【閾値】と【境界値】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「閾値」(読み方:いきち)と「境界線」(読み方:きょうかいせん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「閾値」と「境界線」という言葉は、どちらも物事の値を表す共通点があり、本来の意味は違いますが混同して使われる傾向があります。



閾値と境界線の違い

閾値と境界線の意味の違い

閾値と境界線の違いを分かりやすく言うと、ひとつの物体が変化するのに必要な刺激の最小値のことか、二つの物事を切り分ける際の値のことかの違いです。

閾値と境界線の使い方の違い

一つ目の閾値を使った分かりやすい例としては、「閾値を超えるとアラートが鳴る」「閾値に達するとサーバーがダウンする」「閾値を超えた努力をすることで大きな結果が生まれる」などがあります。

二つ目の境界線を使った分かりやすい例としては、「コンクリートで隣の家との境界線を引く」「友達と恋人の境界線は曖昧だ」「テレワークは仕事とプライベートの境界線を引きにくい」「都道府県の境界線になるとカーナビが反応する」などがあります。

閾値と境界線の使い分け方

閾値とは、物体にある反応を起こさせるために必要な最低限の刺激量の値のことを言います。実験などで生体の反応について研究する際、その生体になんらかの反応を起こさせるために必要な刺激の最小値を閾値と呼びます。

また、閾値という言葉は、辞書では「いきち」という読み方で掲載されていますが、「しきいち」という読み方で表現されることもあります。これは閾値という言葉を湯桶読み(読み方:ゆとうよみ)した表現です。

湯桶読みとは、漢字二文字で出来ている熟語の中で、上の字を訓読み(日本語読み)、下の字を音読み(中国伝来の読み)しているもののことを指します。閾値の「閾」を訓読み、「値」を音読みした場合、読み方は「しきいち」となります。

どちらの読み方でも間違いではありませんが、辞書に掲載される読み方は「いきち」ですので、こちらの読み方をするのが確実です。

一方、境界線という言葉は、土地や物事の境目を指す言葉です。二つの物事を切り分ける際に引かれる線、分かれ目のことを境界線と表現します。これは、閾値とは違い、最小値というわけではありません。

異なる二つの物事を分ける際に使う言葉が「境界線」です。境界線という言葉の使い方としては、例えば「哲学と文学の境界線」という使い方をしたり、「東京と神奈川の境界線」という使い方をしたりします。

閾値という言葉は、あるひとつの物体の中にある「無変化」と「変化」の境目の最小値を示すのに対し、境界線というのは、異なる二つの物体の境目を示す言葉であると覚えておくと良いでしょう。

閾値の意味

閾値とは

閾値とは、ひとつの物体が、なんらかの変化をする際に必要とする最小限の刺激の値を意味しています。

閾値とは、実験の場などで使われる言葉です。ひとつの物体が変化をするのに必要な刺激の最小値を「閾値」という言葉で表現します。

例えば、水は100度に達すると沸騰して気化をはじめます。水という液体が、100度という閾値を超えると気体に変化をするということです。このように、ある物体が変化するのに必要な最小値を閾値と表現します。

上記の例の場合、水が液体から気体に変化するのに必要な最小の刺激である100度というのが、閾値ということになります。

表現方法は「閾値に達する」「閾値が低い」「閾値が高い」

「閾値に達する」「閾値が低い」「閾値が高い」などが、閾値を使った一般的な表現方法になります。

閾値は「いき値」とひらがな表記することも多い

閾値の「閾」という字は、常用漢字ではありません。公的な場所では「いき値」「しきい値」など、ひらがなで表記されることもあります。

閾値の読み方

読み方については、「いきち」というのが正式な読み方であり、辞書などで調べる際にも「いきち」で掲載されています。

閾値の類語

閾値の類語・類義語としては、境目となる値を意味する「しきい値」、意識の出現および消失の境目を意味する「識閾」(読み方:いきいき)などがあります。

閾値の「閾」という字を含んだ単語としては、刺激が小さくて生体に反応の起こらない状態を意味する「閾下」、ある意識の出現または消失の境目のことを意味する「識閾」などがあります。

