【直截】と【直接】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「ちょくせつ」という読み方の「直截」と「直接」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「直截」と「直接」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




直截と直接の違い

直截と直接の意味の違い

直截と直接の違いを分かりやすく言うと、直截とは遠回しでなく率直に言うこと、直接とは間に何もはさまないことという違いです。

直截と直接の使い方の違い

一つ目の直截を使った分かりやすい例としては、「悩んでいることを直截に話してみてください」「ネット上には直截的に発信する人が多い」「何でもかんでも直截に言うことが良いことではない」「直截の処置が一命をとりとめた」などがあります。

二つ目の直接を使った分かりやすい例としては、「国会議員の選挙は直接選挙制を採用しています」「このマンションは直接基礎で建てられています」「参考文献から文章を直接引用しました」「本人に直接に言えないので友人に頼んだ」などがあります。

直截と直接の使い分け方

直截と直接という言葉は、どちらも「ちょくせつ」と読み、字面もよく似ていますが、意味や使い方には違いがあります。

直截とは、「直截に言う」のような使い方で、まわりくどくなく、ずばりと率直に言うことを意味します。見たり感じたりしたことを、きっぱりと言いきることを表す言葉です。また、「直截の処置」のような使い方で、すぐに判断して決断を下すことも意味します。

直接とは、中間に何もはさまないで接すること、時間的あるいは空間的に間をおかないで物事が進んだりすることを意味します。上記例文にある「直接に言う」とは、他人を介しないで自分で本人に言うことです。

つまり、直截とは遠回しでなくずばりと言うことを表し、直接とは間に何もはさまないで接することを意味します。二つの言葉は同じ読み方をしますが、意味が異なる同音異義語なので互いに置き換えて使うことはできません。

直截と直接の英語表記の違い

直截を英語にすると「straight」「square」「straightforward」となり、例えば上記の「直截に話す」を英語にすると「speak straight」となります。

一方、直接を英語にすると「directly」「immediately」「forthrightly」となり、例えば上記の「直接選挙」を英語にすると「direct election」となります。

直截の意味

直截とは

直截とは、すぐに裁断を下すことを意味しています。

その他にも「まわりくどくなく、ずばりと言うこと」の意味も持っています。

直截の読み方

直截の正しい読み方は「ちょくせつ」ですが、慣用読みで「ちょくさい」とも読まれています。「截」は「せつ」と読み「さい」とは読みませんが、「裁」や「載」という文字に似ていることから、直截が「ちょくさい」と誤って読まれることが多くなっています。

直截の使い方

「虐待かもと思った時は直截に通報してください」「直截の対応が難しい時もあるだろう」「2年以上着ていない衣類は直截に処分しましょう」などの文中で使われている直截は、「すぐに裁断を下すこと」の意味で使われています。

一方、「あまりに直截な物言いに圧倒されてしまった」「自分の気持ちを直截簡明に伝えたい」「表現が直截的すぎて情緒が足りない」「彼女の直截的な煽りに乗ってしまった」などの文中で使われている直截は、「まわりくどくなく、ずばりと言うこと」の意味で使われています。

直截とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ち、それぞれの意味で使用されているため、文脈により意味を捉える必要があります。直截の「直」は真っすぐであることや間に何も挟まないこと、「截」は刀で勢いよくたち切るさまを表す漢字です。

四字熟語「直截簡明」の意味

直截を用いた四字熟語には「直截簡明」(読み方:ちょくせつかんめい)があります。直截簡明とは、回りくどさがなく分かりやすくはっきりしていることを意味し、人柄や文章などについて表す言葉です。「簡明直截」とも言います。

直截の対義語

直截の対義語・反対語としては、露骨でなく遠まわしに言うさまを意味する「婉曲」などがあります。

直截の類語

直截の類語・類義語としては、遠回しでなくすぐに本題に入ることを意味する「単刀直入」、遠慮がなく率直なさまを意味する「ざっくばらん」、直接的であることや表現が率直であることを意味する「ストレート」などがあります。

直接の意味

直接とは

直接とは、間に他のものをはさまないで接すること、間に何も置かないで関係したり働きかけたりすることを意味しています。

直接の使い方

直接を使った分かりやすい例としては、「出産した際に直接支払制度を利用しました」「直接ビリルビンが血液中に増加する」「法に則って直接請求権を行使する」「英語を正しく話せるようにネイティブ講師が直接サポートします」などがあります。

その他にも、「直接金融より間接金融の方がリスクは少ないだろう」「大出血に対しては直接圧迫止血法が有効です」「直接民主制にはメリットだけでなくデメリットもあります」「直接税と間接税の違いを分かりやすく解説します」などがあります。

直接の「直」は訓読みで「ただちに」「すぐ」と読み、時間や距離をおかないさまを表す漢字です。触れるほど近づくことを表す「接」と結びつき、直接とは、間に何もはさまずに接すること、間をおかないで行動を起こしたり物事が進んだりする様子を意味します。

表現方法は「直接民主制」

直接を用いた日本語には「直接民主制」があります。直接民主制とは、国民が直接に投票行動などを通じて政治に参加し、国政や地方政治の立法や政策に関して決定できる制度を意味します。国民が選んだ代表者を通じて間接的に政治に参加する「間接民主制」に対する言葉です。

直接の対義語

直接の対義語・反対語としては、中間に他のものを置いた状態で行われることを意味する「間接」、などがあります。

直接の類語

直接の類語・類義語としては、間に他のものを入れないで直接にするさまを意味する「直に」、人を介さずに本人が直接にするようすを意味する「直直」、介在するものがなく直接であるさまを意味する「ダイレクト」などがあります。

直截の例文

1.風邪をこじらせないためには、初期症状が現れたら直截的に対処することが大切です。
2.闇バイトの募集は直截的な表現ではないので、知らず知らずのうちに応募してしまうことがあります。
3.プレゼンで直截簡明な説明をしたいのですが、つい回りくどい話し方をしてしまいます。
4.ビジネスにおけるコミュニケーションで、直截的な言葉の使い方はあまりよく思われません。
5.彼の飾らない直截な物言いが無粋だと言う人もいますが、私はとても心地よく感じます。

この言葉がよく使われる場面としては、ためらうことなく直ちに決裁すること、見たり感じたりしたことをきっぱりと言いきることを表現したい時などが挙げられます。

例文5にある「直截な物言い」とは、きっぱりとした話し方や、物事を遠回しではなくはっきりと言う様子を表現しています。

直接の例文

1.外出先から待ち合わせ場所に直接行く予定でしたが、時間が空いたので一旦家に帰ることにしました。
2.英会話スクールの講師をしていますが、実際は英語と直接関係のない仕事をすることが少なくありません。
3.お金の使い方は直接的に生活に関わってくる問題なので、家族でよく話し合いましょう。
4.ビジネスホテルの公式サイトで直接予約を取ったら、無料のウェルカムドリンクがもらえました。
5.文句があるのであれば、陰口を叩くのではなく本人に直接言うべきだと思います。

この言葉がよく使われる場面としては、中間に他のものをはさまないで直ちに接すること、時間的・空間的に間をおかないで物事が進んだり行動を起こしたりするさまを表現したい時などが挙げられます。

例文1にある「直接行く」とは、途中でどこにも寄らずに目的地に行くことを意味します。例文3の「直接的」とは、間に何もはさまないさまを表す言葉です。

直截と直接という言葉は、どちらも「ちょくせつ」と読む同音異義語です。どちらの言葉を使うか迷った場合、ずばりと言うことを表現したい時は「直截」を、間に何もはさまないで接するさまを表現したい時は「直接」を使うようにしましょう。

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