【すべき】と【するべき】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「すべき」と「するべき」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「すべき」と「するべき」という言葉は、どちらも行なった方が良いことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「すべき」と「するべき」の違い

「すべき」と「するべき」の意味の違い

「すべき」と「するべき」の違いを分かりやすく言うと、「すべき」は一般的に好まれている表現、「するべき」は一般的に好まれていない表現という違いです。

「すべき」と「するべき」の使い方の違い

一つ目の「すべき」を使った分かりやすい例としては、「無責任な発言はすべきではない」「学生なら遊んでばかりいないで勉強すべきだ」「避難警報が発令されたらすぐに避難すべきだ」などがあります。

二つ目の「するべき」を使った分かりやすい例としては、「採算が取れない事業は撤退するべきだ」「彼の取った行動は非難するべきです」「自分がやられて嫌なことを他人にするべきではありません」「あなたは適切な発言をするべきだ」などがあります。

「すべき」と「するべき」の使い分け方

結論から言ってしまうと、「すべき」と「するべき」はどちらも同じ意味、同じ使い方をする言葉で、好きな方を使って問題ありません。あえて違いを挙げるならば、「すべき」の方が「するべき」よりも好まれており、一般的に使われているという点です。

前述した通り意味や使い方に違いはないので、好きな方使って大丈夫と覚えておきましょう。ただし、一つの文章において「すべき」と「するべき」を混同させるのは好ましくなくないので、どちらか片方に統一するのが適しています。

また、新聞においては「す」と「べき」はどちらも文語形で揃っているので「すべき」の方が採用されています。ちなみに「する」は現代口語形です。

「すべき」と「するべき」の英語表記の違い

「すべき」も「するべき」も英語にすると「should do」「You had better do」となり、例えば上記の「あなたは適切な発言をするべきだ」を英語にすると「You should say something appropriate」となります。

「すべき」の意味

「すべき」とは

「すべき」とは、行なった方が良いことを意味しています。

表現方法は「すべきだ」「すべきです」「すべきこと」

「すべきだ」「すべきです」「すべきこと」などが、「すべき」を使った一般的な言い回しになります。

「すべき」の使い方

「すべき」を使った分かりやすい例としては、「彼女を厳罰に処すべきだ」「挨拶をされたならきちんと返すべきだ」「約束はきちんと果たすべきだと思います」「若い頃は苦労すべきだとおじいちゃんから言われました」などがあります。

その他にも、「風邪が流行っているので家に帰ったら手洗いうがいをすべきだ」「私には解決すべき課題がたくさんある」「昨日は夜更かしすべきではなかった」「ゴミの分別はきちんとすべきだ」などがあります。

「すべき」はある事の動作や行為などを行うことを意味する「す」に、するのが良いことを意味する助動詞「べし」の連体形「べき」が合わさり、行なった方が良いことの意味で使われている言葉です。

「すべき」はビジネスシーン、日常生活など様々な場面で使うことができます。また、「すべき」を「すべきでない」と否定形にすることによって、行なわない方が良いという意味になります。

「すべき」の類語

「すべき」の類語・類義語としては、どうしてもしなければならないことを意味する「する必要がある」、ある行為をしなければならにことを意味する「為すべき」などがあります。

「するべき」の意味

「するべき」とは

「するべき」とは、行なった方が良いことを意味しています。

表現方法は「するべきです」「するべきこと」「するべきところ」

「するべきです」「するべきこと」「するべきところ」「するべきだ」などが、「するべき」を使った一般的な言い回しになります。

「するべき」の使い方

「するべき」を使った分かりやすい例としては、「あなたは少なくとも謝罪するべきだと私は思います」「人を見た目で判断するべきではありません」「お年寄りには親切にするべきだ」「あなたはもっと家族を大切にするべきだ」などがあります。

その他にも、「ここは違う方法を選択するべきだ」「あなたにもっと早く連絡するべきでした」「負けて後悔するくらいならもっと練習するべきだった」「試験に合格したいのならきちんと勉強するべきです」などがあります。

「するべき」はある事の動作や行為などを行うことを意味する「する」に、するのが良いことを意味する助動詞「べし」の連体形「べき」が合わさり、行なった方が良いことの意味で使われている言葉です。

「するべき」はビジネスシーン、日常生活など様々な場面で使うことができます。また、「するべき」を「するべきでない」と否定形にすることによって、行なわない方が良いという意味になります。

「するべき」の類語

「するべき」の類語・類義語としては、やらなくてはならないことを意味する「しなければならない」があります。

「すべき」の例文

1.大雪の影響で道が滑りやすくなっているので、車の運転は十分に注意すべきだ。
2.これ以上太ったら危険なので、ダイエットすべきだとお医者さんに言われました。
3.大学入学共通テストでカンニングばバレて受験資格剥奪となってしまった。こんな馬鹿なことはすべきではなかったと反省しています。
4.電車やバスなどの公共交通機関の中では静かにすべきです。
5.爆破テロの予告があったので、本日のサミットを中止すべきだ。
6.誤って別の鈴木さんにメールを送ってしまいました。急いでいたとはいえアドレスを最後まで確認すべきでした。
7.今回のトラブルは、報告すべきことを怠ったゆえに起きたもの、初歩的な人為的ミスだという認識はあるんでしょうか。
8.タスクがたくさんある時は、仕事に取り掛かる前にすべきこととすべきでないことを書き出すようにしている。
9.いくら言論の自由が保障されていようとも無責任な発言すべきでないし、人を傷つける発言は慎むべきだ。
10.君はまだ若いのだから、現状に満足すべきでない。もっと高い目標を掲げて果敢に挑戦すべきだ。

この言葉がよく使われる場面としては、行なった方がいいことを表現したい時などが挙げられます。

例文3のように、「すべきではない」と否定形にすることによって、行わない方が良かったという意味で使うことができます。

「するべき」の例文

1.会社側は事の経緯を十分に説明するべきだと、私は思います。
2.このチームのレギュラーとして試合に出たいのなら、もっと練習するべきだ。
3.日本政府は弾道ミサイルを発射する国を、もっと非難するべきです。
4.大学の入試試験に落ちて、もっと勉強するべきだったと後悔しています。
5.オリンピックを無観客で開催するのなら、中止するべきだと私は思います。
6.友人は多くの人を巻き込んで迷惑をかけたのだから謝罪するべきなのに、こともあろうにまわりに責任転嫁をしてきたのだ。
7.あなたはかれらの格好を見て笑っているようだが、そもそも人を見た目で判断するべきではありませんよ。
8.試験結果が良くなかったことを嘆いている暇があるなら、今からでも遅くはないので真面目に勉強をするべきではないですか。
9.コンクールは楽勝だと思っていたが、まさか入賞を逃すとは思わなかった。こんなことになるならもっと練習するべきだったと後悔している。
10.昨今多様性が叫ばれる世の中だが、日本文化の伝統も多様性のひとつとしてしっかりと継承するべきだと思います。

この言葉がよく使われる場面としては、行なった方が良いことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「するべき」は様々な場面で使うことができる言葉です。

「すべき」と「するべき」はどちらも行なった方が良いことを表します。どちらの言葉も意味や使い方は同じなため、好きな方を使って問題ないと覚えておきましょう。

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