似た意味を持つ「アルバイト」と「パート」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「アルバイト」と「パート」という言葉は、「短時間の労働」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
アルバイトとパートの違い
アルバイトとパートの意味の違い
アルバイトとパートの違いを分かりやすく言うと、アルバイトは学業や本業のかたわらで行う労働を表現する時に使い、パートは家事や育児のかたわらで行う労働を表現する時に使うという違いです。
アルバイトとパートの使い方の違い
一つ目のアルバイトを使った分かりやすい例としては、「アルバイトをするのは校則で禁止されている」「今月は毎週土曜日曜はアルバイトの予定が入っている」「学業を疎かにしてまでアルバイトをするものではない」などがあります。
二つ目のパートを使った分かりやすい例としては、「パートで働くようになってから夕方には眠くなってしまう」「育児と両立できるようパート先が色々と融通してくれている」「この職場のパートさんたちの多くはお弁当を持参している」などがあります。
アルバイトとパートの使い分け方
アルバイトとパートはどちらも、短時間働くことを表す言葉ですが、若干使い方が異なる場合があります。
アルバイトは、本業のかたわらで行う仕事や内職を指す言葉で、働く期間が限定されている形態や、その区分で働く人たちを表します。学業を修める学生労働者に対して多く使われています。
一方のパートは、企業所定の労働時間よりも短い勤務制度や、その制度に則って働く労働者を指す言葉です。他にも、全体の中の一部という意味でも使われています。
これら二つの言葉に法的な違いはないため同じ使い方をしても全く問題はなく、「パートタイム労働法」が定められていることから、どちらもパートタイム労働者に分類されます。
しかし一般的には、アルバイトが学業や他の仕事と並行して行われるものでも労働時間は正社員と同じくらい長いこともあり、パートは家事や育児と並行して行われるもので労働時間は正社員よりも短いと認識されていることが多いです。
また、アルバイトは雇用期間が短く、パートは雇用期間が長いといった区分を設けている企業もあるようです。
アルバイトとパートの英語表記の違い
アルバイトもパートも英語にすると「part-time」「a part-time job」となり、例えば上記の「アルバイトをする」や「パートで働く」を英語にすると「work part-time」となります。
アルバイトの意味
アルバイトとは
アルバイトとは、本業のかたわらで行う仕事を意味しています。
表現方法は「アルバイトをする」「アルバイトを辞める」「アルバイトを探す」
「アルバイトをする」「アルバイトを辞める」「アルバイトを探す」などが、アルバイトを使った一般的な言い回しです。
アルバイトの使い方
アルバイトを使った分かりやすい例としては、「アルバイトを卒業して正社員として迎えてもらうことになった」「アルバイトとして新しく入ってきた子に業務を教える」「アルバイトの求人情報は店頭にもチラシが置いてある場合もある」などがあります。
その他にも、「夏休み中にアルバイトでお金を稼いで就職活動の交通費などに使いたい」「アルバイトをし過ぎて確定申告が必要になった」「アルバイトをすると親に言ったら103万の壁の話をされた」などがあります。
アルバイトはドイツ語の「Arbeit」が語源となった言葉で、期間が限定された労働契約やその労働者を指す言葉として日本や韓国で使われています。「バイト」と省略されることや、アルバイトをする人を「アルバイター」と呼ぶなど多くの場面で使われています。
今日では、期間が限定されていない人もアルバイトとして扱われることがあり、契約社員、やパートタイムと同じような意味で使われていますが、企業によって定義が異なる場合がありますが、どの区分であっても労働者の権利は正社員と同じように有しています。
「バイトテロ」の意味
アルバイトに関する言葉として「バイトテロ」があります。これは、アルバイトによるテロ行為を省略した言葉で、アルバイト従業員が職場にて迷惑行為を行う様子を撮影して、SNSに投稿して不祥事を起こすことを指す言葉です。
アルバイトの対義語
アルバイトの対義語・反対語としては、収入や身分などが保障された臨時ではない職業を意味する「定職」があります。
アルバイトの類語
アルバイトの類語・類義語としては、定職につかずにアルバイトなどで生活費を稼ぐ人を意味する「フリーター」、本業の傍らで行う別の仕事を意味する「サイドワーク」、収入を得るための本職とは別の仕事を意味する「内職」などがあります。
パートの意味
パートとは
パートとは、企業所定の労働時間よりも短い勤務制度を意味しています。
その他にも、全体を構成する一つの部分や、ある仕事の中での役割も意味します。
表現方法は「パートに求めすぎ」「パートが続かない」「パートが多い会社」
「パートに求めすぎ」「パートが続かない」「パートが多い会社」などが、パートを使った一般的な言い回しです。
パートの使い方
「パート勤務を始めて早三か月で後輩が出来た」「条件を満たしていればパートでも有給などを取得できる」「主婦業にゆとりが出たら平日はパートとして働きたい」などの文中で使われているパートは、「短い労働時間制度」の意味で使われています。
一方、「最近聞いている曲のメインパートはどんな人の耳に残るだろう」「パート1の応用がパート2であるため設問も難しい」「バスパートの音域は自分には合わない」などの文中で使われているパートは、「全体のうちの一部」の意味で使われています。
パートは「パートタイム」「パートタイマー」の省略語
パートは「パートタイム」や「パートタイマー」の略語として使われている言葉です。短時間勤務や短時間勤務する人を表し、英語では「part-time」と表記されます。
パート従業員のことを「パートナー」と呼ぶこともある
また、パート従業員のことを「パートナー」と呼ぶこともありますが、「part」が人を表す接尾語を伴い「partner」という語に派生し、この言葉が協力者や仲間を意味することに由来して定着した呼び方です。
その他、「part」には、全体を構成する一つの部分、重要な部分、役割や役目という意味があります。そのため、上記例文の「メインパート」「パート1」などのように、日本語でも同じように使われています。
パートの対義語
パートの対義語・反対語としては、全部の時間や常勤を意味する「フルタイム」があります。
パートの類語
パートの類語・類義語としては、日数や時間数を限って勤務することを意味する「非常勤」、手間賃を取ってする仕事を意味する「手間仕事」、臨時に特定の期間だけ雇い入れることを意味する「臨時雇い」などがあります。
アルバイトの例文
この言葉がよく使われる場面としては、本業のかたわらで行う仕事を意味する時などが挙げられます。
どの例文のアルバイトも、パートという言葉に置き換えて使うことができ、例文2や例文5のように人を意味する言葉であれば。アルバイターやパートナーという言葉にも置き換えて使うことができます。
パートの例文
この言葉がよく使われる場面としては、企業所定の労働時間よりも短い勤務制度を意味する時などが挙げられます。
例文4や例文5のように、全体のうちの一部を意味する言葉としても使われています。
アルバイトとパートは、どちらも「短時間の労働」を表します。どちらを使うか迷った場合は、学業や本業のかたわらで行う労働を表す場合は「アルバイト」を、家事や育児のかたわらで行う労働を表す場合は「パート」を使うと覚えておけば間違いありません。