似た意味を持つ「なし崩し」(読み方:なしくずし)と「うやむや」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「なし崩し」と「うやむや」という言葉は、どちらも物事が本来あるべき形で処理されないことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「なし崩し」と「うやむや」の違い
「なし崩し」と「うやむや」の違いを分かりやすく言うと、「なし崩し」は段階的に崩れていく状態を表すこと、「うやむや」は曖昧なまま片付けることを表すことという違いです。
一つ目の「なし崩し」を使った分かりやすい例としては、「期限を守らない状態が続き、規則がなし崩しになってしまった」「暫定措置のはずだったが、話し合いが行われないままなし崩しに継続された」「値上げを見送ると言っていた方針が、いつの間にかなし崩しに撤回されていた」などがあります。
二つ目の「うやむや」を使った分かりやすい例としては、「責任の所在が明確にされないまま問題はうやむやにされた」「説明を求めたが、はぐらかされて結局うやむやで終わった」「謝罪も処分もなく件はうやむやのまま幕を閉じた」などがあります。
「なし崩し」と「うやむや」はどちらも物事が本来あるべき形で処理されないことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「なし崩し」は「正式な決定がないまま慣例として続き、結果的に元の方針が崩れる」のように、時間の経過や既成事実の積み重ねによって状況が変質していく場合に使う言葉になります。
一方、「うやむや」は「問題点を明確にせず、意図的または結果的に曖昧なまま終わらせる」のように、説明・判断・責任をはっきりさせない態度や処理に対して使う言葉です。
つまり、段階的に崩れていく状態を表すのが「なし崩し」、曖昧なまま片付けることを表すのが「うやむや」と覚えておきましょう。
「なし崩し」を英語にすると「gradual erosion」「de facto」「piecemeal collapse」などが近く、例えば「規則がなし崩しになった」を英語にすると「The rules were gradually eroded」となります。
一方、「うやむや」を英語にすると「left vague」「swept under the rug」「ambiguous」などが用いられ、例えば「問題はうやむやにされた」を英語にすると「The issue was swept under the rug」となります。
「なし崩し」の意味
「なし崩し」とは、物事を少しずつ変化させうやむやにしてしまうことを意味しています。
「なし崩しになる」「なし崩しに進む」「なし崩しに決まる」などが、「なし崩し」を使った一般的な言い回しになります。
「なし崩し」を使った分かりやすい例としては、「暫定措置のはずがなし崩しに本決まりになった」「話し合いをしないまま制度がなし崩しに変わっていった」「規則を守らない状態が続き、気づけばなし崩しになっていた」「反対意見が出ないまま計画はなし崩しに進行した」などがあります。
「なし崩し」は、本来は正式な決定や手続きを行うべき事柄が、明確な区切りや合意のないまま少しずつ変化し、結果として既成事実になってしまう状態を意味する名詞です。
「なし崩し」は、意図的に決めたわけではないにもかかわらず、流れや成り行きによって物事が変わっていく様子を表すため、多くの場合は好ましくない結果や不透明さを含んだ表現になります。曖昧さや責任の所在が不明確になる点に注意が必要だと覚えておきましょう。
「なし崩し」の特徴を挙げると、正式な合意や決定がないまま進むこと、少しずつ状況が変化すること、誰が決めたのか分かりにくいこと、後から振り返ると元に戻しにくいこと、結果だけが固定化されてしまうことなどがあります。
「なし崩し」の類語・類義語としては流れに任せて進む「成り行き」、区切りをつけずに続ける「曖昧なまま進行する」などがあります。
「うやむや」の意味
「うやむや」とは、物事がどうなのかはっきりしないことを意味しています。
「うやむや」を漢字にすると「有耶無耶」と表記することができます。
「うやむやにする」「うやむやになる」「うやむやで終わる」などが、「うやむや」を使った一般的な言い回しになります。
「うやむや」を使った分かりやすい例としては、「責任の所在をはっきりさせないまま話はうやむやになった」「説明を求めたが結局うやむやにされてしまった」「問題点が整理されず、会議はうやむやで終わった」「真相を追及しないまま、事件はうやむやに処理された」などがあります。
「うやむや」は、物事の内容や結論、責任などをはっきりさせず、曖昧な状態のままにしてしまうことを意味する形容動詞です。
「うやむや」は、本来明確にすべき事柄を意図的、または消極的にぼかす場合に使われることが多く、問題の先送りや説明不足と結びつきやすい言葉です。そのため、マイナスのイメージで用いられることが多いと覚えておきましょう。
「うやむや」の特徴を挙げると、結論が出ないこと、説明や説明責任が果たされないこと、曖昧なまま終わること、真実や事実が見えにくくなること、納得感が得られにくいことなどがあります。
「うやむや」の類語・類義語としては、はっきりさせずに済ませる「曖昧」、問題を棚上げにする「先送り」、意図的にぼかす「ごまかす」などがあります。
「なし崩し」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事を少しずつ変化させうやむやにしてしまうことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「なし崩し」は段階的に崩れていく状態を表す時に使う言葉です。
「うやむや」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事がどうなのかはっきりしないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「うやむや」は曖昧なまま片付けることを表す時に使う言葉です。
「なし崩し」と「うやむや」はどちらも物事が本来あるべき形で処理されないことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、段階的に崩れていく状態を表すのが「なし崩し」、曖昧なまま片付けることを表すのが「うやむや」と覚えておきましょう。