同じ「おてすき」という読み方の「お手隙」と「お手透き」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「お手隙」と「お手透き」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。
「お手隙」と「お手透き」の違い
「お手隙」と「お手透き」の意味の違い
「お手隙」と「お手透き」の違いを分かりやすく言うと、「お手隙」と「お手透き」は表記が違うだけで同じ意味なので、どちらを使っても問題ない言葉です。
「お手隙」と「お手透き」の使い方の違い
一つ目の「お手隙」を使った分かりやすい例としては、「今お手隙でしょうか」「お手隙になりましたらご連絡お願いします」「お手隙の折にお返事を頂けらたら幸いです」「お手隙になりましたらご確認とご検討をお願いいたします」などがあります。
二つ目の「お手透き」を使った分かりやすい例としては、「すみません今お手透きでしょうか」「お手透きの際にこちらを確認いただけますでしょうか」「お手透きの時に今日の資料を送ってください」などがあります。
「お手隙」と「お手透き」の使い分け方
「お手隙」と「お手透き」は同じ意味を持つ言葉であり、結論から言うとどちらの漢字を使っても問題ありません。ただし、漢字で表記するよりも平仮名で「お手すき」とするのが一般的となっており、余程特別な理由がない限りは平仮名で表記するのがいいでしょう。
また、本来は「手透き」と表記するのが正しいという説もあります。なぜなら、「隙」の語源は「透き」になりますが、「隙」の表記をするのは純然たる名詞扱いの時だけです。そのため、「手が隙く」と動詞に使うことはありません。
「手すき」は手のすきという名詞ではなく、手がすいている状態という意味なので「すく」という動詞の変化したものとしての扱うのが妥当です。ただし、手隙も辞書に載っている言葉なので間違いとは言いづらく、どちらの漢字でも正しいという認識になっています。
「お手隙」と「お手透き」の英語表記の違い
「お手隙」を英語にすると「when someone is free」「when someone is available」となり、例えば上記の「お手透きの時に今日の資料を送ってください」を英語にすると「Could you send the documents when you’re free」となります。
「お手隙」の意味
「お手隙」とは
「お手隙」とは、相手の手が空いてることを言う尊敬語を意味しています。
「お手隙」の使い方
「お手隙」を使った分かりやすい例としては、「部長お手隙でしょうか」「お手隙の際にご一読ください」「お手隙の際に資料の確認をお願いします」「お忙しいところ恐縮ですがお手隙の際にご連絡いただけないでしょうか」などがあります。
「お手隙」は、急ぎではない用事や相手に時間があるか聞きたい時に使う言葉です。
「お手隙」は手の空いてることを意味する「手隙」に尊敬語の「お」が付いた言葉であるため、「お手隙」自体が敬語表現になります。そのため、上司や取引先など目上の人に対して使っても問題ありません。
また尊敬語とは、話し手が聞き手や話題の主のその動作や状態などを高めて待遇することです。
メールでの表現方法は「お手隙の際にお返事いただければ幸いです」
「お手隙」は敬語表現であるため、ビジネスメールでもよく使われており、「お手隙の折に」「お手隙の際にお返事いただければ幸いです」「お手隙のある時に返信よろしくお願いいたします」などの言い回しが一般的です。
電話での表現方法は「お手隙でしょうか」「お手隙でいらっしゃいますでしょうか」
ビジネスシーンの電話においてもよく使われており、目上の人に今時間があるか聞くフレーズとして、「お手隙でしょうか」や「お手隙でいらっしゃいますでしょうか」などと使います。
「お手隙」の類語
「お手隙」の類語・類義語としては、取引先や顧客など目上の人に対して時間や予定を聞くことを意味する「ご都合の良い際に」があります。
「お手透き」の意味
「お手透き」とは
「お手透き」とは、相手の手が空いてることを言う尊敬語を意味しています。
「お手透き」の使い方
「お手透き」を使った分かりやすい例としては、「課長お手透きでしょうか」「お手透きの際にご一読いただけるとご幸甚に存じます」「どなたかお手透きの方はいらっしゃいますか」「お手透きの折にでもご覧いただければと存じます」などがあります。
「お手透き」は手の空いてることを意味する「手透き」に尊敬語の「お」が付いた言葉であるため、「お手透き」自体が敬語表現になります。そのため、上司や取引先など目上の人に対して使っても問題ありません。
「お手透きの際にやっておきます」は間違い
「お手透き」を使う上で注意しなければならないのは、尊敬語であるため自分に対しては使えないということです。尊敬語はあくまでも話し手や聞き手の動作や状態を高める言葉であり、他人に対してのみ使う言葉になります。
よく間違える使い方としては、目上の人に対して時間がある時にやるという意味で「お手透きの際にやっておきます」があります。上記にも書いたように自分の動作に対しては使う言葉ではないので間違った使い方になります。
その他にも、ビジネスシーンにおいて重要だったり緊急を要する案件の場合には「お手透き」は使えないので注意しましょう。「お手透き」は手の空いてる時を意味しているので、暇になったらでいいんだなと相手が解釈してしまうからです。
「お手透き」の類語
「お手透き」の類語・類義語としては、相手の時間のやりくりの中で確認して欲しいというお願いのことを意味する「お時間のある時に」があります。
「お手隙」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、相手の手が空いてることを言う尊敬語を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のようにビジネスシーンにおいて頻繁に使われる言葉になります。
「お手透き」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、相手の手が空いてることを言う尊敬語を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のようにビジネスシーンにおいて頻繁に使われる言葉になります。
「お手隙」と「お手透き」どちらを使うか迷うと思いますが、表記が違うだけで全く同じ意味を持つ言葉なので、どちらを使って問題ありません。ただし、漢字表記ではなく平仮名で「お手すき」と書くのが一般的と覚えておきましょう。