【野望】と【野心】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「野望」(読み方:やぼう)と「野心」(読み方:やしん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「野望」と「野心」という言葉は、どちらも分不相応な望みを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




野望と野心の違い

野望と野心の意味の違い

野望と野心の違いを分かりやすく言うと、どちらも身分不相応な望みを意味していますが、野心は新しいことに取り組む意味も持つという違いです。

野望と野心の使い方の違い

一つ目の野望の分かりやすい例としては、「ワールドカップで優勝の野望を抱く」「彼女は玉の輿をするという野望がある」「ギャンブルで一攫千金を狙う野望は打ち砕かれた」などがあります。

二つ目の野心の分かりやすい例としては、「オリンピックに出場したいという野心を抱いている」「彼は野心的なので常に何かの実験をしている」「次の試合は絶対に勝つという野心に燃えている」などがあります。

野望と野心の使い分け方

野望も野心も身分不相応な望みという共通の意味を持っているのですが、使い方が微妙に異なります。

新しいことに取り組む時には野心を使います。そのため、野心はプラスなイメージを持たれることが多いです。反対に、身分不相応な望みの意味しか持っていない野望は、マイナスなイメージを持たれることが多いです。

野望と野心の英語表記の違い

野心も野望も英語にすると、どちらも望みを意味する「ambition」となり、例えば上記の「野望を抱く」を英語にすると「Have ambition」になります。

野望の意味

野望とは

野望とは、身分不相応な望みを意味しています。

表現方法は「野望を抱く」「野望を果たす」「野望がある」

「野望を抱く」「野望を果たす」「野望がある」などが、野望を使った一般的な表現方法です。

野望の使い方

野望を使った分かりやすい例としては、「ボクシングで世界制覇の野望を抱く」「野望を叶えるためには手段を選ばない」「金持ちと結婚するという野望がある」「有名になりたいという野望があるので努力を怠らない」などがあります。

その他にも、「魔王復活の野望が阻まれた」「世界征服をするという野望に憑りつかれている」など、自分の身の丈にあってない望みを表現する時によく使います。どちからといえばマイナスなイメージで使われることが多いです。

野望の対義語

野望の対義語・反対語としては、主君や国家に対して真心を尽くして仕えることを意味する「忠義」などがあります。

野望の類語

野望の類語・類義語としては、あることの実現を望み願うことを意味する「希望」、大きな望みを意味する「大望」、大きな志や将来に対する遠大な希望を意味する「大志」、自分はこうなりたいと望むことを意味する「志望」などがあります。

野望の望の字を使った別の言葉としては、広い景色などを一見で見渡すことを意味する「一望」、のどが渇いたとき水を欲するように、心から望むことを意味する「渇望」、願い望むことを意味する「願望」などがあります。

野心の意味

野心とは

野心とは、ひそかに抱く大きな望みを意味しています。

また、新しいことに取り組もうとする気持ちを表す意味も持っています。

表現方法は「野心を持つ」「野心を燃やす」「野心のある人」

「野心を持つ」「野心を燃やす」「野心のある人」などが、野心を使った一般的な表現方法です。

野心の使い方

野心の一つ目の意味の、ひそかに抱く大きな望みを使った分かりやすい例としては、「政治家になるという野心を抱く」「プロ野球選手になりたいと野心に燃えるが、彼には努力が足らない」「野心を抱くことは立派である」などがあります。

野心の二つ目の意味の、新し事に取り組もうとする気持ちを使った分かりやすい例としては、「野心的な人々は何事にもチャレンジし続けている」「売り上げを伸ばすためにはヒット商品を作るという野心が必要だ」などがあります。

野心の由来

野心という言葉は元々中国で生まれた言葉です。本来は狼の子が育ててくれた飼い主に、害を及ぼそうとする野生の荒々しさを意味した言葉でした。そのため他人に害を及ぼしたり、謀反を企てる人々を意味するようになりました。