境界線の意味

境界線とは

境界線とは、二つの異なる物体を切り分ける際の分かれ目を意味しています。

境界線は、閾値とは違い、二つの異なる物体の分かれ目のことを意味しています。

表現方法は「境界線を調べる」「境界線を引く」「境界線を越える」

「境界線を調べる」「境界線を引く」「境界線を越える」などが、境界線を使った一般的な言い回しです。

「国境」「県境」は境界線の代表例

分かりやすい例で考えると、「国境」や「県境」などが挙げられます。例えば、ドイツとフランスの境界線や、大阪と京都の境界線などで考えると分かりやすいです。

その他にも、車道と歩道の境界線や、古文と現代文の境界線など、似ていながらも異なる二つの物事や、混同されがちだけれど異なっている二つの物事の分かれ目について、境界線と表現します。

境界線の由来

境界という言葉は、本来は仏教用語であり、前世でした行いの結果として、この世で受ける身の上や境遇のことを示していました。もともとは、「境涯」という漢字で書かれていて、それが「境界」という漢字に変化したと言われています。

このように、前世と今世の境目、分かれ目という意味から出来たものが「境界」という言葉だと覚えておくとわかりやすいでしょう。

境界線の類語

境界線の類語・類義語としては、境界線の英語表記である「ボーダーライン」、土地などの境界を意味する「境目」(読み方:さかいめ)などがあります。

境界線の「境」という字を含んだ単語としては、法的に定められた領界を無視して侵入することを意味する「越境」、周囲、四方の国境のことを意味する「四境」、その人が置かれた身の上のことを意味する「境遇」などがあります。

閾値の例文

1.人間の舌が感じる「辛い」と「苦い」の閾値について研究をしている。
2.この店ではコーヒーを150円で売ると月の売上が最高値になるが、160円にすると売上が下がるので、儲けるための閾値は150円ということになる。
3.ストレス耐性のテストを受けて、自分のストレスの限界であるところの閾値を把握した。
4.この実験における閾値の求め方について、教授に意見を求める。
5.人間がモノを見るのに必要な最低限の光の閾値を求める計算をしている。

この言葉がよく使われる場面としては、実験の現場などで物体の反応について研究している時などが挙げられます。また、ビジネスの現場でも、経済の動きに変化が出る最小限の政策について閾値と表現したりします。

閾値とは、例文1や4、5のように実験の現場などで使われることの多い言葉です。また、例文2などのように、経済的な動きについても閾値という言葉で表現されることがあります。

なにか、物事が変化をするのに必要な最低限の刺激について表現したい際には「閾値」という言葉を使うと覚えておくようにしましょう。閾値は数値で表されることがほとんどです。具体的な数字がない場合には「閾値」という言葉は使いません。

境界線の例文

1.国文学と古典文学の境界線については、議論されるべき点がたくさんあると思うのだ。
2.隣国との境界線を越えるのには、パスポートが必要になる。
3.東京と神奈川の境界線ってどのあたりだったかな?
4.この道は、狭い上に車道と歩道の境界線がわかりにくくて危ないと思う。
5.あの世とこの世の境界線は、どこにあるのだろうか。

この言葉がよく使われる場面としては、二つの似ているけれど異なっている物事の分かれ目について表現する時などが挙げられます。主に土地や学問などについて表現する際に使われることの多い言葉です。

境界線というのは、例文2や3、4のように土地の境目について表現する際に使われることが多くあります。また、例文1のように、学問の分野について表現する際にも使われます。

異なる二つの物事について、その境目や分かれ目のことを表現した時に使う言葉が「境界線」であると覚えておくと良いでしょう。閾値がひとつの物事について表現するのに対し、境界線とは、二つの異なる物事を比較しないと使えない言葉です。

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