似た意味を持つ「アップグレード」と「アップデート」と「バージョンアップ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「アップグレード」と「アップデート」と「バージョンアップ」という言葉は、データに変更を加えてより良いものにすることという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
アップグレードとアップデートとバージョンアップの違い
アップグレードとアップデートとバージョンアップの意味の違い
アップグレードとアップデートとバージョンアップの違いを分かりやすく言うと、アップグレードは等級を上げる時に使い、アップデートは一部を変更する時に使い、バージョンアップは全体を改良する時に使うという違いです。
アップグレードとアップデートとバージョンアップの使い方の違い
アップグレードという言葉は、「アップグレードで快適さを得る」「別途料金が掛かるためアップグレードを見送っていた」などの使い方で、等級や品質を上げることを意味します。
アップデートという言葉は、「今回のアップデートで不具合が修正される」「アップデートはこまめにしておく必要がある」などの使い方で、ソフトウェアの内容をより新しいものに変更することを意味します。
バージョンアップという言葉は、「データをバージョンアップして今後に役立てる」「バージョンアップをしなければソフトが使えない」などの使い方で、ソフトなどの性能や機能を改良もしくは向上させることを意味します。
アップグレードとアップデートとバージョンアップの使い分け方
アップデートもバージョンアップも、システムやソフトに変更を加えて、より良いものにすることを表しますが、前者は一部分の更新が行われることを、後者はプログラム自体が全て新しく更新されることを意味します。
一方、アップグレードという用語は、バージョンアップとほとんど同じ意味で使われる言葉ですが、上位互換に変更することと考えられることもあります。
例えば、無償のアプリなどであれば、不具合を修正することをアップデート、新しい機能を追加することをバージョンアップ、更に多くの機能を使用したり、広告を消すために無償ではなく有償の同じ種類のアプリに変更することをアップグレードと言います。
そのため、変更される部分が多い順に並べると、アップグレード≧バージョンアップ>アップデートとなります。
これが、アップグレード、アップデート、バージョンアップの明確な違いです。
アップグレードの意味
アップグレードとは
アップグレードとは、等級や品質を上げることを意味しています。
この言葉は、システム用語としてパソコンやアプリケーションソフトなどに使われる言葉ですが、飛行機などの座席の予約において通常の座席よりも快適な座席に変更する場合などにも使われる言葉です。
表現方法は「Windows10をアップグレードする」「座席をアップグレードする」
「Windows10をアップグレードする」「座席をアップグレードする」などが、アップグレードを使った一般的な言い回しです。
「インプレースアップグレード」の意味
アップグレードを使った言葉として、「インプレースアップグレード」があります。これは、コンピューターシステムをアップグレードする時に、既存の環境やデータなどはそのままの状態でOSだけを入れ直す方法です。
この言葉は、「上書きインストール」や「アップグレードインストール」とも呼ばれ、既存の環境などを削除して新しい版を導入する「クリーンインストール」と対になる行為です。
アップグレードの対義語
アップグレードの対義語・反対語としては、新版のソフトウェアではなく旧版のソフトウェアに入れ替えることを意味する「ダウングレード」があります。
アップグレードの類語
アップグレードの類語・類義語としては、弊害を除き去って全く新しいものにすることを意味する「刷新」、旧来の制度や方法などを改めて新しくすることを意味する「革新」、悪い点や不都合な点を改めて正すことを意味する「是正」などがあります。
アップデートの意味
アップデートとは
アップデートとは、ソフトウェアの内容をより新しいものに変更することを意味しています。
表現方法は「LINEをアップデートする」「iPhoneをアップデートする」
「LINEをアップデートする」「iPhoneをアップデートする」などが、アップデートを使った一般的な言い回しです。
アップデートを使った言葉として、「ローリングアップデート」「ファームウェアアップデート」があります。
「ローリングアップデート」の意味
一つ目の「ローリングアップデート」とは、稼働しているシステムを完全に停止させるのではなく、徐々に新しいものに変更して入れ替えていく方式を指す言葉です。
「ファームウェアアップデート」の意味
二つ目の「ファームウェアアップデート」とは、基本的な制御を行うために記憶装置などに組み込まれたファームウェアの内容を、新しいものに変更することを指す言葉です。カメラ、スマートフォン、パソコンなどが対象となります。
アップデートの類語
アップデートの類語・類義語としては、新しく改めることを意味する「更新」、悪いところを改めてよくすることを意味する「改善」、不備や悪い点を改めてよくすることを意味する「改良」などがあります。
バージョンアップの意味
バージョンアップとは
バージョンアップとは、ハードウェアやソフトウェアの性能や機能を改良もしくは向上させることを意味しています。
英語表記にすると「version up」となり、「version」という単語も版を意味しますが、バージョンアップという言葉は和製英語のため英語圏では使われることはありません。
しかし、日本ではアップグレードやグレードアップよりも、バージョンアップという言葉の方がシステム関連の言葉としては多く使われています。
表現方法は「Androidをバージョンアップする」「OSをバージョンアップする」
「Androidをバージョンアップさせる」「OSをバージョンアップさせる」などが、バージョンアップを使った一般的な言い回しです。
バージョンアップを使った言葉として、「マイナーバージョンアップ」「メジャーバージョンアップ」があります。
「マイナーバージョンアップ」の意味
一つ目の「マイナーバージョンアップ」とは、コンピューター内のハードウェアやソフトウェアの性能や機能などを少しだけ改良したり向上することを指す言葉です。
「メジャーバージョンアップ」の意味
二つ目の「メジャーバージョンアップ」とは、上記マイナーバージョンアップと同じようにハードウェアやソフトウェアの性能や機能を改良することを指しますが、こちらは大きな変更を伴うものに対して使われる言葉です。
バージョンアップの類語
バージョンアップの類語・類義語としては、事物が進歩してより優れたものや複雑なものになることを意味する「進化」、程度の高い状態にすることを意味する「高度化」、機能がより高度に発揮されるようになることを意味する「発達」などがあります。
アップグレードの例文
この言葉がよく使われる場面としては、等級や品質を上げることを意味する時などが挙げられます。
例文1のアップグレードは、アップデートやバージョンアップという言葉に置き換えて使うことができません。
アップデートの例文
この言葉がよく使われる場面としては、ソフトウェアの内容をより新しいものに変更することを意味する時などが挙げられます。
どの例文のアップデートも、バージョンアップに置き換えて使うことができますが、各メーカーなどによって定義は左右されます。
無償のものを有償に変更するわけでなければ、アップグレードを使ってしまうとニュアンスが変わってしまう場合があります。
バージョンアップの例文
この言葉がよく使われる場面としては、ハードウェアやソフトウェアの性能や機能を改良もしくは向上させることを意味する時などが挙げられます。
どの例文のバージョンアップも、アップグレードやアップデートに置き換えて使うことができますが、各メーカーなどによって定義は左右されます。
アップグレードとアップデートとバージョンアップどれを使うか迷った場合は、等級を上げる場合は「アップグレード」を、一部を変更する場合は「アップデート」を、全体を改良する場合は「バージョンアップ」を使うと覚えておけば間違いありません。