似た意味を持つ「憤慨」(読み方:ふんがい)と「憤怒」(読み方:ふんど)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「憤慨」と「憤怒」という言葉は、どちらも「強い怒りの気持ち」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
憤慨と憤怒の違い
憤慨と憤怒の意味の違い
憤慨と憤怒の違いを分かりやすく言うと、憤慨とは動詞として使用され、憤怒とは名詞として使用されるという違いです。
憤慨と憤怒の使い方の違い
一つ目の憤慨を使った分かりやすい例としては、「憤慨した態度でドアをバタンと閉める」「彼女に嘘をつかれて憤慨する」「あらぬ疑いに憤慨しています」「政府は何をしているのかと憤慨してしまう」などがあります。
二つ目の憤怒を使った分かりやすい例としては、「思わず憤怒の叫び声をあげてしまった」「憤怒の形相で睨まれる」「憤怒痙攣は乳幼児期に起こりやすい」「とうとう耐え切れずに憤怒の拳を振り上げた」などがあります。
憤慨と憤怒の使い分け方
憤慨と憤怒という言葉は、どちらも激しい怒りや、非常に腹を立てることを表しますが、厳密な意味や使い方には違いがあります。
憤慨とは、いきどおり嘆くことを意味し、非常に腹を立てている状態を表します。特に、不公平な事柄や理不尽な行為などに対して、強く怒りを覚える時に用いられる言葉です。「憤慨する」という言い回しで、動詞として使用されることがほとんどです。
憤怒とは、激しく怒ることを意味し、怒りの感情をたかぶらせている様子を表します。「憤怒の形相」「憤怒の拳」のような使い方で、名詞として用いられる言葉です。
つまり、憤慨は動詞として使うことが多い言葉であり、憤怒は名詞として使用されることが多くあります。また、憤慨には正当な怒りのニュアンスを持ち、憤怒は激しい怒り全般を表します。これらが、二つの言葉の明確な違いになります。
憤慨と憤怒の英語表記の違い
憤慨を英語にすると「resentment」「indignation」となり、例えば上記の「憤慨した態度で」を英語にすると「in an indignant manner」となります。
一方、憤怒を英語にすると「anger」「rage」となり、例えば上記の「憤怒の叫び声」を英語にすると「a cry of rage」となります。
憤慨の意味
憤慨とは
憤慨とは、ひどく腹を立てることを意味しています。
憤慨の読み方
憤慨の読み方は「ふんがい」です。誤って「ふんかい」「ふんぎ」などと読まないようにしましょう。
憤慨の使い方
憤慨を使った分かりやすい例としては、「理不尽な嫌がらせに憤慨する」「英語の先生は憤慨して教室を出て行った」「嘘つき呼ばわりされて憤慨を覚える」「血税の使い方に国民は憤慨している」などがあります。
その他にも、「友人の自分勝手な言動に憤慨する」「旅行中に起きたトラブルに憤慨した」「憤慨した表情の女性のイラストを探しています」「だらしないお金の使い方に憤慨しています」などがあります。
憤慨の「憤」は訓読みで「いきどおる」と読み、激しく腹を立てることを表し、「慨」は憂えて怒りの感情をたかぶらせることを表します。憤慨とは、いきどおり嘆くことであり、不正や卑劣な行為などに対して非常に腹を立てることを意味する言葉です。
「憤慨する」「憤慨を覚える」の意味
憤慨を用いた慣用的な表現には、「憤慨する」「憤慨を覚える」があります。道理に外れたことや、礼儀を欠くことなどに対して激しく怒ることを「憤慨する」と表現します。「憤慨を覚える」は、怒りの感情を控え目に表現したい時に使用されています。
憤慨の対義語
憤慨の対義語・反対語としては、怒りを抑えて人の過ちを許すことを意味する「堪忍」、心が広くて人の言動を受け入れることを意味する「寛容」、態度や気持ちが落ち着いていることを意味する「平静」などがあります。
憤慨の類語
憤慨の類語・類義語としては、憂い嘆くことや憤り嘆くことを意味する「慨嘆」、世間の悪しき風潮や社会の不正などを怒り嘆くことを意味する「慷慨」、悲しみ憤ることを意味する「悲憤」、激しく憤ることやひどく怒ることを意味する「憤激」などがあります。
憤怒の意味
憤怒とは
憤怒とは、ひどく怒ることを意味しています。
憤怒は「忿怒」とも表記可能
憤怒は「忿怒」とも書き表すことができますが、一般的には常用漢字を用いた「憤怒」と表記されています。
憤怒の読み方
憤怒の読み方は、「ふんど」と「ふんぬ」の二通りあります。どっちも正しい読み方ですが、「ふんど」と読まれることの方が多くなっています。
憤怒の使い方
憤怒を使った分かりやすい例としては、「相次ぐ増税に市民から憤怒の声があがっている」「不誠実な態度に憤怒する」「憤怒をつかさどる悪魔の存在を信じています」「彼女の背信行為に憤怒の炎を燃やす」などがあります。
その他にも、「憤怒は七つの大罪の一つです」「憤怒の魔女のような形相で怒り出した」「英語の先生は憤怒で顔を赤らめている」「赤ちゃんが憤怒けいれんを起こしている」「憤怒調節障害について調べています」などがあります。
憤怒とは、激しい勢いで怒ることを意味する言葉です。「憤」と「怒」は、どちらも怒りの感情を表す漢字であり、憤怒は強い怒りの気持ちを表します。「憤怒の声」「憤怒の形相」「憤怒の炎」など、名詞として用いられることがほとんどです。
憤怒は、キリスト教における「七つの大罪」の一つです。七つの大罪とは、諸々の罪の根源とされる七つの悪しき感情や欲望を指す言葉であり、「傲慢」「嫉妬」「憤怒」「怠惰」「強欲」「暴食」「色欲」をいいます。
憤怒の対義語
憤怒の対義語・反対語としては、穏やかで優しく真面目なさまを意味する「温厚」、性質や態度がもの柔らかであることを意味する「柔和」、他人の過失や要求などを許してやることを意味する「勘弁」などがあります。
憤怒の類語
憤怒の類語・類義語としては、激しく怒ることを意味する「激怒」、感情がひどく高ぶることやひどく怒ることを意味する「激昂」、激しく怒ることや天子の怒りを意味する「震怒」、目上の人を激しく怒らせることを意味する「逆鱗に触れる」などがあります。
憤慨の例文
この言葉がよく使われる場面としては、ひどく腹を立てること、けしからぬ事に対して憤り嘆くことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、憤慨という言葉は、「憤慨する」のような使い方で動詞として使用されることが多くあります。
憤怒の例文
この言葉がよく使われる場面としては、激しく怒ることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、憤怒という言葉は、「憤怒の形相」「憤怒の顔」のような使い方で名詞として使用されることが多くあります。
憤慨と憤怒という言葉は、どちらも「強い怒りの気持ち」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、動詞として使用したい時は「憤慨」を、名詞として使用したい時は「憤怒」を使うようにしましょう。