似た意味を持つ「コスパがいい」と「安い」(読み方:やすい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「コスパがいい」と「安い」という言葉は、どちらも経済的であるという意味を表す共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
コスパがいいと安いの違い
コスパがいいと安いの意味の違い
コスパがいいと安いの違いを分かりやすく言うと、値段以上に価値がある事か、値段が安い事かの違いです。
コスパがいいと安いの使い分け方
コスパとは、コストパフォーマンスの略語です。コストとは「費用」という意味の言葉で、パフォーマンスとは「効率」という意味の言葉です。
つまり、コストパフォーマンスがいい、コスパがいいという言葉には「費用効率がいい」という意味があります。費用効率がいい状態とは、かけた値段に対して、その物の性能や機能、効率が値段以上に良い状態を示します。
コスパがいいということは、値段以上の価値があったことを示す言葉であり、単純に値段が安い場合には使いません。例えば、100万円以上する品物でも、その物の性能が100万円を超えるほどのものであれば、それはコスパがいいと表現できます。
物の値段は関係なく、値段以上の価値がその物にあった場合に「コスパがいい」と表現すると覚えておくようにしましょう。
対する安いという言葉は、値段が低いことを意味しています。他の店舗などと比較している場合に使用することが多い言葉であり、「○○店では、××店よりタマゴの値段が30円安い」などのように使ったりします。
その物の原価や一般的な価格とされる金額よりも、値段が低いと感じられるような場合に「安い」という言葉を使います。そこには、その物の持つ性能や機能などは関係していません。単純に、一般的な価格よりも金額が低いことを「安い」と表現します。
例えば、12個入りのタマゴが30円だったら「安い」と言いますし、高級車が100万円だったら「安い」と言います。しかし、そのタマゴは新鮮なものではないかもしれませんし、高級車は一週間で壊れてしまうものかもしれません。
このように「安い」というのは、値段が低いという状態だけを示します。その物の価値についてまでは表すことが出来ないものであると覚えておくようにしましょう。
コスパがいいと安いの英語表記の違い
安いを英語にすると「cheap」「inexpensive」「quiet」となり、例えば上記の「タマゴの値段が30円安い」を英語にすると「Eggs are 30 yen cheaper」となります。
一方、コスパがいいを英語にすると「value for money」となり、例えば「一生使えるからコスパがいい」を英語にすると「it will last a lifetime so it is great value for money」となります。
コスパがいいの意味
コスパがいいとは
コスパがいいとは、値段以上の価値があるもののことを意味しています。コスパとは、コストパフォーマンスの略語であり、コストパフォーマンスとは「費用効果」という意味です。
表現方法は「コスパがいい車」「コスパがいい化粧品」
「コスパがいい車」「コスパがいい化粧品」「コスパがいい食べ物」などが、コスパがいいを使った一般的な表現方法です。
コスパがいいの使い方
コスパを使った分かりやすい例としては、「安くてコスパがいい商品だけを集めました」「忘年会はコスパのいい宴会コースがあるお店で」「東急東横線にはコスパの良い街がたくさんある」「コスパが良いクレジットカードを探している」などがあります。
コスパがいい状態というのは、単純に値段が安いことを示すのではなく、支払った金額以上に、得られた性能が大きい場合を示します。
たとえ値段が高い商品であっても、それ以上の価値がその物にあった場合には「コスパがいい」という表現を使うことが出来ます。
例えば、20万円の価格の洗濯機を買ったとします。20万円という価格は、洗濯機としては決して安いものではありません。それどころか、高いものであるという印象を受けます。
しかし、その洗濯機が20年使えるものであるとしたら、年間1万円しかかからないと言えます。20年買い替えなくても良いとすれば、それはコスパがいいと表現することが出来ます。
コスパがいいの類語
コスパがいいと同じような意味を持つ言葉としては、「お買い得」や「お値段以上」、「経済的」というような表現が挙げられます。家具や家電、消耗品などについて使われることの多い表現です。
安いの意味
安いとは
安いとは、値段が低いということを意味しています。安いという言葉は、単純に「低価格」という意味の言葉であり、そこに物の価値などは関係していません。
安いの使い方
安いを使った分かりやすい例としては、「安い服はすぐにダメになる」「安い自転車を買うならネット通販の方が良い」「この私立高校は入学金が安い」「家賃が安いアパートは騒音トラブルが多い」「ここのランチは安いのに本格派で気に入っている」などがあります。
安い状態というのは、他と比べて価格が低い状態を意味しています。たとえ、その物が不良品であったり、新鮮な状態でなかったりした場合でも、価格が低ければ「安い」と表現します。
例えば食品や菓子などを売る際に、賞味期限が近いものや、一部割れている部分があったりする商品を「訳アリ品」などの表記を付けながら値段を低くして売る場合があります。こういった商品についても「安い」という表現を使います。
安いの対義語
安いの対義語・反対語としては、値段などが安くないことを意味する「高い」があります。
安いの類語
安いと同じような意味を持つ言葉としては、「安価」や「安上がり」、「チープ」というような表現が挙げられます。上記でも示したように、食品などについて使われることの多い表現です。
コスパがいいの例文
この言葉がよく使われる場面としては、値段以上の価値があるものを入手したような時などが挙げられます。
例文2のように、容量が多い分、長期間使えるということを考えると効率が良いとされるような場合にも「コスパがいい」という表現を使うことが出来ます。「徳用」という表記のある商品などがコスパがいい商品にあたります。
支払った値段以上の価値がその物にある場合には「安い」という表現ではなく、「コスパがいい」または「コストパフォーマンスがいい」という表現を使うようにしましょう。
安いの例文
この言葉がよく使われる場面としては、他と比べて価格が低いことを表現したい時などが挙げられます。
例文1のように、店舗同士で比較している場合や、例文3や4のように地域などで比較している場合などが多いです。例文2や5のように、時期や時間帯などで比較している場合などもあります。
多店舗や他地域と比較したり、本来の価格と比較した際に、価格が低いことを表現したい場合に「安い」という言葉を使うようにしましょう。