似た意味を持つ「総じて」(読み方:そうじて)と「概して」(読み方:がいして)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「総じて」と「概して」という言葉は、どちらも細かいところはともかく全体的にみるとのことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「総じて」と「概して」の違い
「総じて」と「概して」の意味の違い
「総じて」と「概して」の違いを分かりやすく言うと、「総じて」は例外は多少あってもその多くはというニュアンスで使う、「概して」は全体をざっと大まかにとらえるというニュアンスで使うという違いです。
「総じて」と「概して」の使い方の違い
一つ目の「総じて」を使った分かりやすい例としては、「彼女の作品は総じて好評だ」「世の中とは総じてこういうものだと思う」「今回の出費は総じて2万円でした」「アメリカ人は総じて陽気です」などがあります。
二つ目の「概して」を使った分かりやすい例としては、「ここの生徒は概して大人しいです」「景気は概して良好である」「概してイタリア人はとても社交的です」「この町の住人は住民は概して保守的です」などがあります。
「総じて」と「概して」の使い分け方
「総じて」と「概して」はどちらも細かいところはともかく全体的にみるとのことを意味しており、大きな違いはありません。
あえて違いを挙げるならば、「総じて」は例外は多少あってもその多くはというニュアンスで使うのに対して、「概して」は全体をざっと大まかにとらえるというニュアンスで使うという点です。
ただし、そこまで大きな差ではないので、あまり区別されず使われていることが多いと覚えておきましょう。
「総じて」と「概して」の英語表記の違い
「総じて」を英語にすると「generally speaking」「as a rule」「アメリカ人は総じて陽気です」となり、例えば上記の「」を英語にすると「generally speaking American are cheerful」となります。
一方、「概して」を英語にすると「generally speaking」「on the whole」「for the most part」となり、例えば上記の「この町の住人は住民は概して保守的です」を英語にすると「The residents of this town are for the most part conservative」となります。
「総じて」の意味
「総じて」とは、全般の傾向としてのことを意味しています。その他にも、全部でのことの意味も持っています。
表現方法は「総じてかわいい」「総じて好き」
「総じてかわいい」「総じて好き」などが、「総じて」を使った一般的な言い回しになります。
「総じて」の使い方
「今年の夏は総じて35度以上の日が多かったです」「総じて日本人は真面目な人が多いと思います」などの文中で使われている「総じて」は、「全般の傾向としてのこと」の意味で使われています。
一方、「総じて3万円の出費がありました」「完成まで総じて5時間もかかりました」などの文中で使われている「総じて」は、「全部で」の意味で使われています。
「総じて」は全般の傾向としてのことと、全部でのことの二つの意味を持つ副詞です。副詞とは品詞の一つであり、他の言葉を修飾して説明を加えるという役割を担っています。
「総じて」の特徴
「総じて」は細かいことはおいといて、例外は多少あってもその多くはというニュアンスで使う言葉です。やや堅い表現なので日常生活などではあまり使われず、ビジネスシーンや新聞、ニュースなどで使うのが一般的になっています。
また、「この作品は総じて好評だ」のようにプラスのイメージで使うこともあれば、「この作品は総じて評判が悪いです」のように、マイナスのイメージでも使うことができると覚えておきましょう。
「総じて」の類語
「総じて」の類語・類義語としては、広く全体に共通して認められ行き渡っていることを意味する「一般」、 一応全体にわたっていることを意味する「一通り」、大部分に及ぶことを意味する「大抵」などがあります。
「概して」の意味
「概して」とは
「概して」とは、大体においてのことを意味しています。
「概して」の読み方
「概して」の読み方は「がいして」です。誤って「きして」などと読まないようにしましょう。
「概して」の使い方
「概して」を使った分かりやすい例としては、「日本人は概して礼儀正しいです」「概して言えばここの気候は私に合っています」「彼の演技は概してよかったです」「今年の作物は概して良好である」「今年の新入社員は概してやる気がある」などがあります。
「概して」は大体においてのことを意味する副詞で、全体をざっと大まかにとらえるというニュアンスで使う言葉です。
「概して」やや堅い表現なので日常生活などではあまり使われず、ビジネスシーンや新聞、ニュースなどで使うのが一般的になっています。
「概して」の特徴
また、「彼は概して時間を守る人です」のようにプラスのイメージで使うこともあれば、「彼は概して時間を守らない人です」のように、マイナスのイメージでも使うことができると覚えておきましょう。
「概して」の類語
「概して」の類語・類義語としては、もれなくすべてに及んでいることを意味する「遍く」、 物事や事柄の大体のことを意味する「大方」、 全体が同じような状態や程度であることを意味する「並べて」などがあります。
「総じて」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、全般の傾向としてのことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、全部でのことを表現したい時にも使います。
例文1から例文4は全般の傾向としてのこと、例文5は全部でのことの意味で使っています。
「概して」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、大体においてのことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「概して」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。
「総じて」と「概して」はどちらも細かいところはともかく全体的にみるとのことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、例外は多少あってもその多くはというニュアンスで使うのが「総じて」全体をざっと大まかにとらえるというニュアンスで使うのが「概して」と覚えておきましょう。