【確たる】と【確固たる】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「確たる」(読み方:かくたる)と「確固たる」(読み方:かっこたる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「確たる」と「確固たる」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。




「確たる」と「確固たる」の違い

「確たる」と「確固たる」の意味の違い

「確たる」と「確固たる」の違いを分かりやすく言うと、「確たる」とは確かで間違いのないこと、「確固たる」とは動じないほどしっかりと構えていることという違いです。

「確たる」と「確固たる」の使い方の違い

一つ目の「確たる」を使った分かりやすい例としては、「確たる証拠を握ったので逮捕状を請求しました」「彼女は行動は確たる根拠があってやっているわけではありません」「この問いに関しては確たる答えを見つけることができませんでした」などがあります。

二つ目の「確固たる」を使った分かりやすい例としては、「彼女はこの作品で確固たる地位を築く」「彼の発した言葉からは確固たる信念のようなものを感じる」「彼の決心は確固たるものでした」などがあります。

「確たる」と「確固たる」の使い分け方

「確たる」と「確固たる」は似た言葉ですが、意味は少し異なっているので間違えないように注意しましょう。

「確たる」は確かで間違いのないことを意味しており、「確たる証拠」や「確たる根拠」などの間違いなくはっきりしているというニュアンスで使います。

一方、「確固たる」は動じないほどしっかりと構えていることを意味しており、「確固たる信念」「確固たる地位」など、そう簡単には揺るがないしっかりとしているというニュアンスで使うというのが違いです。

「確たる」と「確固たる」の英語表記の違い

「確たる」を英語にすると「certain」「sure」「reliable」となります。一方、「確固たる」を英語にすると「firm」「steadfast」「resolute」となります。

「確たる」の意味

「確たる」とは

「確たる」とは、確かで間違いのないことを意味しています。

表現方法は「確たるもの」「確たる信念」「確たる証拠

「確たるもの」「確たる信念」「確たる証拠」などが、「確たる」を使った一般的な言い回しになります。

「確たる」の使い方

「確たる」を使った分かりやすい例としては、「確たる証拠がないのでこれ以上拘束することはできません」「確たる理由がないのに彼を犯人にすることはできません」「確たる答えが見つかって良かったです」などがあります。

「確たる」は確かで間違いのないことを意味する「確たる」に、取り上げた事柄を強調して説明することを意味する「たる」が合わさった名詞です。名詞とは自立語で活用がなく、文の主語となることができるものことを意味しています。

「確たる」は確かで間違いのないことを他人に伝える場合に使うのが一般的になっています。

例えば、「確たる証拠」は間違いない確実な証拠のことで、反対に「確たる証拠がない」とすると、間違いない確実な証拠がないので信用することはできないというニュアンスになると覚えておきましょう。

「確たる」は広く一般的には使われていない

また、「確たる」は「確実な」や「確かな」などに置き換えることもできるため、広く一般的には使われていません。そのため、馴染みがない人も多い言葉です。

「確たる」の類語

「確たる」の類語・類義語としては、はっきりしていて間違いのないことを意味する「明確な」、 事の成り行きや人の言動などが確かなことを意味する「はっきりとしている」などがあります。

「確固たる」の意味

「確固たる」とは

「確固たる」とは、動じないほどしっかりと構えていることを意味しています。

「確固たる」の漢字表記

「確固たる」は別の漢字表記にすると「確乎たる」と表記できますが、常用漢字ではないのであまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、常用漢字表に載っている「確固たる」の方を使うようにしましょう。

常用漢字とは、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安として、内閣告示の常用漢字表で示された日本語の漢字のことです。現行の常用漢字表は、2010年11月30日に平成22年内閣告示第2号として告示され、2136字で成り立っています。

常用漢字はあくまで漢字使用の目安であって制限ではないので、常用漢字以外は使えないというわけではありません。ただし、公用文や新聞などでは常用漢字を使用するのが好ましいとされています。