当初は日本でもマイナスな意味で用いられていましたが、野心を抱くことは意欲的だったり、向上心がある人に使う言葉になったため、現在はプラスの意味で用いられることが多いです。

「野心家」の意味

野心という言葉を用いた日本語には「野心家」があり、野心を持って行動する人々のこと意味しています。野心家の使い方の分かりやすい例としては、「彼はとてつもなく野心家だ」「彼女は野心家なのでいつか目的を達成するだろう」などがあります。

四字熟語「野心満満」の意味

野心を使った四字熟語としては「野心満満」(読み方:やしんまんまん)があります。野望や夢など身分不相応な望みをあり余るほど持っていることを意味しています。

野心の類語

野心の類語・類義語としては、それ以上望むところのない完全なことを意味する「理想」、人の上に立とうする強い意志のことを意味する「覇気」、事をやり遂げようとする積極的な気持ちのことを意味する「意気」などがあります。

野心の心の字を使った別の言葉としては、無邪気なであることを意味する「無心」、おごり高ぶることを意味する「慢心」、ある物事に深く打ち込むことを意味する「熱心」、心を一つのことだけに集中することを意味する「専心」などがあります。

野望の例文

1.彼は宝くじで一攫千金の野望を抱く。
2.彼女は大金持ちと結婚をするという野望を果たした。
3.私には高級旅館に泊まるという小さな野望がある。
4.野望を胸に抱く人は世の中にたくさんいるのだろうか。
5.信長の野望というゲームはとても面白い。
6.彼は自分をリストラした会社を今度は買収してやるという復讐にも似た野望を持っていた。
7.GAFAを代表する巨大IT企業は、世界のあらゆる市場を独占しようとする壮大な野望を持っている。
8.男は優秀な社員であったが、時折私利私欲に走ることがあり、野望を叶えるためには手段を選ばないのだ。
9.私は全国模試で一位を取るという野望を果たしてからは、一種の燃え尽き症候群に陥ってしまった。
10.兄はいつか大作家になるという野望を持っているらしいが、そのために何をしているわけでもなく部屋にこもってネットばかり見ている。

この言葉がよく使われる場面としては、身の程を知らない望みを表現したい時などが挙げられます。

例文1のように、多くの人が手に入れることが出来ないものを手に入れようとする場合に「野望」という言葉を使いますし、例文3の現実的な願望を抱いている場合も「野望」という風に表現したりします。

上記の通り、野望は抱くや果たすなどの言葉とセットで使われることが多いです。

野心の例文

1.野心家には短所も長所もある。
2.彼は政治家になって世の中を変えるという野心を持つ。
3.彼女は野心家の顔をしている。
4.野心のある人は常に努力し続けている。
5.彼は密かに野心を燃やす戦術家で、それを叶えるための行動力も持っている。
6.私は歌手になりたいと野心に燃えていたが、そのために何をしていいのかさっぱりわかりませんでした。
7.彼は一旗揚げようと野心を抱いて上京してみたものの、都会の厳しい現実にぶち当たった。
8.あの政治家については日本という国に対してこれといった理想があったわけではなく、ただ強烈な政治的野心があっただけと見るべきだろう。
9.大手の経営者は、若者はもっと野心を持つべきだと言っているが、まずは頑張れば賃金が上がるという夢を見させて欲しいものだ。
10.同期は出世への野心が強く偉い人に取り入るのがうまいと思っていたが、取引先から重宝されとんとん拍子で課長に昇進したのだからすごいと思った。

この言葉がよく使われる場面としては、新しい物事にチャレンジする姿勢を表現したい時などが挙げられます。

例文2のように、何かを成し遂げようという場合に「野心」という言葉を使いますし、例文4のように目的達成のために努力している人を表す場合も「野心」という風に表現したりします。

上記の通り野心という言葉は、努力して何かを達成しようとしている人々に対して使うことが多いです。また、野心に繋がる言葉は多いため日常生活でも見かけることが多くあります。

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