似た日本語の「一役も二役も買う」(読み方:ひとやくもふたやくもかう)と「一役買う」(読み方:ひとやくかう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「一役も二役も買う」と「一役買う」という言葉は、間違えやすい日本語なのでご注意下さい。
「一役も二役も買う」と「一役買う」の違い
「一役も二役も買う」は「一役買う」の間違い
「一役も二役も買う」と「一役買う」の違いを分かりやすく言うと、「一役も二役も買う」とは「一役買う」の間違った使い方、「一役買う」とは一つの仕事の中である役割を進んで引き受けることです。
「一役も二役も買う」は誤字
一般的には「一役も二役も買う」という言葉は存在しません。言葉が似ていることから、「一役買う」のことを間違えて「一役も二役も買う」を使っている人がほとんどです。
「一役買う」は正しい日本語
正しい言葉である「一役買う」を使った分かりやすい例としては、「新党結成に一役買うことにしました」「喧嘩の仲裁役として一役買って出ました」「脱税の隠蔽工作に一役買う」「那覇空港は沖縄の活性化に一役買うことを期待されています」などがあります。
「一役買う」という言葉はあっても、「一役も二役も買う」という言葉は存在しません。同時に「一役買う」という単語の意味について「一つの仕事の中である役割を進んで引き受けること」と覚えておきましょう。
「一役買う」の英語表記
「一役買う」を英語にすると「help」「contribute to」となり、例えば上記の「那覇空港は沖縄の活性化に一役買うことを期待されています」を英語にすると「It is hoped Naha Airport will help revitalize the okinawa」となります。
「一役も二役も買う」の意味
「一役も二役も買う」とは
「一役も二役も買う」とは、「一役買う」の間違った使われ方です。
「一役も二役も買う」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。言葉が似ているため、「一役買う」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。
「一役も二役も買う」と間違えやすい理由
「一役も二役も買う」と「一役買う」をなぜ間違えてしまうのかというと、一つの仕事の中である役割を進んで引き受けることを意味する「一役買う」をより強調しようとして、「二役」という言葉を付け加えてしまっていることが原因です。
また、「一役」は一つの役目や役割のことを意味しており、「二役」とすると二つの役目や役割という意味になってしまいます。そのため、「一役も二役も買う」としてしまうと、意味的にも少し違う言葉となるので、使わないように注意しましょう。
間違った言葉である「一役も二役も買う」の「役」を使った別の言葉としては、役として成しとげなければならない仕事のことを意味する「役目」、役目を割り当てることを意味する「役割」、その人にふさわしい役目のことを意味する「役所」などがあります。
「一役買う」の意味
「一役買う」とは
「一役買う」とは、一つの仕事の中である役割を進んで引き受けることを意味しています。
「一役買う」の読み方
「一役買う」の読み方は「ひとやくかう」です。誤って「いちやくかう」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「一役買って出る」「一役買うことになる」「一役買うだろう」
「一役買って出る」「一役買うことになる」「一役買うだろう」などが、「一役買う」を使った一般的な言い回しになります。
「一役買う」の使い方
「一役買う」を使った分かりやすい例としては、「飲み会の盛り上げ役として一役買うことにしました」「有名なスポーツ選手をCMで起用することで、宣伝効果アップに一役買う」「新製品の導入は業務の効率化に一役買う」「送別会の幹事として一役買うことになりました」などがあります。
「一役買う」は、一つの役目や役割のことを意味する「一役」に、進んで引き受けることを意味する「買う」が合わさり、一つの仕事の中である役割を進んで引き受けることを意味する慣用句です。
「一役買う」は「新規事業を成功させるために一役買う」のようにプラスのイメージだけではなく、「特殊詐欺に一役買う」のようにマイナスなイメージでも使うことができると覚えておきましょう。
また、「飲み会の盛り上げ役として一役買う」のように、「一役買う」の前に「役」という言葉を使ってしまうと二重表現になってしまうため、注意が必要です。もし、使いたいのであれば、「飲み会を盛り上げるのに一役買う」とするようにしましょう。
「一役買う」の類語
「一役買う」の類語・類義語としては、全体の中で一つの役割を引き受けることを意味する「一翼を担う」、計画に加わって協力することを意味する「片棒を担ぐ」、手助けをすることを意味する「力を貸す」、一つの役をになってある事柄に参加することを意味する「一枚噛む」などがあります。
「一役も二役も買う」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、「一役買う」という言葉を間違えて「一役も二役も買う」と表現している時などが挙げられます。
「一役も二役も買う」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「一役買う」を間違えて使っている可能性が高いです。
「一役も二役も買う」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「一役も二役も買う」ではなく、「一役買う」と表現するのが正しい使い方になります。
「一役買う」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、一つの仕事の中である役割を進んで引き受けることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「一役買う」はプラスとマイナスどちらのイメージでも使うことができる言葉です。
「一役も二役も買う」と「一役買う」どちらを使うか迷った場合は、「一役も二役も買う」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「一役買う」を使うようにしましょう。