似た意味を持つ「そぐわない」と「沿わない」(読み方:そわない)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「そぐわない」と「沿わない」という言葉は、どちらも合っていないことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「そぐわない」と「沿わない」の違い
「そぐわない」と「沿わない」の意味の違い
「そぐわない」と「沿わない」の違いを分かりやすく言うと、「そぐわない」とは釣り合っていないこと、「沿わない」とは要望や目的に合っていないことという違いです。
「そぐわない」と「沿わない」の使い方の違い
一つ目の「そぐわない」を使った分かりやすい例としては、「こんな就業規則は今の時代にそぐわない」「現状にそぐわない計画を立てた」「彼女は見た目にそぐわない性格をしている」「今の時代にそぐわない映画を観ているがとても面白い」「彼の服装はこの場にはそぐわない」などがあります。
二つ目の「沿わない」を使った分かりやすい例としては、「意に沿わない仕事にも真面目に取り組んでいる」「お客様のご意向に沿わない場合はいつでもキャンセルが可能です」「意に沿わない人事異動に腹を立てる」「あなたの行動は私の期待に沿わない」などがあります。
「そぐわない」と「沿わない」の使い分け方
「そぐわない」と「沿わない」はどちらも合ってないことを意味している言葉ですが、少し違いがあります。「そぐわない」は釣り合っていないことを意味しており、「沿わない」は要望や目的が叶わないこと、決まりや方針に従わないことを意味している言葉です。
「そぐわない」と「沿わない」の英語表記の違い
「そぐわない」を英語にすると「inappropriate」「unsuitable」「do not suit」となり、例えば上記の「彼の服装はこの場にはそぐわない」を英語にすると「His attire is inappropriate for the occasion」となります。
一方、「沿わない」を英語にすると「not up to」「not come up to」となり、例えば上記の「あなたの行動は私の期待に沿わない」を英語にすると「Your action does not come up to my expectations」となります。
「そぐわない」の意味
「そぐわない」とは
「そぐわない」とは、釣り合わないことを意味しています。
「そぐわない」の使い方
「そぐわない」を使った分かりやすい例としては、「社内ルールにそぐわない行動をしないでください」「今の時代にそぐわない格好をしている」「現状にそぐわない制度は積極的に変えるべきだ」「上司との関係がそぐわない」などがあります。
「そぐわない」は釣り合わないことを意味しており、ビジネスシーンと日常生活の両方で使える言葉です。
「そぐわない」の語源
「そぐわない」は、釣り合うことを意味する「そぐう」に打消しの「ない」が合わさったことで、釣り合ないことを意味する言葉になりました。
「そぐわない」の漢字表記
「そぐわない」は昔から平仮名表記で使われている言葉なので、漢字に置き換えることはできません。
表現方法は「時代にそぐわない」「ルールにそぐわない」「意にそぐわない」
「時代にそぐわない」「ルールにそぐわない」「意にそぐわない」「希望にそぐわない」「意向にそぐわない」「現状にそぐわない」などが、「そぐわない」を使った一般的な表現方法になります。
「そぐわない」の類語
「そぐわない」の類語・類義語としては、釣り合わないことを意味する「不釣り合い」、相応しくないことを意味する「似気無い」(読み方:にげない)、適当でないことを意味する「不適当」、その場に相応しくないことを意味する「場違い」などがあります。
「沿わない」の意味
「沿わない」とは
「沿わない」とは、決まりや方針などに従わないことを意味しています。その他にも、要望や目的が叶わないことの意味も持っています。
「沿わない」の使い方
「沿わない」を使った分かりやすい例としては、「医局は意に沿わない人事異動が多い」「当掲示板の趣旨に沿わない書き込みは削除いたします」「意に沿わない仕事をするのも時には必要です」「今回は期待に沿わない結果になり申し訳ありません」などがあります。
「沿わない」は複数の意味を持つ言葉ですが、どちらの意味でも使われています。また、ビジネスシーンと日常生活の両方で使える言葉です。
「沿わない」の語源
「沿わない」は、決まりや方針に従うことを意味する「沿う」に打消しの「ない」が合わさったことで、決まりや方針に従わないことを意味する言葉になりました。
「意に沿わない」の意味
「沿わない」を使った有名な言葉に「意に沿わない」があります。「意に沿わない」とは、意思に従わないことや意図しているものに沿っていないことです。辞書等にはあまり載っていませんが、法令文等にも使用され、幅広く一般的に使われています。
表現方法は「希望に沿わない」「意向に沿わない」「要望に沿わない」
「意に沿わない」以外に「希望に沿わない」「意向に沿わない」「要望に沿わない」などが、「沿わない」を使った一般的な表現方法になります。
「沿わない」の類語
「沿わない」の類語・類義語としては、相応しくないことを意味する「不相応」、釣り合わないことを意味する「ミスマッチ」、差し障りがあって適当でないことを意味する「不穏当」、(読み方:ふおんとう)、その場の状況に対する配慮を欠いていることを意味する「不適切」などがあります。
「沿わない」の沿の字を使った別の言葉としては、希望や要求に応じることを意味する「意に沿う」、海に沿った陸地のことを意味する「沿海」、物事の移り変わりのことを意味する「沿革」、川に沿っていることを意味する「川沿い」などがあります。
「そぐわない」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、釣り合わないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、物事と人両方に使うことができるため、様々な場面で見かける言葉でしょう。
「沿わない」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、決まりや方針などに従わないことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、要望や目的が叶わないことを表現したい時にも使います。
上記の例文のように、「意に沿わない」という表現方法はよく使われています。
「そぐわない」と「沿わない」どちらを使うか迷った場合は、釣り合わないことを表現したい時には「そぐわない」を、決まりや方針などに従わないことを表現したい時には「沿わない」を使うようにしましょう。