【金字塔】と【偉業】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「金字塔」(読み方:きんじとう)と「偉業」(読み方:いぎょう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「金字塔」と「偉業」という言葉は、どちらも素晴らしい事を成し遂げたという意味を持つ共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




金字塔と偉業の違い

金字塔と偉業の意味の違い

金字塔と偉業の違いを分かりやすく言うと、金字塔は後世に長く残る不滅の業績のことを意味していて、偉業は偉大な事業や優れた仕事を意味しているという違いです。つまり、金字塔は後世まで残るもので、偉業はその場の偉大さを示すものということです。

金字塔と偉業の使い分け方

金字塔というのは、元々はピラミッドを示す言葉でした。ピラミッドのそびえ立つ姿が漢字の「金」という字に似ていることから、金の字の塔という意味で、金字塔と呼んでいました。

しかし、現代では、金字塔という言葉はピラミッドを示すのではなく、ピラミッドのように、永久不滅のものとして残る優れた業績や財産、スポーツ分野の記録や芸術的分野の作品などを示す言葉となりました。

歴史に残る偉大な物事について「金字塔を打ち立てる」などのように表現されるものであると覚えておくようにしましょう。金字塔とは、プラスの意味を持つ言葉で、相手を褒めて賞賛する意味を持つものです。

対する偉業というのは、偉大な事業や優れた仕事のことを意味しています。金字塔とは違い、後世にまで残るという意味は含まれていません。その場で素晴らしいと判断されたことについては偉業であるとされます。

また、偉業というのは、偉大な仕事にだけでなく、難しい仕事をやり遂げたような場合にも使用される表現です。「彼は誰も成し得なかった偉業を達成した」などのように表現されるものです。

偉業というのは、金字塔と同じくプラスの意味で使用される言葉です。しかし、自分で自分の行った仕事に対して「偉業を成した」と表現するのは、場合によってはあまり良い意味で取られない場合もありますので、注意が必要です。

金字塔の意味

金字塔とは

金字塔とは、後世に長く残る優れた業績や、不滅の業績のことを意味しています。元々は、金字塔はピラミッドのことを意味していました。現代では、金字塔というのは、決して消えることのない業績という意味で使用される言葉です。

金字塔の語源はピラミッド

金字塔というのは、元々はピラミッドを意味する和語でした。ピラミッドの形が漢字の「金」という字に似た三角形だったことから、金の字の塔という意味で「金字塔」とされました。

しかし、後世では、金字塔という言葉がピラミッド自体を指すのではなく、ピラミッドがつくられたことのように、永久不滅の優れた業績であることを表現する意味で使用されるようになりました。

つまり、金字塔というのは、ピラミッドくらいの立派なものを打ち立てること、ピラミッドのように後世に長く残る優れたものをつくること、またはそれと等しいくらいの優れた成績を残すことを意味しています。

金字塔の使い方

金字塔という言葉を使う場合には、「金字塔を打ち立てる」「金字塔となる作品」「金字塔的な成績」などのように使用されます。金字塔という言葉が示す本来の意味がピラミッドであることを覚えておくと、その意味も分かりやすいでしょう。

表現方法は「金字塔を打ち立てる」

金字塔を使った言い回しは少なく、基本的には上記の「金字塔を打ち立てる」のみとなっています。

金字塔の類語

金字塔の類語としては、前代の人が残した業績という意味を持つ遺産(読み方:いさん)などがあります。どちらの言葉も、世代を超えて後世に残るものを意味していると覚えておくようにしましょう。

金字塔の「金」という字を使った別の単語としては、金のとれる鉱脈や鉱山を意味する「金鉱」、鉄器や銅器など金属器に刻まれた文字や文を意味する「金文」、品物の買い手が売り手に支払う金を意味する「代金」などがあります。

偉業の意味

偉業とは

偉業とは、偉大な事業のことや優れた仕事のことを意味しています。何か立派な事業を行った時や、人よりも優れている仕事をした時などにこの言葉が使われます。

偉業というのは、他者から見た時に偉大であったり、優れていたり、大きくて立派であったりする事業や仕事を意味しています。「偉業を成し遂げる」などのように使用されるもので、プラスの意味で使われる表現です。

偉業の語源

偉業の「偉」という字は、えらい、優れている、大きい、盛んで立派である、という意味を持つ漢字です。それに、「業」という、仕事や生業、仕業、行いなどの意味を持つ漢字が合わさって、出来上がった言葉です。

つまり、偉業というのは、人よりも偉く、優れて立派な仕事や生業のことを意味していると考えられます。このように、漢字そのものの持つ意味を連想すると偉業の言葉の意味が分かりやすいでしょう。

