【基盤】と【基板】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「きばん」という読み方の「基盤」と「基板」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「基盤」と「基板」という言葉は同音の言葉ですが、意味は大きく異なりますのでご注意下さい。




基盤と基板の違い

基盤と基板の意味の違い

基盤と基板の違いを分かりやすく言うと、基盤は物事の基礎を表現する時に使い、基板は電子機器設置のための板を表現する時に使うという違いです。

基盤と基板の使い方の違い

一つ目の基盤を使った分かりやすい例としては、「農林漁業などの基盤産業が活性化することで様々な経済に影響を与える」「彼の考えには社の基盤を形作ることができるほどの影響力があった」「作戦の基盤が崩壊してしまえば壊滅は間近だ」などがあります。

二つ目の基板を使った分かりやすい例としては、「プリント基板は医療機器や自動車などに使われているほど重要なものだ」「基板上の部品が破損したようで先日から機器の調子が悪い」「基板へのはんだ付けは集中力を使う」などがあります。

基盤と基板の使い分け方

基盤と基板はどちらも基という漢字を使う言葉で、何かの根本となるようなものを表しますが、示すものは大きく異なります。

基盤の盤という漢字は支えとなる土台を意味するため、基盤という言葉も物事の基礎や根本となるものを表します。

一方の基板は、何かの機能を実現するための部品を配置するための板を指し、パソコンなどの電子機器などにはほとんど搭載されており、スマートフォンなどの液晶画面にもガラス基板が使われています。

上記のように、基盤は物事の基礎を表し、基板は部品などの一部を表すため、これらの言葉は意味が大きく異なりますが、スマートフォンやパソコンなどにおける誤変換で多く間違えられている言葉です。

基盤と基板の英語表記の違い

基盤を英語にすると「base」「basis」となり、例えば上記の「基盤産業」を英語にすると「basic industry」となります。一方、基板を英語にすると「circuit board」となり、例えば上記の「プリント基板」を英語にすると「printed circuit board」となります。

基盤の意味

基盤とは

基盤とは、物事の基礎となる部分を意味しています。

表現方法は「基盤を作る」「基盤となる」「基盤を固める」

「基盤を作る」「基盤となる」「基盤を固める」などが、基盤を使った一般的な言い回しです。

基盤の使い方

基盤を使った分かりやすい例としては、「その民族の思想の基盤となったものにまず聖書が挙げられる」「過去の経験が自分の基盤を作り上げることに繋がるだろう」「ここ数十年で躍進した企業の基盤が築かれたのはずっと前である」などがあります。

その他にも、「彼の観察眼で得られたものが小説を執筆する際基盤となっている」「自らの基盤が揺らごうとも新しい考えは積極的に取り入れていくべきだと思う」「子どもたちは生活基盤となる家族を失えば一人で生きていくのが難しい」などがあります。

基盤という言葉は、盤という漢字に支えとなる土台という意味があるため、物事の土台や根拠となる物を意味する基という漢字と組み合わせて、物事の基礎や根本となるものを表します。

「共通語彙基盤」の意味

上記例文の「共通語彙基盤」とは、政府や地方自治体が公開するデータにおいて使われている語彙集を指す言葉です。これにより、分野だけでなく地域を超えた情報交換のために、互いに意味が通じるようになります。

例えば、救援物資依頼を行う際、オムツが必要であった場合に対象年齢が乳幼児なのか大人なのかで大きく変わります。実際に、震災が起きた時、「乳幼児用」と「大人用」の定義がなされていたことで、本当に必要とされているものが届けられました。

基盤の類語

基盤の類語・類義語としては、物事のおおもととなる部分を意味する「根底」、建築物の最下部で上の重みを支えるものを意味する「土台」、活動の足場となる重要な地点を意味する「拠点」、物事が成り立つ土台となるものを意味する「下地」などがあります。

基板の意味

基板とは

基板とは、電子機器の部品を配置するための板を意味しています。

基板の読み方

基板は「きばん」という読み方をしますが、「きいた」など他の読み方をすることはできません。

また、「きばん」という読み方をする「機番」や「起番」があることから、これらの言葉にパソコンやスマートフォンで誤変換されることが多く、混同されて使われていることがあります。中でも「基盤」という言葉と間違えられることがほとんどです。

