【行儀】と【礼儀】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「行儀」(読み方:ぎょうぎ)と「礼儀」(読み方:れいぎ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「行儀」と「礼儀」という言葉は、どちらも「立ち居振る舞いの仕方」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




行儀と礼儀の違い

行儀と礼儀の意味の違い

行儀と礼儀の違いを分かりやすく言うと、行儀とは動作にフォーカスした表現、礼儀とは心のあり方にフォーカスした表現という違いです。

行儀と礼儀の使い方の違い

一つ目の行儀を使った分かりやすい例としては、「行儀のよい振りはもうやめようと思った」「家外ではお行儀よくしなさい」「いつまでたっても他人行儀な人だ」「貴族の屋敷に行儀見習いの一環として奉公する」などがあります。

二つ目の礼儀を使った分かりやすい例としては、「礼儀作法を身につけることの大切さを伝える」「年配の人ほど礼儀を重んじる傾向にあります」「道徳の授業で礼儀の重要性を教わりました」などがあります。

行儀と礼儀の使い分け方

行儀と礼儀という言葉は、どちらも立ち居振る舞いの仕方を表しますが、意味や使い方には違いがあります。

行儀とは、行為や動作の作法、立ち居振る舞いの規則を意味します。「行儀がいい」「行儀が悪い」など、きちんとした身のこなしや動作を指し、あるべき行動規範を表す言葉です。「行儀作法」とは、立ち居振る舞いの方法であり、動作にフォーカスした表現です。

礼儀とは、敬意を表す作法を意味し、対人関係での気配りや敬意、慎みの気持ちに基づく行動の規範を表します。「礼儀作法」とは、相手を敬う心を伴った振る舞い方を意味し、心のあり方にフォーカスした表現です。

つまり、行儀とは動作にフォーカスした立ち居振る舞いであり、礼儀とは敬う心にフォーカスした立ち居振る舞いを表します。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

行儀と礼儀の英語表記の違い

行儀も礼儀も英語にすると「etiquette」「manners」となり、例えば上記の「行儀のよい」を英語にすると「well‐mannered」となります。

行儀の意味

行儀とは

行儀とは、礼儀の面からみた立ち居振る舞い、また、その作法や規則を意味しています。

その他にも、「しわざ、行状」「仏語、行事の儀式のやり方」の意味も持っています。

行儀の使い方

「子ども達に行儀作法を身に付けさせる」「行儀の良いふりはもうやめだ」「お行儀が悪い子どもが嫌いです」などの文中で使われている行儀は、「礼儀の面からみた立ち居振る舞い、作法」の意味で使われています。

一方、「息子の行儀に母親は心を痛めている」「これは彼の行儀に違いない」などの文中で使われている行儀は「しわざ、行状」の意味で、「一番弟子に行儀を継承する」の文中で使われている行儀は「仏語、行事の儀式のやり方」の意味で使われています。

行儀の読み方

行儀の読み方は「ぎょうぎ」です。誤って「こうぎ」「あんぎ」などと読まないようにしましょう。

行儀とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ちますが、一般的には「礼儀の面からみた立ち居振る舞い、作法」の意味で用いられています。行儀の「行」は振る舞いや行動を表し、「儀」は礼式や事柄を表す漢字です。

行儀の語源

行儀の語源は、仏教に由来します。「行」は行住坐臥のことで、立ったり歩いたり座ったり寝たりする日常の動作全般を指し、「儀」は規則や儀式を意味します。行儀は、もともと仏道修行や仏教儀式の作法を指す言葉であり、次第に日常の立ち居振る舞いやマナーを表すようになりました。

行儀の対義語

行儀の対義語・反対語としては、礼儀作法にはずれていることを意味する「不作法」などがあります。

行儀の類語

行儀の類語・類義語としては、慣習によってその形式が整えられている礼法を意味する「儀礼」、礼儀を行う決まった作法や礼儀作法を意味する「礼式」、ある行為や事柄に関するやり方や態度を意味する「マナー」などがあります。