表現方法は「確固たる意志」「確固たる関係」「確固たる信頼」

「確固たる意志」「確固たる関係」「確固たる信頼」「確固たる証拠」などが、「確固たる」を使った一般的な言い回しになります。

「確固たる」の使い方

「確固たる」を使った分かりやすい例としては、「彼は確固たる信念を持っている人です」「爆発的なヒット商品を生み出したことでこの業界において確固たる地位を築く」「当校はいじめを絶対に許さないという確固たる姿勢で取り組んでいます」などがあります。

「確固たる」は動じないほどしっかりと構えていることを意味する「確固」に、取り上げた事柄を強調して説明することを意味する「たる」が合わさった言葉です。

「確固たる」は揺るぎない決心や揺るぎない信念などのように、周りから何を言われてもそう簡単には動かない心の持ち方に対してよく使われています。

また、「確固たる地位」「確固たるキャリア」などのように、そう簡単には動かないポジションに対しても使うことが可能です。

「確固たる」の類語

「確固たる」の類語・類義語としては、動揺がないことを意味する「揺るぎない」、周囲の状況や意見に左右されないことを意味する「断固たる」、きっぱりと決心したことを意味する「決然たる」などがあります。

「確たる」の例文

1.確たる証拠が見つからないので、彼女が犯人と決めつけることはできません。
2.確たる理由がないのだが、彼と一緒にいると妙に落ち着きません。
3.これらの根拠は確たる資料に基づいたものではないので、あまり信用しない方がいいだろう。
4.確たる信念を持ちそれを貫くには、自分に正直であることが大切だと思います。
5.彼が握るお寿司は、世界における評価を確たるものにしてきました。
6.小さな醸造所から始まった酒造りだったが、本物志向のおいしさがネットで知られるようになり今では確たる地位を築くまでになった。
7.現場に残された指紋と犯人のものとの一致率は99.9%。これは、彼が犯人であることを確たるものにする証拠だ。
8.君が怒るのは無理もないことだけど、確たる証拠がないのに、彼を犯人扱いするのは良くないと思うよ。
9.事故現場に残されたタイヤ痕と、ドライブレコーダーに記録された車の速度から、事故原因は車のブレーキ故障であることが確たるものになった。
10.友人の信念は確たるもので、正直であるのはいいが、たまには妥協することも覚えたほうがいいだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、確かで間違いのないことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「確たる」は確実ではっきりとしている場面で使う言葉です。

「確固たる」の例文

1.彼はワールドカップで得点王になったことで、確固たる地位を築きました。
2.彼女はどしても人を助けたいという確固たる信念があるので、将来は立派なお医者さんになるだろう。
3.顧客との信頼を確固たるものにすることは、商談を行う上でとても大切なことです。
4.確固たる気持ちがなければ、プロの世界でレギュラーを奪取することは難しいだろう。
5.今年の夏は甲子園に出場するという、確固たる決意を語りました。
6.新監督の確固たるリーダーシップにより、チームは困難な状況から脱出することができました。
7.私は国民のために尽くすという確固たる信念を持っています。どんな困難があっても、必ずこの国をより良い場所にしてみせます。
8.私たちは幼い頃から仲良く、お互いを信頼し合っている確固たる友情で結ばれています。
9.彼は立ち上げた会社を世界トップレベルの企業にするという確固たるビジョンを持っていたのだろう。
10.同僚はその後確固たるキャリアを築き上げ、その業界での地位を揺るぎないものにしています。

この言葉がよく使われる場面としては、動じないほどしっかりと構えていることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「確固たる」は何事にも動じない場面で使うことが多い言葉です

「確たる」と「確固たる」は似た言葉ですが意味は異なっています。どちらの言葉を使うか迷った場合、確かで間違いのないことを表現したい時は「確たる」を、動じないほどしっかりと構えていることを表現したい時は「確固たる」を使うと覚えておきましょう。

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