似た読み方の「厳か」(読み方:おごそか)と「疎か」(読み方:おろそか)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「厳か」と「疎か」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。
「厳か」と「疎か」の違い
「厳か」と「疎か」の意味の違い
「厳か」と「疎か」の違いを分かりやすく言うと、「厳か」とは重々しく厳めしいこと、「疎か」とはいい加減にすませたり軽く扱ったりして真面目に取り組まないことという違いです。
「厳か」と「疎か」の使い方の違い
一つ目の「厳か」を使った分かりやすい例としては、「厳かに式が進んでいきました」「厳かな雰囲気で送別会が執り行われました」「厳かな人は近寄りにくいです」「厳かに式典が営まれました」「彼女は厳かに開会を宣言しました」などがあります。
二つ目の「疎か」を使った分かりやすい例としては、「ゲームに夢中で勉強が疎かになる」「睡眠を疎かにしてると体調を崩しますよ」「お酒が好きなのでダイエットが疎かになることが多い」「警告を疎かにした人々は災害に遭遇しました」などがあります。
「厳か」と「疎か」の使い分け方
「厳か」と「疎か」は発音がとても似ている言葉ですが、意味は全く異なっているので間違えないように注意しましょう。
「厳か」は重々しく厳めしいことや礼儀正しく近寄りにくいことを意味しており、「厳かな雰囲気で結婚式が執り行われる」「会場が厳かな雰囲気になる」などの使い方をします。
一方、「疎か」はいい加減にすませたり軽く扱ったりして真面目に取り組まないことを意味しており、「遊びに夢中で学業が疎かになる」「仕事ばかりで家事と育児を疎かにしていたら妻に家を出て行かれた」などマイナスなイメージで使う言葉です。
「厳か」と「疎か」の英語表記の違い
「厳か」を英語にすると「solemn」「solemnly」となり、例えば上記の「彼女は厳かに開会を宣言しました」を英語にすると「In a solemn tone she declared the meeting open」となります。
一方、「疎か」を英語にすると「negligent」となり、例えば上記の「警告を疎かにした人々は災害に遭遇しました」を英語にすると「Those who negligent the warning met with disaster」となります。
「厳か」の意味
「厳か」とは
「厳か」とは、重々しく厳めしいことを意味しています。
表現方法は「厳かな人」「厳かになる」「厳かに過ごす」
「厳かな雰囲気」「厳かな人」「厳かになる」「厳かに過ごす」などが、「厳か」を使った一般的な言い回しになります。
「厳か」の読み方
「厳か」の読み方は「おごそか」です。誤って「げんか」と読まないようにしましょう。
「厳か」の使い方
「厳か」を使った分かりやすい例としては、「厳かに儀式を執り行いました」「中学の卒業式は厳かな雰囲気の中行われました」「あの神社は神聖で厳かな空気に包まれています」「私は厳かな人が苦手です」などがあります。
「厳か」は重々しく厳めしいことや礼儀正しく近寄りにくいことを意味しており、結婚式、入学式、卒業式、神社などの神聖な雰囲気が求められている場面で使う言葉です。
また、「厳かな人」「厳かな音楽」「厳かな話し方」などのように、人の態度や話し方、音楽を表現する時にも使うことができます。
「厳か」の類語
「厳か」の類語・類義語としては、厳かで心が引き締まることを意味する「厳粛」、威厳をもって物事を行うことを意味する「粛粛」、動かしがたい威厳のあることを意味する「厳然」(読み方:げんぜん)などがあります。
「疎か」の意味
「疎か」とは
「疎か」とは、いい加減にすませたり軽く扱ったりして真面目に取り組まないことを意味しています。
表現方法は「疎かにしない」「疎かになりがち」「疎かになる」
「疎かにしない」「疎かになりがち」「疎かになる」「疎かにする」などが、「疎か」を使った一般的な言い回しになります。
「疎か」の使い方
「疎か」を使った分かりやすい例としては、「気を付けてはいるものの苦手なことはつい疎かになってしまう」「話しに夢中になってしまい食べるのが疎かになりました」「日頃の仕事が疎かになっているので気合を入れ直そう」などがあります。
「疎か」はいい加減にすませたり軽く扱ったりして真面目に取り組まないことを意味する言葉です。同じ漢字を用いた「疎か」(読み方:おろか)と混同しないようにしましょう。
別の言葉である「おろか」とは言うまでもないことであることを意味しており、「彼は掃除はおろか布団もあげたこともない」「このままでは就職はおろか卒業さえ危うい」「私の家の周りにはスーパーはおろかコンビニさえもない」などのように使います。
また、「おろか」の場合は「疎か」ではなく平仮名の「おろか」の方を使うのが一般的と覚えておきましょう。
「疎か」は何か一つのことに集中していると他のことがいい加減になる場合によく使われています。そのため、どちらかとうとマイナスなイメージを持っている言葉です。
「疎か」の類語
「疎か」の類語・類義語としては、いい加減にしておくこと意味する「等閑」(読み方:なおざり)、 物事をいい加減にしておくことを意味する「忽せ」(読み方:ゆるがせ)などがあります。
「厳か」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、重々しく厳めしいことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「厳か」は神聖な雰囲気に対して使われている言葉です。
「疎か」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、いい加減にすませたり軽く扱ったりして真面目に取り組まないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「疎か」はマイナスなイメージで使われることが多い言葉です。
「厳か」と「疎か」は発音が似ている言葉ですが意味は全く異なっています。重々しく厳めしいことを表現したい時は「厳か」を、いい加減にすませたり軽く扱ったりして真面目に取り組まないことを表現したい時は「疎か」を使うと覚えておきましょう。