似た意味を持つ「ダース」と「カートン」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ダース」と「カートン」という言葉は、「特定の数をまとめた1組」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
ダースとカートンの違い
ダースとカートンの意味の違い
ダースとカートンの違いを分かりやすく言うと、ダースは12個で1組とされているものを表現する時に使い、カートンは一定数集められたものを表現する時に使うという違いです。
ダースとカートンの使い方の違い
一つ目のダースを使った分かりやすい例としては、「ゴルフボールを通販で半ダース購入する」「2ダースもの瓶ビールがあれば今回の宴会は足りるだろう」「子どもが何ダースも買った鉛筆を飽きたと言って使わなくなってしまった」などがあります。
二つ目のカートンを使った分かりやすい例としては、「1カートンのたばこを小さい頃は買ってきてほしいと頼まれたこともある」「今は高すぎてカートンでたばこを買うことはしていない」「酒のカートン箱も売られている」などがあります。
ダースとカートンの使い分け方
ダースとカートンはどちらも、特定の数をまとめた1組を意味しますが、実際の数が異なる場合があります。
ダースは、12個、もしくは12個のものが1組を表します。上記例文の「2ダースもの瓶ビール」などのように数量を表す言葉に添える単位として使われており、ゴルフボール、ビール、鉛筆など物を問わずに用いることができます。
一方のカートンは、一定数の製品を紙箱に詰めたものを表します。内容量は定められておらず、企業や販売者によって定められた数が一まとまりとして考えられているため、たばこは10箱で1カートンですが、必ずしも10個で1カートンとなるわけではありません。
つまり、ダースは12個で1組とされているものを指し、カートンは一定数詰められた箱を指すという違いがあります。そのため、前者は内容数はどんなものでも12個で固定される表現であり、後者は必ずしも内容数が固定であるわけではありません。
ダースとカートンの英語表記の違い
ダースを英語にすると「dozen」となり、例えば上記の「半ダース」を英語にすると「half a dozen」となります。一方、カートンを英語にすると「carton」となり、例えば上記の「1カートンのたばこ」を英語にすると「a carton of cigarettes」となります。
ダースの意味
ダースとは
ダースとは、12個、もしくは12個のものが1組を意味しています。
ダースの使い方
ダースを使った分かりやすい例としては、「1ダースの鉛筆が残っているのに可愛いキャラクターが印刷されているものがほしいそうだ」「何ダースあればしばらくお酒を買わずに済むだろうか」「一度に半ダースもチョコを食べてしまった」などがあります。
その他にも、「生みたて卵であれば2ダース購入しても無駄にせず少しずつ食べられる」「ゴルフボールは消耗品であるため3ダースほど通販でまとめ買いしてしまう」「1から2ダースのパンを食べきることができない時はいつも冷凍している」などがあります。
ダースは英語で「dozen」と表記され、「12」「たくさん」「多数」といった意味を持つ言葉です。日本語でも同じように使われ、12個あるものや、12個で1組となっているものを指す言葉です。
ダースの由来
西洋における十二進法が由来となっており、1年が12か月であることや、1日が24時間であることと同じように、ダースも同じように12が一つのまとまりとされています。
単位として用いられるため、例えば上記例文の「1ダースの鉛筆」は「12本の鉛筆」を意味しますが、「1ダース本」のように別の単位と併用する形で表現されることはありません。
ただし、パンを12個購入した客に1個おまけをし13個で販売していたことからイギリスの「パン屋の1ダース」という表現や、悪魔を召喚する際に13人の魔女を集めるという迷信があるロシアの「悪魔の1ダース」という表現は、それぞれ「13」を表します。
ダースの類語
ダースの類語・類義語としては、組み合わせて一揃いにされているものを意味する「セット」、同一仕様の製品や部品を生産単位としてまとめた数量を意味する「ロット」、紙や海苔などを一まとめにして数える際の単位である「帖」などがあります。
カートンの意味
カートンとは
カートンとは、一定数の製品を紙箱に詰めたものを意味しています。
カートンの使い方
カートンを使った分かりやすい例としては、「このケーキ屋では2カートンのお菓子の詰め合わせで家族4人満足できるだろう」「輸入される果物の中でもバナナは13kgで1カートンのようだ」などがあります。
その他にも、「1カートンのたばこをすぐに消費するのは健康に良くない」「カートンに詰められるだけ詰めたという企業努力が伺える」「何カートンも食べれるほどこのオレンジは美味しい」「カートン梱包で送られてきた」などがあります。
カートンは英語で「carton」と表記され、「厚紙で作った箱」「1つの段ボール箱に入れられる量」といった意味を持つ言葉です。日本語でも同じように使われ、特にたばこは「1カートン」が10箱とされています。
カートンの特徴
必ずしも、10個で1カートンと定められているわけではなく、お菓子の詰め合わせは内容量が販売者によって異なり、バナナであれば1カートン13kgであるなど様々です。
また、酒に対してカートンという言葉が用いられる際は、酒瓶をしまう「化粧箱」を指し、その箱を販売する酒造メーカーによって1本用のものや2本用のカートンが用意されています。
カートンの類語
カートンの類語・類義語としては、かたまりや一区域を意味する「ブロック」、積み荷や貨物を意味する「バルク」、人が両腕で抱えられるほどの大きさや太さを表す「抱え」などがあります。
ダースの例文
この言葉がよく使われる場面としては、12個、もしくは12個のものが1組を意味する時などが挙げられます。
例文1の「半ダース」とは、12個で1つであるダースの半分を意味し、「6個」「6つ」を表す言葉です。
カートンの例文
この言葉がよく使われる場面としては、一定数の製品を紙箱に詰めたものを意味する時などが挙げられます。
例文1の「カートン梱包」とは、厚紙製の段ボール箱による梱包方法を指す言葉です。
ダースとカートンは、どちらも「特定の数をまとめた一組」を表します。どちらを使うか迷った場合は、12個で1組とされているものを表す場合は「ダース」を、一定数集められたものを表す場合は「カートン」を使うと覚えておけば間違いありません。