似た意味を持つ「骨折り損のくたびれ儲け」(読み方:ほねおりぞんのくたびれもうけ)と「労多くして功少なし」(読み方:ろうおおくしてこうすくなし)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「骨折り損のくたびれ儲け」と「労多くして功少なし」という言葉は、どちらも苦労しても成果が上がらないことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「骨折り損のくたびれ儲け」と「労多くして功少なし」の違い
「骨折り損のくたびれ儲け」と「労多くして功少なし」の意味の違い
「骨折り損のくたびれ儲け」と「労多くして功少なし」の違いを分かりやすく言うと、「骨折り損のくたびれ儲け」は疲れたというニュアンスがある、「労多くして功少なし」は疲れたというニュアンスがないという違いです。
「骨折り損のくたびれ儲け」と「労多くして功少なし」の使い方の違い
一つ目の「骨折り損のくたびれ儲け」を使った分かりやすい例としては、「結果として骨折り損のくたびれ儲けになってしまった」「あなたのせっかくの頑張りも骨折り損のくたびれ儲けとなるだろう」などがあります。
二つ目の「労多くして功少なし」を使った分かりやすい例としては、「そのやり方では労多くして功少なしとなるだろう」「人生は労多くして功少なしだと思っています」などがあります。
「骨折り損のくたびれ儲け」と「労多くして功少なし」の使い分け方
「骨折り損のくたびれ儲け」と「労多くして功少なし」はどちらも苦労しても成果が上がらないことを意味しており、大きな違いはありません。
あえて違いを挙げるならば、「骨折り損のくたびれ儲け」は疲れたというニュアンスがあるのに対して、「労多くして功少なし」は疲れたというニュアンスがないというのが違いです。
「骨折り損のくたびれ儲け」と「労多くして功少なし」の英語表記の違い
「骨折り損のくたびれ儲け」も「労多くして功少なし」も英語にすると「all pain and no gain」「it’s more hassle than it’s worth」「lots of pain and not much gain」となります。
「骨折り損のくたびれ儲け」の意味
「骨折り損のくたびれ儲け」とは
「骨折り損のくたびれ儲け」とは、苦労しても疲れるだけで少しも成果が上がらないことを意味しています。
「骨折り損のくたびれ儲け」の漢字表記
「骨折り損のくたびれ儲け」を漢字にすると、「骨折り損の草臥れ儲け」と表記することができます。
「骨折り損のくたびれ儲け」の使い方
「骨折り損のくたびれ儲け」を使った分かりやすい例としては、「急いで資料を作成するも骨折り損のくたびれ儲けだった」「骨折り損のくたびれ儲けとなってしまったので、彼はとても不機嫌です」「一生懸命探したものの骨折り損のくたびれ儲けでした」などがあります。
「骨折り損のくたびれ儲け」は、苦労することを意味する「骨折り」に、努力をしても報われないことを意味する「損」と、疲れるだけで何の効果もないことを意味する「くたびれ儲け」が合わさり、苦労しても疲れるだけで少しも成果が上がらないことの意味することわざです。
「骨折り損のくたびれ儲け」は、物事を一生懸命に取り組んだにも関わらず、良い結果に繋がらなかった場合に使う言葉になります。
「骨折り損のくたびれ儲け」の由来
「骨折り損のくたびれ儲け」の由来はこんにゃく屋さんです。とあるこんにゃく屋さんの主人が、こんにゃくが売れないことに悩んでおり、どうしたら売れるだろうか考えた結果、こんにゃくを大きくすることを思いつきます。
するとお店は繁盛し、こんにゃくがたくさんが売れました。しかし、前と同じ値段で売っていたため、売り上げを計算すると利益はほとんどなく、原価で売っていたことに気づきました。
この労力をかけたのに利益が上がらず疲労だけが残ったことを「骨折り損のくたびれ儲け」と言うようになりました。また、「骨折り損のくたびれ儲け」は江戸いろはかるたにも使用されています。
「骨折り損のくたびれ儲け」の対義語
「骨折り損のくたびれ儲け」の対義語・反対語としては、少しの元手や労力で大きな利益を得ることを意味する「海老で鯛を釣る」があります。
「骨折り損のくたびれ儲け」の類語
「骨折り損のくたびれ儲け」の類語・類義語としては、努力や苦労の全てが無駄になることを意味する「水の泡」、努力のかいもなく全く無駄に終わることを意味する「水泡に帰する」、苦労したことがなんの役にも立たないことを意味する「無駄骨折り」などがあります。
「労多くして功少なし」の意味
「労多くして功少なし」とは
「労多くして功少なし」とは、苦労した割には効果が少ないことを意味しています。
「労多くして功少なし」の言い換え語は「労あって益なし」
「労多くして功少なし」は別の言い方として、「労あって益なし」と表現することも可能です。
「労多くして功少なし」の使い方
「労多くして功少なし」を使った分かりやすい例としては、「この会社は労多くして功少なしとなることが多いので、仕事のやる気がでません」「必死に頑張ったが労多くして功少なしだったので、気分が落ち込んでしまいました」などがあります。
「労多くして功少なし」の「労」とは苦労や努力のことを意味しており、「功」とは経験や努力の積み重ねで出てくる効果のことを意味しています。つまり、苦労した割には効果が少ないことを意味することわざです。
「労多くして功少なし」は、物事を一生懸命に取り組んだにも関わらず、良い結果に繋がらなかった場合に使う言葉になります。
「労多くして功少なし」の由来
「労多くして功少なし」の由来は中国の戦国時代の思想書である『荘子・天運』です。その中に、現代に周のやり方を魯でやろうというのは、陸で舟を推して進めようとするようなものであり、苦労は多いものの利益が好きないため、必ず問題が生じるという一文がありました。
このことが転じて、苦労した割には効果が少ないことを「労多くして功少なし」と言うようになったのです。
「労多くして功少なし」の対義語
「労多くして功少なし」の対義語・反対語としては、わずかな元手で大きな利益を得ることを意味する「麦飯で鯉を釣る」があります。
「労多くして功少なし」の類語
「労多くして功少なし」の類語・類義語としては、いくら骨を折っても人に認められないことを意味する「楽屋で声を嗄らす」(読み方:がくやでこえをからす)があります。
「骨折り損のくたびれ儲け」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、を苦労しても疲れるだけで少しも成果が上がらないこと表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「骨折り損のくたびれ儲け」は一生懸命仕事に取り組んだにも関わらず、良い結果に繋がらなかった場合に使う言葉です。
「労多くして功少なし」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、苦労した割には効果が少ないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「労多くして功少なし」は一生懸命仕事に取り組んだにも関わらず、良い結果に繋がらなかった場合に使う言葉です。
「骨折り損のくたびれ儲け」と「労多くして功少なし」はどちらも苦労しても成果が上がらないことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、疲れたというニュアンスがあるのが「骨折り損のくたびれ儲け」、疲れたというニュアンスがないのが「労多くして功少なし」と覚えておきましょう。