【狼藉】と【乱暴】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「狼藉」(読み方:ろうぜき)と「乱暴」(読み方:らんぼう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「狼藉」と「乱暴」という言葉は、荒々しい行いという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。



狼藉と乱暴の違い

狼藉と乱暴の意味の違い

狼藉と乱暴の違いを分かりやすく言うと、狼藉は文語として使い、乱暴は口語として使うという違いです。

狼藉と乱暴の使い方の違い

一つ目の狼藉を使った分かりやすい例としては、「人気のない民家には狼藉の痕跡が残されていた」「作品によっては狼藉者が善人である可能性もある」「狼藉に腹を立てた神による天罰だ」などがあります。

二つ目の乱暴を使った分かりやすい例としては、「彼は扉を乱暴に開けた」「この本は乱暴に翻訳されている」「あまりにも乱暴な値段がついてどうしようもない」などがあります。

どちらも荒々しい行いを意味する言葉ですが、狼藉はおおむね文章の中で使われ、乱暴は口語として使われます。さらに、狼藉は行為に加えて物が散らされている様子を表し、乱暴は行動などの雑さを表します。これらが狼藉と乱暴の明確な違いです。

四字熟語「乱暴狼藉」の意味

この二つの言葉を組み合わせた四字熟語「乱暴狼藉」とは、荒々しく野性的な言動をすることや考えもなく思いつくままに暴れたりすることを意味します。

狼藉と乱暴の英語表記の違い

狼藉も乱暴も英語にすると「violence」となり、例えば上記の「乱暴に開ける」を英語にすると「open violently」となります。

ただし乱暴という言葉を形容詞や副詞として活用する時には、「rough」「rude」が使われることもあります。

狼藉の意味

狼藉とは

狼藉とは、無法な荒々しい振る舞いや物が散らかっている様子を意味しています。

表現方法は「狼藉を働く」「狼藉を働いた」「狼藉者」

「狼藉を働く」「狼藉を働いた」「狼藉者」などが、狼藉を使った一般的な表現方法です。

狼藉の使い方

狼藉を使った分かりやすい例としては、「あの男は数日もたたないうちに狼藉をはたらいた」「いくら有名な人であっても狼藉などの問題行動をしてはいけない」「数々の狼藉に目を瞑る」「あのような狼藉に及ぶなど一体何を考えているのか」などがあります。

狼藉の由来

狼藉という言葉の由来は、『史記』の滑稽列伝にて狼が寝るときに木陰の雑草を踏み荒らすところから、散らかっている様子を意味するようになりました。それが日本で使われるようになり、派生的な使われ方として荒々しい振る舞いという意味を持つようになりました。

狼藉を使った四字熟語として「落花狼藉」「声名狼藉」「杯盤狼藉」などがあります。

四字熟語「落花狼藉」の意味

一つ目の「落花狼藉」(読み方:らっかろうぜき)は乱暴狼藉の類義語ですが、考えもなしに暴れることを意味するだけでなく落ちた花を女性にたとえて女性に乱暴な行為をすることも意味として含まれています。

四字熟語「声名狼藉」の意味

二つ目の「声名狼藉」は良い評判がなくなって評判を元に戻すことができないことを意味します。

声名は良い評判という意味なので、それが散らかっているというところから悪名が広がりすぎてどうしようもできない状態を表します。類義語として「悪声狼藉」があります。

四字熟語「杯盤狼藉」の意味

三つ目の「杯盤狼藉」(読み方:はいばんろうぜき)は酒の宴であたり一面に杯や皿が散らかった様子や宴会の乱れた様子を意味します。

ちなみにこの四字熟語の対義語として、ほどよく酒を味わい飲みながら小声で歌を口ずさんで楽しむことを意味する「浅酌低唱」(読み方:せんしゃくていしょう)があります。

狼藉の類語

狼藉の類語・類義語としては、混乱をまねく当惑の気持ちを意味する「混迷」、平和や公的秩序が混乱することを意味する「紛糾」(読み方:ふんきゅう)、暴動を伴う混乱状態を意味する「騒動」などがあります。

狼藉の藉の字を使った別の言葉としては、互いの身を枕として寝ることや寄りかかりあって寝ることを意味する「枕藉」(読み方:ちんしゃ)、口実をもうけて言い訳をすることを意味する「藉口」(読み方:しゃこう)などがあります。

乱暴の意味

乱暴とは

乱暴とは、荒々しい振る舞いをすることややり方や扱い方が荒っぽく雑であることを意味しています。

表現方法は「乱暴する」「乱暴された」「乱暴な言葉」

「乱暴する」「乱暴された」「乱暴な言葉」などが、乱暴を使った一般的な言い回しです。

乱暴の使い方

乱暴を使った分かりやすい例としては、「乱暴な運転は事故を引き起こす」「今すぐにでも乱暴な口調を正したほうがいい」「彼は乱暴する人ではないことを知っている」「乱暴に説明したら笑われた」などがあります。

乱暴という言葉は名詞としてだけではなく、「乱暴する」という形をとることで動詞としても使うことができます。

乱暴の類語

乱暴の類語・類義語としては、物理的または感情的に誰かを攻撃することを意味する「襲撃」、自然の原因よりもむしろ力や怪我に影響されたことを意味する「暴悪」、野生の状態または洗練されていない状態を意味する「粗野」(読み方:そや)などがあります。

乱暴の暴の字を使った別の言葉としては、むごいことをして人を苦しめることを意味する「暴虐」、むやみにたくさん食べることを意味する「暴食」、うちに押し込められていたものが堪えきれずに過激な行動を起こすことを意味する「暴発」などがあります。

狼藉の例文

1.この区域で狼藉者が咎められることがあまりないため、他の場所に比べて多く集まっている。
2.狼藉をはたらく者を恐れてなかなか外に出ることができないため困惑している。
3.テレビニュースでは過去に起きた乱暴狼藉の一部始終が放送されている。
4.試合中の審判を受け、主審に対して狼藉を繰り返した選手はしばらく試合に出ることができなくなった。
5.日付に記載される注意事項である暦注の中には、狼藉日と呼ばれる日が存在する。

この言葉がよく使われる場面としては、暴力的な行為や物が散らばっている様子を意味する時などが挙げられます。

例文5の「狼藉日」とは陰陽道においてすべての物事に失敗するとされる日と言われている凶日です。

乱暴の例文

1.息子の友達は気が短く、自分の思う通りにいかないと周囲の子に手が出るなどの乱暴をしてしまうそうだ。
2.彼女の乱暴な物言いは敵を作りがちだが、言っていることは正しい。
3.物を乱暴に扱ってしまうからか、携帯の充電器やイヤホンをよく壊してしまう。
4.普段は優しかったはずの男性が女性に乱暴したということで一時期ニュースになっていた。
5.ある乱暴者が村で騒動を起こし、しばらく捕縛されていた資料を読んだ。

この言葉がよく使われる場面としては、他に危害を加える行為や雑である状態を意味する時などが挙げられます。

例文3の「乱暴に扱う」という言い方を人に対して使う場合、暴力を振るうことを表現するだけではなく、言葉や対応が荒々しくなることを表現する時もあります。

狼藉と乱暴どちらを使うか迷った場合は、文語であったり散らかっている様子を表す場合には「狼藉」を、口語であったり言動の雑さを表す場合は「乱暴」を使うと覚えておけば間違いありません。

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