礼儀の意味

礼儀とは

礼儀とは、人間関係や社会生活の秩序を維持するために人が守るべき行動様式、特に、敬意を表す作法を意味しています。

その他にも、「謝礼、報謝」の意味も持っています。

礼儀の使い方

「自然に礼儀正しい行動ができる」「大人になって礼儀作法を知らないことは恥ですよ」「エチケットは礼儀作法やマナーとも言います」などの文中で使われている礼儀は、「人間関係や社会生活の秩序を維持するために人が守るべき行動様式」の意味で使われています。

一方、「心ばかりの礼儀をお受け取りください」「ささやかですが礼儀をお渡ししたく存じます」「礼儀の念を贈り物で伝えました」などの文中で使われている礼儀は、「謝礼、報謝」の意味で使われています。

礼儀とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ちますが、多くは「人間関係や社会生活の秩序を維持するために人が守るべき行動様式」の意味で用いられている言葉です。礼儀の「礼」は訓読みで「うや」と読み、社会生活上守るべき行動の形式や感謝の意の表明を表します。

礼儀を用いたことわざ

礼儀を用いたことわざには「親しき仲に礼儀あり」があります。「親しき仲に礼儀あり」とは、家族や恋人など、たとえどんなに親しい間柄でも、最低限の礼儀は守らなくてはならないことを意味します。親密になると失礼な言動が増えてしまいがちになるので、その戒めとなることわざです。

礼儀の対義語

礼儀の対義語・反対語としては、礼儀にはずれることや不作法であることを意味する「無礼」、他人に接する際の心得をわきまえていないことを意味する「失礼」などがあります。

礼儀の類語

礼儀の類語・類義語としては、礼儀と節度を意味する「礼節」、他人に迷惑や不快感を与えないようにする心遣いを意味する「エチケット」などがあります。

行儀の例文

1.電車の中やお出かけ先では、他の人の迷惑にならないようにお行儀よくしてね。
2.子供が度を過ぎてお行儀がいいと、親のしつけが厳しいのではないかと心配になってしまいます。
3.なぜ行儀が悪いことはいけないのか、子供に説明していますが理解してもらえません。
4.英語の先生は、授業中にあくびをしたり頬杖をついたり行儀が悪いと感じます。
5.私にだけ他人行儀な人がいて、知らずに何か悪いことをしてしまったのではないかと気になっています。

この言葉がよく使われる場面としては、行為や動作の作法、立ち居振る舞いの規則、行為や仕業を表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、行儀の慣用的な言い回しには「お行儀」「行儀が悪い」「行儀がいい」などがあります。「行儀がいい」とは、礼儀や作法にかなった、きちんとした立ち居振る舞いを意味します。

礼儀の例文

1.礼儀知らずな新入社員の教育係となり、ビジネスマナーを叩き込むのに苦労しています。
2.礼儀正しい人の育ちの特徴の一つに、その場の状況を的確に察して行動することが挙げられます。
3.礼儀の基本は相手への配慮であり、挨拶や身だしなみはその要素です。
4.恋愛中のカップルはもちろん夫婦間においても、相手を思いやる礼儀を忘れてはいけません。
5.礼儀とは何かを子供に説明する前に、大人がお手本を示すべきである。

この言葉がよく使われる場面としては、社会のきまりにあった交際上の動作や作法、謝礼や報酬を表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、礼儀の慣用的な言い回しには「礼儀知らず」「礼儀正しい」「礼儀を忘れる」などがあります。「礼儀知らず」とは、礼儀作法を心得ていないことを表します。

行儀と礼儀という言葉は、どちらも「立ち居振る舞いの仕方」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、礼儀にかなった行動にフォーカスして表現したい時は「行儀」を、相手を敬う心にフォーカスして表現したい時は「礼儀」を使うようにしましょう。

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