似た意味を持つ「帰る」(読み方:かえる)と「戻る」(読み方:もどる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「帰る」と「戻る」という言葉は、どちらも元の場所へ移動することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「帰る」と「戻る」の違い
「帰る」と「戻る」の意味の違い
「帰る」と「戻る」の違いを分かりやすく言うと、「帰る」とは本拠地に行くこと、「戻る」とは元のいた場所へ行くことという違いです。
「帰る」と「戻る」の使い方の違い
一つ目の「帰る」を使った分かりやすい例としては、「走者全員が帰る満塁ホームランを打った」「もう遅い時間なので帰ります」「今年のお盆は実家に帰ることにした」「自分の席に戻る」「今から家に帰る」などがあります。
二つ目の「戻る」を使った分かりやすい例としては、「盗まれた自転車が戻ってきた」「時間内には戻る予定です」「お弁当を持って行くのを忘れたので家に戻る」「そろそろ仕事に戻ります」などがあります。
「帰る」と「戻る」は、元の場所に移動するという共通した意味を持つ言葉ですが、使い方が少し違います。
「帰る」は自宅、自国、実家など
「帰る」は本拠地に行くことを意味しているので、自宅、自国、実家など自分の本拠地に移動する場合に使います。また、「お客さんが帰る」「社長は今帰りました」などのように、今いる場所を離れて去ることを表現したい場合にも使います。
「戻る」は元にいた場所や元の状態など
もう一方の「戻る」は、元いた場所へ進む場合や、進んできた方向と逆の方向に進む場合に使います。また、「彼氏とよりを戻した」「落とした財布が戻ってきた」などのように、元の状態に返ることや、本来の持ち主に返ることを表現したい場合にも使います。
「帰る」と「戻る」の英語表記の違い
「帰る」を英語にすると「go home」となり、例えば上記の「今から家に帰る」を英語にすると「I’m going home now」となります。
一方、「戻る」を英語にすると「return」「go back」となり、例えば上記の「自分の席に戻る」を英語にすると「Return to my seat」となります。
「帰る」の意味
「帰る」とは
「帰る」とは、自宅などの本拠に戻ることを意味しています。その他にも、今いる場所を離れて去ること、野球で走者が本塁を踏んで得点になることの意味も持っています。
「帰る」は、「帰る」と漢字で書くのが一般的ですが、「還る」で表記することも可能です。
表現方法は「実家に帰る」「うちに帰る」「日本に帰る」
「実家に帰る」「うちに帰る」「日本に帰る」などが、帰るを使った一般的な言い回しです。
「帰る」の使い方
「娘の誕生日なので家に早く帰る」「息子がまもなく帰ってくる」「今年の冬こそは実家に帰ろう」などの文中で使われている「帰る」は、「自宅などの本拠に戻ること」の意味で使われています。
一方、「犠牲フライを打ったので3塁の選手がホームに帰ってきた」「今日はもう帰るのでお会計お願いします」などの文中で使われている「帰る」は、「今いる場所を離れて去ること、野球で走者が本塁を踏んで得点になること」の意味で使われています。
「帰る」は複数の意味を持つ言葉ですが、自宅などの本拠に戻ること、今いる場所を離れて去ることの意味で使うのが一般的です。自宅、自国、実家など、自分の本拠地に戻る場合は「帰る」を使うことが多いです。
野球の「ランナーがホームに帰る」の意味
野球で走者が本塁を踏んで得点になることの意味はとても限定的な使い方ですが、「ランナーがホームに帰りました」のフレーズは聞いたことある人も多いでしょう。
「帰る」の対義語
「帰る」の対義語・反対語としては、目的地へ向かって進むことを意味する「行く」があります。
「帰る」の類語
「帰る」の類語・類義語としては、外国から母国に帰ることを意味する「帰国」、自分の家に帰ることを意味する「帰宅」、休職者が元の職に復帰することを意味する「復職」、郷里に帰ることを意味する「帰省」などがあります。
「帰る」の帰の字を使った別の言葉としては、遠方から帰ってくることを意味する「帰還」、故郷に帰ることを意味する「帰郷」、新婦が結婚後初めて実家に帰ることを意味する「里帰り」、都に帰ることを意味する「帰京」などがあります。
「戻る」の意味
「戻る」とは
「戻る」とは、元いた場所に帰ることを意味しています。その他にも、進んだ方向と逆の方向へ引き返すこと、元の状態に返ること。本来の持ち主のとこに返ることという意味も持っています。
「戻る」の使い方
「忘れ物をしたので家に戻る」「道を間違えたので来た道を戻る」などの文中で使われている「戻る」は、「元いた場所に帰ること、進んだ方向と逆の方向へ引き返すこと」の意味で使われています。
一方、「計画が振り出しに戻る」「貸していたお金がやっと戻ってきた」などの文中で使われている「戻る」は、「元の状態に返ること。本来の持ち主のとこに返ること」の意味で使われています。
「戻る」は複数の意味を持つ言葉ですが、どの意味でも使われています。そのため非常に幅広い範囲で使える言葉になります。
「戻る」は元の場所へ帰ることや、元の状態に返るなどU字型の移動とイメージしておけば覚えやすいでしょう。
表現方法は「戻らない」「戻れない」「戻る予定」
「戻らない」「戻れない」「戻る予定」などが、「戻る」を使った一般的な表現方法になります。
「戻る」の類語
「戻る」の類語・類義語としては、進んできた道を元へ戻ることを意味する「引き返す」、ある地点まで行って来た方向へ戻ることを意味する「折り返す」、元に戻ることを意味する「立ち戻る」、元の所に戻ることを意味する「舞い戻る」などがあります。
「戻る」の戻の字を使った別の言葉としては、元のあった場所へ返すことを意味する「戻す」、帰路の足のことを意味する「戻り足」、帰り道のことを意味する「戻り道」、来た方向へ引き返すことを意味する「後戻り」、押し戻すことを意味する「押し戻し」などがあります。
「帰る」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、自宅などの本拠に戻ることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、今いる場所を離れて去ることや、野球で走者が本塁を踏んで得点になることを表現したい時にも使います。
例文1と例文2は、自宅などの本拠に戻ることの意味で使っており、例文4は、今いる場所を離れて去ることの意味で使っています。また例文5は、野球で走者が本塁を踏んで得点になることの意味で使っています。
「戻る」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、元いた場所に帰ることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、進んだ方向と逆の方向へ引き返すこと、元の状態に返ること。本来の持ち主のとこに返ることを表現したい時にも使います。
例文1は元いた場所に帰ること、例文2は進んだ方向と逆の方向へ引き返すこと、例文3は元の状態に返ること、例文4は本来の持ち主のとこに返ることの意味で使っています。
「帰る」と「戻る」どちらを使うか迷った場合は、自宅などの本拠に戻ることや今いる場所を離れて去ることを表現したい時は「帰る」を、元のいた場所へ進むことや元の状態に返ることを表現したい時には「戻る」を使うと覚えておきましょう。