一律ベースアップ」などが、「ベースアップ」を使った一般的な言い回しになります。

「ベースアップ」を使った分かりやすい例としては、「労使交渉の結果、今年はベースアップが実施されました」「物価上昇に対応するため、全社員を対象にベースアップが決まりました」「ベースアップがあるかどうかが会社選びの重要な判断材料になります」などがあります。

「ベースアップ」は、賃金の基準となる基本給そのものを引き上げることを意味する名詞です。

「ベースアップ」は、個人の評価や成果に応じた昇給とは異なり、企業や組織が従業員全体を対象として一律に賃金水準を引き上げる施策を指すときに用いられます。基本給が上がるため、その後の昇給や賞与にも影響を及ぼす点が特徴です。

また、「ベースアップ」は、インフレ対策や人材流出の防止、労使関係の安定などを目的として実施されることが多く、経済動向や労働市場の状況と強く結びついた言葉でもあります。そのため、賃上げの中でも特に制度的・構造的な側面を強調する表現として使われます。

「ベースアップ」の類語・類義語としては、定期的に行われる給与の増加を指す「定期昇給」があります。

「賃上げ」の例文

1.物価の上昇が続いているため、会社が賃上げを検討していると聞き、少し安心しました。
2.長年の成果が評価されて賃上げが決まり、仕事への意欲が以前より高まりました。
3.賃上げが行われたものの生活費も増えており、実感としてはまだ余裕がありません。
4.春闘の結果として賃上げが実施されると発表され、社内が明るい雰囲気になりました。
5.賃上げによって将来設計を見直すきっかけができ、家計について考えるようになりました。

この言葉がよく使われる場面としては、企業が従業員の賃金を引き上げることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「賃上げ」は給与が上がること全般を指す時に使う言葉です。

「ベースアップ」の例文

1.今年は全社員を対象としたベースアップが行われ、基本給が一律で引き上げられました。
2.ベースアップが実施されると賞与や残業代にも影響するため、大きな意味を持ちます。
3.労使交渉の結果としてベースアップが決まり、社員の士気が高まったと感じます。
4.昇給とは別にベースアップが行われたことで、長期的な収入増が期待できそうです。
5.ベースアップがあるかどうかは、会社の経営方針を判断する材料の一つになります。

この言葉がよく使われる場面としては、給料の基本額の水準を高くすることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「ベースアップ」は基本給の水準そのものを引き上げる時に使う言葉です。

「賃上げ」と「ベースアップ」はどちらも給与が増えることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、給与が上がること全般を指すのが「賃上げ」、基本給の水準そのものを引き上げるのが「ベースアップ」と覚えておきましょう。

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