表現方法は「偉業を果たす」「偉業を成し遂げる」「偉業を達成する」

「偉業を果たす」「偉業を成し遂げる」「偉業を達成する」などが、偉業を使った一般的な言い回しです。

偉業の使い方

偉業という言葉は、自分で自分のことを表現する際には、あまり使用されない表現です。例えば、歴史上の人物について「この人は歴史的偉業を成し遂げた」などのように使用されたりします。

また、歴史上の人物でなくても「彼は偉業を成し遂げた」などのように、一般的には他者を褒める際に使用する言葉です。自画自賛的なかたちで使われることはあまりないものであると覚えておくようにしましょう。

偉業の類語

類語・類義語としては、規模の大きな仕事を意味する大業(読み方:たいぎょう)などがあります。

偉業の「偉」という字を使った別の単語としては、優れた仕事を成し遂げ、多くの人から尊敬される人を意味する「偉人」、立派な眺めやすばらしい光景を意味する「偉観」、体が大きくて逞しい男性を意味する「偉丈夫」などがあります。

金字塔の例文

1.彼の出した記録は、おそらく世界を驚かす金字塔となるだろう。
2.京都にある歴史深い寺社は、どれも日本の金字塔と言える存在だ。
3.私はこの作家先生の作品は、後世にまで語り継がれる金字塔であると信じている。
4.彼女は、世代を超えて人気を博した、アイドルの金字塔のような人です。
5.スポーツ選手として、どうにか現役の間に金字塔を打ち立てたい。
6.生涯で二度もノーベル賞を受賞するという金字塔を打ち立てた女性は、受賞後あっけなく病気で亡くなり、それが更に話題を呼ぶ結果となった。
7.その選手は自らの輝かしい野球人生に、またまた一つの金字塔をうち立てたのでした。
8.当時は世間から批判された作品が、今になって文学の金字塔だと持ち上げられているだから、世の中わからないものだ。
9.オリンピックでは、新人選手が女子レスリング界のスーパースターを超える金字塔を打ちたて話題になっていた。
10.日本のサッカーファンは次回のワールドカップで、日本代表に金字塔を打ち立ててほしいと心から願いました。

この言葉がよく使われる場面としては、ピラミッドのように後世にまで残る業績を打ち立てたことを表現したい時などが挙げられます。金字塔とは、元々はピラミッドのことを示す言葉でした。

ピラミッドの形が漢字の「金」という字に似ていたため、金の字の塔という意味で「金字塔」という言葉が出来ました。しかし、現代では、金字塔はピラミッドという意味ではなく、ピラミッドのように後の世にまで残る業績のことを意味しています。

金字塔という言葉は、スポーツ選手の世界記録などを表現する際に使ったり、文学や芸術の分野で優れている作品を表現したりするときに使われたりします。良い意味で使用される表現であると覚えておくようにしましょう。

偉業の例文

1.彼はついに、偉業を成し遂げたのだと言えるだろう。
2.彼女の行った事業は、業界内では偉業であるとされている。
3.歴史的な人物を見ていると、偉業を成し遂げた人は、みんな若い頃から秀才だ。
4.私もいつか、何かの分野で偉業を成し遂げたいと夢見ている。
5.彼の偉業に対して、国から栄誉賞が贈られることになった。
6.偉業を成し遂げたといわれる人のドキュメンタリー番組を見ていたら、自分はまだまだだと言っていてまずこういうところが凡人とは違うと思った。
7.ワールドカップで日本代表がスペインとドイツに勝ったのはとんでもない偉業であるが、肝心の目標であるベスト8にはいけませんでした。
8.天才と言われている彼のことだから、近い将来、医療分野で歴史的偉業を達成してくれるに違いありません。
9.王様が庶民から嫌われていたのは、その偉業以上に傲慢で非情、色欲の強い男であったからである。
10.彼の地元ではその偉業をたたえて立派な記念碑まで建てられたというのだから驚きだ。

この言葉がよく使われる場面としては、偉大な事業や優れた仕事、または立派な事柄を表現したい時などが挙げられます。それらの事業を行うことを「偉業を成す」「偉業を成し遂げる」などのように表現するものです。

偉業という言葉の類語としては、規模の大きな仕事や重大な事業を意味する「大業」(読み方:たいぎょう)などがあります。大きくて偉大な仕事を行うことを、偉業、大業と呼ぶのだと覚えておくようにしましょう。

この偉業という言葉は、プラスの意味を持つ誉め言葉です。一般的には他者に対して賞賛を持って使用するものであり、あまり自分を評価する際に使うものではありません。

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