【胸先三寸】と【胸三寸】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た日本語の「胸先三寸」(読み方:むねさきさんずん)と「胸三寸」(読み方:むねさんずん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「胸先三寸」と「胸三寸」という言葉は、間違えやすい日本語なのでご注意下さい。




胸先三寸と胸三寸の違い

胸先三寸と胸三寸の意味の違い

胸先三寸と胸三寸の違いを分かりやすく言うと、胸先三寸とは胸三寸の間違った使い方、胸三寸とは胸の内のことです。

胸先三寸は誤字

一般的には胸先三寸という言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が似ているため、胸三寸のことを間違えて胸先三寸を使っている人がほとんどです。

胸三寸は正しい日本語

正しい言葉である胸三寸を使った分かりやすい例としては、「今日起きた出来事はみなさんの胸三寸に納めておいてください」「この計画が実行できるかどうかは彼の胸三寸にかかっている」「彼は胸三寸に納めて何も言わなかった」などがあります。

胸三寸という言葉はあっても、胸先三寸という言葉は存在しません。同時に胸三寸という単語の意味について「胸の内のこと」と覚えておきましょう。

胸三寸の英語表記

胸三寸を英語にすると「inner feelings」「bosom」となり、例えば上記の「彼は胸三寸に納めて何も言わなかった」を英語にすると「he kept his inner feelings to himself and said nothing」となります。

胸先三寸の意味

胸先三寸とは

胸先三寸とは、胸三寸の間違った使われ方です。

胸先三寸という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が似ているため、胸三寸と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

胸先三寸と間違えやすい理由

胸先三寸と胸三寸を間違えてしまう理由としては、似た言葉である舌先三寸(読み方:したさきさんずん)と混同してしまっていることが原因です。舌先三寸とは口先だけの誠実さにかける物言いで相手を騙したり言いくるめたりすることを意味しています。

「三寸」という使っている言葉は似ているものの、意味は全く違う言葉になっているので間違わないように注意しましょう。

しかし、胸先三寸は間違った言葉でもあるものの、日常会話において胸三寸よりも一般的に使われています。そのため、完全に間違った日本語と言い切ることは難しいです。

間違った日本語であっても広く浸透していれば、正しい日本語となる前例もあるので、胸先三寸が辞書に載る日も近いかもしれません。

胸三寸の意味

胸三寸とは

胸三寸とは、胸の内のことを意味しています。その他にも、心の中にある考えのことの意味も持っています。

胸三寸の使い方

胸三寸を使った分かりやすい例としては、「何もかも胸三寸に納めておく」「幸か不幸かは自分の胸三寸が決める」「彼女はこの悲しみを胸三寸に畳むことにした」「彼の昇進は社長の胸三寸で決まる」「彼女の意図は胸三寸に秘められている」などがあります。

胸三寸の由来

胸三寸の「胸」とは首と腹との間の肋骨に囲まれて肺や心臓などが収まる部分を意味で使うのが一般的ですが、今回は心の中という意味で使っています。三寸は短いものの例えのことを意味しています。

二つの意味を組み合わせると心の中から離れていない短い範囲となりますが、これが転じて、胸の中で思っていることや心の中にある考えのことの意味で使われるようになりました。

「胸三寸に納める」の意味

胸三寸を使った慣用句としては、「胸三寸に納める」があります。「胸三寸に納める」とは、心の中にしまい込んで顔にも言葉にも出さないでいることを意味しています。

表現方法は「胸三寸に畳む」「胸三寸で決まる」「胸三寸が決める」

その他にも慣用句ではないのですが言い回しとして、「胸三寸に畳む」「胸三寸で決まる」「胸三寸が決める」「胸三寸次第」「胸三寸に秘める」などがあります。

胸三寸の類語

胸三寸の類語・類義語としては、心に思っていることを意味する「胸中」、心の中のことを意味する「胸襟」(読み方:きょうきん)、心の中に思っていることを意味する「意中」、胸のうちのことを意味する「念頭」などがあります。

胸先三寸の例文

1.胸先三寸という言葉は存在しないので、おそらく胸三寸の言い間違いだろう。
2.胸三寸という言葉は胸の内のことで、胸先三寸という言葉はない。
3.胸先三寸という言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.胸先三寸に納めるという言葉を使う人はいるが、正しくは胸三寸に納めるです。
5.胸三寸で決まるという言葉はあるが、胸先三寸で決まるという言葉はない。

この言葉がよく使われる場面としては、胸三寸という言葉を間違えて胸先三寸と表現している時などが挙げられます。

「胸先三寸」という言葉は辞書に載っていない間違った言葉です。そのため、本来は「胸三寸」と表現するのが正しい日本語になりますが、間違った言葉である「胸先三寸」の方が広く一般的に使われているのが現状になります。

胸三寸の例文

1.このことは誰にも知られたくないので、今日見たことは胸三寸に畳んでおくようお願いします。
2.オーディションに応募してきた人達はみんな素晴らしいスキルを持っているので、主役は監督の胸三寸で決まると思う。
3.上司に言いたいことはたくさんあるが、それを言ってしまうと左遷される可能性があるので胸三寸に納めることにした。
4.彼がどの部署に配属されるかは、人事部長の胸三寸で決まるでしょう。
5.夫の不倫に気付いているが、小学生に上がったばかりの息子がいることも考えて胸三寸に納めて我慢しています。

この言葉がよく使われる場面としては、胸の内のことを表現したい時などが挙げられます。心の中にある考えのことの意味も持っています。

上記の例文のように、胸三寸は自分や相手には見ることのできない心の中で思っていることや心の中で考えていることを表現したい時に使います。

胸先三寸と胸三寸どちらを使うか迷った場合は、胸先三寸は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の胸三寸を使うようにしましょう。しかし、「胸先三寸」は間違った言葉ではないという説も出てきているため、辞書に載る日も近いかもしれません。

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