【意義】と【目的】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「意義」と「目的」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「意義」と「目的」という言葉は、どちらも行動を起こすための理由を表すという共通点があり、本来の意味は違いますが混同して使われる傾向があります。




意義と目的の違い

意義と目的の意味の違い

意義と目的の違いを分かりやすく言うと、その物事の持つ特別な意味を指すのか、物事の目指すところを指すのかの違いです。

意義という言葉は大まかに言えば、「意味」や「価値」と言い換えることが出来る言葉です。意義とは、その物事が他の物事と比べた際、特別に持っている重要性のことを意味しています。

例えば「私にとって、これは意義のある仕事だ」という例文で考えた時、その仕事はその人にとって、他の仕事よりも特別な重要性、意味や価値を持っているという事になります。

その他にも「教育の意義」という言葉で考えると、これは「教育の重要性や意味、価値」と言い換えることが出来ます。

対する目的という言葉は、「目指すところ」や「狙い」と言い換えることが出来る言葉です。目的とは、その物事を実行することによって到達しようとしている、目指している狙いどころのことを意味しています。

例えば「この仕事の目的は自然保護だ」という例文で考えた時、その仕事は自然を保護することを目指し、そこを狙いどころとしているものであるという事になります。

その他にも「教育の目的」という言葉で考えると、これは「教育の目指すところ、狙い」と言い換えることが出来ます。

意義と目的の使い分け方

このように、「意義」という言葉と「目的」という言葉は、その物事に対して特別に感じている意味や重要性という意味か、その物事の目指すところや狙いどころという意味かの違いがあります。

どちらの言葉を使ったらよいか迷った際には、その物事に対して「特別な意味」があるのか、それともその物事に対して「目指すところ」があるのかで考えてみるとわかりやすいです。

また、「意義」というのは、ほとんど変化のないものであり、対する「目的」というのは状況に応じて変化するものであるとも言えます。

「教育の意義」と「教育の目的」の違い

上記の例文で言うところの「教育の意義」については、教育というものの価値が変化しない限りは大きく変わらないものです。

しかし、「教育の目的」については、時代の流れや社会の仕組みの変化によって、柔軟に変わっていくものです。

意義と目的の英語表記の違い

意義を英語にすると「meaning」「significance」となり、例えば「存在意義」を英語にすると「the meaning to exist」となります。

一方、目的を英語にすると「purpose」「objective」「aim」となり、例えば「利用目的」を英語にすると「purpose of use」となります。

意義の意味

意義とは

意義とは、物事に対して持っている変化しない特別な価値を意味しています。

表現方法は「意義がある」「意義を見出す」「意義を持つ」

「意義がある」「意義を見出す」「意義を持つ」「意義がない」「意義を感じる」などが、意義を使った一般的な表現方法です。

意義の使い方

意義を使った分かりやすい例としては、「自分の存在意義を感じる立場になりたい」「企業が果たすべき社会的意義とは何か」「コンセプトは非常に意義深い」「意義を見出す人生を送りたい」「参加することに意義がある」などがあります。

意義の語源

意義という言葉の「意」という漢字には「気持ち」や「考え」という意味があります。また、「義」という漢字は「わけ」や「意味」という意味を持っています。

意義とは本来、自分の気持ちのわけや、考えの意味を示す言葉です。意義を見出す、などの言葉があるように、自分の中から湧き出てくるものであることがほとんどで、強い意志を持っている言葉です。

意義の類語

意義の類語・類義語としては、言葉が示す内容を意味する「意味」、根本の意義を意味する「一義」、事柄の意味や理由を意味する「旨趣」、意義があることを意味する「有意性」、きわめて大切であることを意味する「重要性」などがあります。

意義の「意」の字や「義」の字を使った言葉としては、考えていた状態と非常に違っていることを意味する「意外」、何かをしようとするときの元となる心持ちを意味する「意思」、文章などの意味を解き明かすことを意味する「義解」などがあります。

目的の意味

目的とは

目的とは、その時々で変化する目指すべきところを意味しています。

表現方法は「目的を達成する」「目的を果たす」「目的を見失う」

「目的を達成する」「目的を果たす」「目的を見失う」「目的を持つ」などが、目的を使った一般的な表現方法です。

目的の使い方

目的を使った分かりやすい例としては、「リーダーは目的をもって行動するべき」「メンバー全員がひとつの目的を共有することが大切だ」「使用目的を教えてください」「個人データの利用目的は書いておく必要がある」「目的には大目的と小目的がある」などがあります。