表現方法は「基板を作る」「基板を起こす」「基板ができるまで」

「基板を作る」「基板を起こす」「基板ができるまで」などが、基板を使った一般的な言い回しです。

基板の使い方

基板を使った分かりやすい例としては、「電子回路基板は今日の電子機器にはほとんど使われている」「プリント基板の修理や改造を行うメーカーに問い合わせる」「ガラス基板はガラスウェハーとも呼ばれる」などがあります。

その他にも、「半導体基板の技術は年々発展しているように思える」「純正ではなく正規の基板を改造したものも出回っている」「基板自体が故障してしまったら完全に動かなくなるだろう」などがあります。

「プリント基板」の意味

上記例文の「プリント基板」は電子回路基板と同じものを指しますが、中でも硬いものをリジッド、柔軟性を持つものはフレキシブルと呼び区別しています。前者はパソコンやDVDなどの機器に内蔵され、後者はケーブルや機器内配線などとして内臓されています。

その他、上記例文の「ガラス基板」とは、ディスプレイが付いているスマートフォンやテレビなどの製品だけでなく、照明器具にも使われているなど馴染み深い部品です。

基盤の例文

1.基盤強化法のおかげで農地の売却の際に所得税の控除が行われたり、購入する側にもいくつかのメリットが存在する。
2.IT基盤に一度問題が出ると復旧までに時間が掛かるため、書類で物事を解決し押し進めていく方法を取ることも必要ではあるだろう。
3.セキュリティ基盤の構築は自社のみで行うよりも、専門業者に頼む方が効率的かつ強固なものになるのではないかと考える。
4.今日では様々なアプリが開発されるが、アプリケーション開発基盤が標準化されていれば、開発がスムーズに進むとされている。
5.技術基盤がより拡充されることで消費者の満足度も比例して向上するため、リピーターも付き、最終的に利益に繋がる。
6.私は非正規で働いているのでコロナの影響で勤務時間や収入が減った。生活基盤が十分でない私のような社会的弱者は先のことが不安でたまらない。
7.いくら君たちがいいアイデアを持っていても、まともな経営基盤がないのだから絵に描いた餅に過ぎないだろう。
8.この日本のような先進国でも、生活基盤が危うくろくに学校へ行けていない児童がいることをご存知だろうか。
9.与党は政権の脅威になる新しい政治勢力に支持基盤を奪われることを恐れているので、バラマキ政策をやろうとしているのではないか。
10.中央銀行が成長基盤の強化する金融機関を支援するために様々な形で資金供給を進めているが、功を奏しているとはいいがたい。

この言葉がよく使われる場面としては、物事の基礎となる部分などが挙げられます。

例文1の「基盤強化法」とは、農業経営基盤強化促進法の略で、効率的かつ安定的な農業経営のために農業者に大して様々な措置を講じることを定めた法律です。

基板の例文

1.小学生時代の技術の時間、基板へのはんだ付けを失敗して大火傷を負いかけたこともあったが、今では痕さえ残っていない。
2.自分でパソコンやキーボードを作るために基盤のみを業者に作成してもらう人もいれば、基盤から自分で作り上げる人もいる。
3.早い業者なら依頼してから一日でプリント基板試作を終えて納品してくれるところもある。
4.半導体が不足していることから、部品の置き換えなどをするために別の基板のリメイクサービスを行なっている企業もある。
5.目覚まし時計やLEDを光らせる程度の電子工作であれば初心者でもユニバーサル基板を少し触れば手軽に作ることができる。
6.スマホが熱を持つようになったのでバッテリーを交換すればいいと思っていたら、中国人の同僚がそれはバッテリーではなく基板の問題だよと教えてくれた。
7.次のシステムの基板に組み込むべき内容について、来週中に、もう少し詰めた話し合いをしなければいけない。
8.弊社は有名メーカーの液晶テレビのパネルの組み立てやプリント基板の製造加工、完成品の組み立てなどを行っております。
9.私は壊れたオーディオのアンプを試しに開けたが、電子回路基板がたくさん並んでいて、これは素人では修理できないと悟りました。
10.一口に基板といってもいくつかの種類があり、リジッド基板、フレキシブル基板、メタルベース基板などがあります。

この言葉がよく使われる場面としては、電子機器の部品を配置するための板などが挙げられます。

例文5の「ユニバーサル基板」とは、あらかじめ等間隔に穴が開けられており、電子部品をさしてはんだ付けがすぐできるような基板を指す言葉です。

基盤と基板どちらを使うか迷った場合は、物事の基礎を表す場合は「基盤」を、電子機器設置のための板を表す場合は「基板」を使うと覚えておけば間違いありません。

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