似た意味を持つ「しかしながら」と「しかし」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「しかしながら」と「しかし」という言葉は、どちらも今まで述べてきた事柄を受けてそれと相反することを述べることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「しかしながら」と「しかし」の違い
「しかしながら」と「しかし」の意味の違い
「しかしながら」と「しかし」の違いを分かりやすく言うと、「しかし」の強調が「しかしながら」という違いです。
「しかしながら」と「しかし」の使い方の違い
一つ目の「しかしながら」を使った分かりやすい例としては、「しかしながらそれを実行するのは難しいです」「彼女はピアノの才能があるしかしながらそれを活かしきれていません」「その船が欲しいですしかしながら高すぎる」などがあります。
二つ目の「しかし」を使った分かりやすい例としては、「しかしこんな寒い日によく遊びにきたね」「しかしそれは今ここで言うべきではありません」「しかし突然の雨により大会は中止になりました」などがあります。
「しかしながら」と「しかし」の使い分け方
「しかしながら」と「しかし」はどちらも今まで述べてきた事柄を受けてそれと相反することを述べること、つまり逆接を表す接続詞ですが、使い方に少し違いがあります。
「しかし」よりも逆接であることをより強調したい場合に、「しかしながら」を使うと覚えておきましょう。
「しかしながら」と「しかし」の英語表記の違い
「しかしながら」も「しかし」も英語にすると「but」「however」「nevertheless」となり、例えば上記の「その船が欲しいですしかしながら高すぎる」を英語にすると「I really want that ship, but it is too expensive」となります。
「しかしながら」の意味
「しかしながら」とは
「しかしながら」とは、今まで述べてきた事柄を受けてそれと相反することを述べることを意味しています。
「しかしながら」の使い方
「しかしながら」を使った分かりやすい例としては、「あなたの言うこともよく分かるがしかしながらやらないわけにはいきません」「しかしながらこの件についてはもう少し調査が必要だと思います」などがあります。
「しかしながら」の用法
「しかしながら」は今まで述べてきた事柄を受けてそれと相反することを述べること、つまり、逆接の接続詞です。その他にも、そのままやそっくりという副詞として使うことができますが、現代においてはほとんど使われていません。
「しかしながら」は話し言葉と書き言葉どちらでも使える
「しかしながら」は話し言葉と書き言葉どちらでも使えるとても便利な言葉です。また、日常生活とビジネスシーンの両方で使うことができます。
「しかしながら」の漢字表記
「しかしながら」を漢字にすると「然し乍ら」や「併し乍ら」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。特別な理由がない限り、平仮名の「しかしながら」を使うのが無難でしょう。
「しかしながら」の類語
「しかしながら」の類語・類義語としては、前の事柄から予想されるものと相反する内容を導くことを意味する「けれども」、前に述べたことと相反することを意味する「だけど」などがあります。
「しかし」の意味
「しかし」とは
「しかし」とは、今まで述べてきた事柄を受けてそれと相反することを述べることを意味しています。その他にも、今まで述べてきた事柄を受けて話題を転じることや感情を込めて言い始めることの意味も持っています。
「しかし」の使い方
「こんなことを言いたくないがしかし立場上言わなければなりません」「私はパン派ですしかし夫はご飯派です」などの文中で使われている「しかし」は、「今まで述べてきた事柄を受けてそれと相反することを述べること」の意味で使われています。
一方、「思い切って仕事を辞めたねしかしこれからどうするつもりなの」「しかしよくこんな立派な銅像を建てたものだ」などの文中で使われている「しかし」は、「今まで述べてきた事柄を受けて話題を転じることや感情を込めて言い始めること」の意味で使われています。
「しかし」の用法
「しかし」は複数の意味を持つ言葉ですが、一番使われているのは今まで述べてきた事柄を受けてそれと相反することを述べることです。今まで述べてきた事柄を受けてそれと相反することを述べることは逆説の接続詞を表しています。
「しかし」は話し言葉と書き言葉どちらでも使える
「しかし」は話し言葉と書き言葉どちらでも使えるとても便利な言葉です。また、日常生活とビジネスシーンの両方で使うことができます。
「しかし」の漢字表記
「しかし」を漢字にすると、「然し」や「併し」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。特別な理由がない限り、平仮名の「しかし」を使うのが無難でしょう。
「しかし」の類語
「しかし」の類語・類義語としては、前に述べた事柄と反対の関係の内容を述べることを意味する「だが」、前の事柄から予想されるものと相反する内容を導くことを意味する「ところが」などがあります。
「しかしながら」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、今まで述べてきた事柄を受けてそれと相反することを述べることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「しかしながら」は逆接を表す場合に使う言葉です。
「しかし」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、今まで述べてきた事柄を受けてそれと相反することを述べることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、今まで述べてきた事柄を受けて話題を転じることや感情を込めて言い始めることの意味も持っています。
例文1と例文2の「しかし」は今まで述べてきた事柄を受けてそれと相反することを述べること、例文3の「しかし」は今まで述べてきた事柄を受けて話題を転じること、例文4と例文5の「しかし」は感情を込めて言い始めることの意味で使っています。
「しかしながら」と「しかし」はどちらも今まで述べてきた事柄を受けてそれと相反することを述べることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、逆接であることをより強調したい場合に「しかしながら」の方を使うと覚えておきましょう。