目的の語源

目的という言葉の「目」という漢字には「要点」という意味があります。また、「的」という漢字は「狙い」や「目当て」という意味を持っています。

目的とは本来、要点に対する狙いや、目当てとなっている部分という意味を示す言葉です。目的を達成するなどの言葉があるように、自分が大切だと思うところを狙って物事を進めていくという動的な意味を持っている言葉です。

目的の対義語

目的の対義語・反対語としては、目的を達成するために行うことを意味する「手段」があります。

目的の類語

目的の類語・類義語としては、行き着く先の目印を意味する「目標」、目指すべき場所を意味する「目処」「目途」「目当て」、ターゲットを意味する「標的」、理想とすることを意味する「憧れ」、目標となるものを意味する「対象」などがあります。

目的の「目」の字や「的」の字を使った言葉としては、重要な項目を意味する「要目」、ある物事の最も重要な点を意味する「眼目」、間違いがないことを意味する「的確」、予測があたることを意味する「的中」などがあります。

意義の例文

1.この会談は重要な意義を持っている。
2.とても有意義な時間を過ごした。
3.この研究の意義は、子供たちが楽に薬を飲めるようにすることにある。
4.エジソンの発明は歴史的意義のあるものである。
5.ただ出席すれば良いだけの会議には、私は意義を見出せない。
6.親の勧めで公務員になったはいいが、学生時代の友人の活躍を見ていると自分の仕事が意義のある仕事なのだろうかと日々思い悩むようになった。
7.夏休みに貧困家庭向けにボランティアで勉強を教えていたことがきっかけとなって、教育の意義についてよく考えるようになった。
8.受験期おいては、勉強ばかりしている自分の存在意義について悩んだりもしたが、苦難を乗り越えたからこそ充実感が得られることを知った。
9.現代の若者は社会的意義のある仕事をしたいというが、世の中にある職業には大なり小なり社会的意義はあるのではないか。
10.次回までの課題レポートは、明治維新の歴史的意義について再考してみようと思っていて、今、図書館で当時の資料を集めているところだ。
11.こんな勉強が何の役に立つのだと教師に問うてみると、何事も意義を見出すことに意義があるのだと言われ、狐につままれたような気持ちになった。

この言葉がよく使われる場面としては、充実した時間を過ごしたと感じられるような場面があります。例文2のように意義があることを「有意義」という言葉で表現することも多くあります。

また、例文3のように、研究の意義などを表記する際には、その研究が目指すところではなく、研究そのものが持っている意味や価値について示すようにします。

その物事の持っている根本的な意味や価値について考える時、「意義」という言葉を使うのが正しい使い方です。

目的の例文

1.この旅行の目的地は、有名な神社だ。
2.当初の目的を達成できて、満足である。
3.この研究の目的は、苦みを抑えた飲みやすい薬を作ることにある。
4.だんだんと本来の目的からずれてきている。
5.もうすぐで目的地に到着するはずだ。
6.小学校の第3校舎には多目的室がたくさんあったが、あれは今考えると学校の児童が減って空いた教室をそのように呼んでいるだけだったのだ。
7.学園祭の外国語劇は大成功を収めたのだが、その翌日からわたしは燃え尽き症候群のようになり、大学生活の目的を見失ってしまった。
8.なにかしらの目的を達成するために、様々なことを試したが、わたしの三日坊主は筋金入りのようで長続きするものは何一つなかった。
9.この外国製のアプリは無料でとても便利だが、個人情報を利用目的については明記されておらず、どのように使用されているか懸念もある。
10.世の中の明確な目的意識をもって行動しようという風潮に反して、わたしは目的もなく街をぶらぶらするようなそんな人生を歩みたいと思っている。
11.昨今、大半の人間は主体性もなく目的のない人生を歩んでいるからこそ、書店の自己啓発書が飛ぶように売れるのではないかと考えた。

この言葉がよく使われる場面としては、目指す場所が明確になっているような場面が挙げられます。例文1や5のように「目的地」という言葉で表現することも多くあります。

また、例文3のように、研究の目的などを表記する際には、その研究をする根本の意味ではなく、その研究がなにをゴールとして行われているものなのか、その目指すべきところを示すようにします。

その物事の目指すべきところや狙いを考える時、「目的」という言葉を使うのが正しい使い方です。

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