似た意味を持つ「あくまでも」と「あくまで」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「あくまでも」と「あくまで」という言葉は、どちらも物事を最後までやり通すことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「あくまでも」と「あくまで」の違い
「あくまでも」と「あくまで」の意味の違い
「あくまでも」と「あくまで」の違いを分かりやすく言うと、「あくまでも」は「あくまで」を強調した言葉という違いです。
「あくまでも」と「あくまで」の使い方の違い
一つ目の「あくまでも」を使った分かりやすい例としては、「あくまでも自説を貫くつもりです」「あくまでも希望ですが来週の月曜日お休みをいただきたいです」「あくまでも私は謝るつもりはありません」「彼女はあくまでも否定しました」などがあります。
二つ目の「あくまで」を使った分かりやすい例としては、「あくまで噂ですが、数年以内にこの辺りに新しい駅ができるらしいです」「この件に関してはあくまで解決を目指しています」などがあります。
「あくまでも」と「あくまで」の使い分け方
「あくまでも」と「あくまで」はどちらも物事を最後までやり通すことやある一定の範囲に限定することを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「あくまでも」は「あくまで」を強調した表現という点です。
分かりやすい例を挙げると、「課長が退社するのはあくまで噂です」よりも「課長が退社するのはあくまでも噂です」とした方が、噂なので気にしなくて良いという意味が強調されています。
「あくまでも」と「あくまで」の英語表記の違い
「あくまでも」も「あくまで」も英語にすると「to the end」「persistently」「only」となり、例えば上記の「彼女はあくまでも否定しました」を英語にすると「She persistently refused to admit it」となります。
「あくまでも」の意味
「あくまでも」とは
「あくまでも」とは、物事を最後までやり通すことを意味しています。その他にも、ある一定の範囲に限定することやどこまでも続くことの意味も持っています。
表現方法は「あくまでも噂」「あくまでも目安」「あくまでも個人の感想」
「あくまでも噂」「あくまでも目安」「あくまでも個人の感想」「あくまでも〇〇にすぎない」などが、「あくまでも」を使った一般的な言い回しになります。
「あくまでも」の漢字表記
「あくまでも」を漢字にすると、「飽く迄も」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、平仮名の「あくまでも」を使うようにしましょう。
「あくまでも」の使い方
「私はあくまでも結果にこだわり続けます」「私たちはあくまでも優勝を目指している」などの文中で使われている「あくまでも」は、「物事を最後までやり通すこと」の意味で使われています。
一方、「あくまでも私個人の意見なのでそんなに気にしないでください」「この先にはあくまでも青い海が広がっている」などの文中で使われている「あくまでも」は、「ある一定の範囲に限定することやどこまでも続くこと」の意味で使われています。
「あくまでも」は、動詞「飽く」の連体形に副助詞の「まで」と助詞の「も」が合わさった言葉です。また、複数の意味を持ていますが、意味によって使う場面が異なっています。
一つ目の物事を最後までやり通すことの意味は、徹底的にというニュアンスで使い絶対に貫き通すという強い意志を表現する場合に使います。
二つ目のある一定の範囲に限定することの意味は、「あくまでも噂ですが」「あくまでも目安ですが」「あくまでも私の意見ですが」などの言い回しで、日常生活やビジネスシーンにおいてよく使われており、一番馴染みのある意味です。
三つ目のどこまでも続くことの意味はあまり使われていない表現になります。また、「あくまでも青い海」という表現は「どこまでも青い海」と「どこまでも」に置き換えて使うことも可能です。
「あくまでも」自体は敬語表現ではありませんが、堅い表現なのでビジネスシーンにおいて目上の人に対して使うことができます。その場合は「あくまでも〇〇ですが」「あくまでも〇〇にすぎませんが」などのように、後ろの文章を敬語表現にする必要があります。
「あくまでも」の類語
「あくまでも」の類語・類義語としては、どこまでも一貫して行うことを意味する「徹底的に」、どんなことがあってものことを意味する「何が何でも」、最初から最後までのことを意味する「徹頭徹尾」(読み方:てっとうてつび)などがあります。
「あくまで」の意味
「あくまで」とは
「あくまで」とは、物事を最後までやり通すことを意味しています。その他にも、ある一定の範囲に限定することやどこまでも続くことの意味も持っています。
表現方法は「これはあくまで」「あくまで個人の見解です」「あくまで噂」
「これはあくまで」「あくまで個人の見解です」「あくまで噂」などが、「あくまで」を使った一般的な言い回しになります。
「あくまで」の漢字表記
「あくまで」を漢字にすると、「飽く迄」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、平仮名の「あくまで」を使うようにしましょう。
「あくまで」の使い方
「私はあくまでやり遂げるつもりです」「彼はあくまで東京大学に行くつもりです」などの文中で使われている「あくまで」は、「物事を最後までやり通すこと」の意味で使われています。
一方、「あくまで目安なので好みで調整すればいいだろう」「目の前にはあくまで青い空が広がっている」などの文中で使われている「あくまで」は、「ある一定の範囲に限定することやどこまでも続くこと」の意味で使われています。
「あくまで」は、動詞「飽く」の連体形に副助詞の「まで」が合わさった言葉です。
「あくまで」は複数の意味を持つ言葉ですが、日常生活やビジネスシーンにおいて使われているのはある一定の範囲に限定することの意味になります。
「あくまで」の類語
「あくまで」の類語・類義語としては、頑なに人の言うことを受け入れないことを意味する「頑として」、 どうやってでものことを意味する「何としても」、中途半端でなく一貫していることを意味する「徹底して」などがあります。
「あくまでも」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事を最後までやり通すことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、ある一定の範囲に限定することやどこまでも続くことを表現したい時にも使います。
例文1と例文2の「あくまでも」は物事を最後までやり通すこと、例文3と例文4の「あくまでも」はある一定の範囲に限定すること、例文5の「あくまでも」はどこまでも続くことの意味で使っています。
「あくまで」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事を最後までやり通すことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、ある一定の範囲に限定することやどこまでも続くことを表現したい時にも使います。
例文1の「あくまで」は物事を最後までやり通すこと、例文2から例文4の「あくまで」はある一定の範囲に限定すること、例文5の「あくまで」はどこまでも続くことの意味で使っています。
「あくまでも」と「あくまでは」はどちらも物事を最後までやり通すことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「あくまでも」は「あくまで」を強調した言葉と覚えておきましょう。