似た意味を持つ「大概」(読み方:たいがい)と「大抵」(読み方:たいてい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「大概」と「大抵」という言葉は、物事の大部分という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
大概と大抵の違い
大概と大抵の意味の違い
大概と大抵の違いを分かりやすく言うと、大概は物事全体のうちの大部分を表現する時に使い、大抵は物事の細かい部分を除いた大部分を表現する時に使うという違いです。
大概と大抵の使い方の違い
一つ目の大概を使った分かりやすい例としては、「この路線は大概遅くならないと言われているが事故が起きたらしい」「その話の大概が彼女から語られた」「これだけ想定しておけば大概問題はない」などがあります。
二つ目の大抵を使った分かりやすい例としては、「私は朝大抵早く起きる」「並大抵の人間では完食できない量がある」「大抵の人が知らないと思っていても自分が知らないだけであることが多い」などがあります。
大概と大抵の使い分け方
上記例文の「大概遅くまで起きている」は「大抵遅くまで起きている」と言い換えることもでき、大概と大抵は同じような使い方しますが、意味が若干異なります。
大概の場合は、早く寝ることもそこそこあるもののほとんどは遅くまで起きていることを表し、大抵の場合には、ほぼ毎日遅くまで起きていることのみを表します。つまり、前者は物事全体を指しますが、後者は物事の大部分のみを指します。
また、大概は「話の大概」などのように物事に対して使い、大抵は「並大抵の人間」などのように頻度や程度に対して使うという違いもあります。
大概と大抵の英語表記の違い
大概を英語にすると「generally」「almost」となり、例えば上記の「大概遅くならない」を英語にすると「generally not late」となります。
一方、大抵を英語にすると「usually」「mostly」となり、例えば上記の「大抵早く起きる」を英語にすると「usually get up」となります。
大概の意味
大概とは
大概とは、物事のおおよその内容を意味しています。
その他にも、かなりの程度に到達する様子や、考え得る推測が間違いない様子を意味する言葉としても使われます。
大概の読み方
大概は「たいがい」という読み方をしますが、「だいがい」などの読み方をすることはありません。
表現方法は「大概にしろ」「君も大概だね」「大概やで」
「大概にしろ」「君も大概だね」「大概やで」などが、大概を使った一般的な言い回しです。
大概の使い方
大概を使った分かりやすい例としては、「好きな脚本家の大概の作品は鑑賞済みだ」「実家の味噌汁には大概豆腐が入っている」「プロジェクトの大概は機密事項とされた」「大概の見当を付けてから調査に当たる」などがあります。
一方、「大概にしろと親に怒られてしまった」「大概な時間で撤退するべきだろう」「大概」などの文中で使われている大概は、「程度が極端にならないうちにやめておくこと」の意味で使われています。
上記例文の「大概の作品」などのように使う場合はその物事の全てではないものの大部分を表しますが、「大概にしろ」などのように使う場合にはある程度でやめることを表す言葉として使われます。
また、「自分の言動も大概だったと反省している」「お前も大概だと言われた」などの使い方であれば、大抵という言葉は「ありふれていること」という意味で使われています。皮肉として使われているなど悪い意味で使われていることがほとんどです。
大概の類語
大概の類語・類義語としては、広く認められて行き渡っていることを意味する「一般」、世間一般に見られるような状態であることを意味する「通常」、様々な事柄を意味する「諸般」、全体の要点をまとめたものを意味する「概要」などがあります。
大抵の意味
大抵とは
大抵とは、事柄のあらましや大体の様子を意味しています。
その他にも、ちょうどいい程度を意味する場合や、ほとんど間違いがないことを意味する場合にも使われる言葉です。
大抵の読み方
大抵は「たいてい」という読み方をしますが、「だいてい」など他の読み方をすることはありません。
表現方法は「大抵の場合」「大抵の人は」「大抵いつも」
「大抵の場合」「大抵の人は」「大抵いつも」などが、大抵を使った一般的な言い回しです。
大抵の使い方
大抵を使った分かりやすい例としては、「大抵のことは何とかなると無計画に友人は進み始める」「持っている携帯カバーは大抵の機種に使うことができる」「大抵の人たちは高級食材がワンランク下のものだとしても気が付かない」などがあります。
一方、「子どもは言い訳をする時大抵だって、と言葉を続ける」「先輩に手伝いを申し出ても大抵断られて終わる」「勤務年数関係なしに良い案が出れば大抵採用してもらえる」などの文中で使われている大抵は、「ほぼ全ての頻度や程度」の意味で使われています。
大抵の大という漢字は、規模が大きいことや数量が多いことだけでなく、おおよそという意味を持ち、抵という漢字は相当することを意味するため、大抵という言葉は多くの数や大規模の相当することを表す時に使います。
上記例文の「大抵のこと」などのように名詞を詳しく説明する語として使う場合はその物事の大部分を表しますが、「大抵断られる」などのように副詞として使う場合にはほとんどの頻度や程度を表す言葉として使われます。
また、「定期テストでは大抵100点満点を取れるだろう」「大抵朝8時には家を出ている」などの使い方であれば、大抵という言葉は「間違いなく」という意味で使われています。
大抵の類語
大抵の類語・類義語としては、細かい点を除いた主要な部分を意味する「大体」、物事の全体を意味する「全般」、ほとんどを意味する「十中八九」、物事の大部分を意味する「大方」、全体の半分以上を意味する「多数」などがあります。
大概の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事のおおよその内容などが挙げられます。
例文2の「大概にする」とは、ある程度のところでやめることを意味する言葉で、自分自身の行為に対して使うよりも、例文のように命令形にして他者に対して使うことがほとんどです。
また、例文3の「大概」はありふれていることや大したことないことを意味する言葉で、悪い意味で使われていることがほとんどです。
大抵の例文
この言葉がよく使われる場面としては、事柄のあらましや大体の様子などが挙げられます。
例文2の「並大抵」とは、普通に考えられる程度を意味する言葉ですが、否定の言葉と一緒に使われることがほとんどで、「並大抵のことではない」「並大抵の苦労ではない」などの使い方をします。
また、例文1や例文5も頻度や程度を表す言葉として大抵という言葉が使われています。
大概と大抵どちらを使うか迷った場合は、物事全体のうちの大部分を表す場合は「大概」を、物事の細かい部分を除いた大部分を表す場合は「大抵」を使うと覚えておけば間違いありません。