似た意味を持つ「ましてや」と「まして」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ましてや」と「まして」という言葉は、どちらも言うまでもなくのことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「ましてや」と「まして」の違い
「ましてや」と「まして」の意味の違い
「ましてや」と「まして」の違いを分かりやすく言うと、「ましてや」の方が、「まして」よりも強調した言い方という違いです。
「ましてや」と「まして」の使い方の違い
一つ目の「ましてや」を使った分かりやすい例としては、「彼でさえ苦戦していたのにましてや私が一人でやるなんて」「私は昆虫が苦手です、ましてや触るなんてとんでもない」「彼は言葉遣いも知らないし、ましてや行儀など知るはずがない」などがあります。
二つ目の「まして」を使った分かりやすい例としては、「師匠が知らないのだから、まして私が知っているはずがありません」「3ヶ月我慢するなんて私には難しい、まして1年我慢するなんて言うまでもない」などがあります。
「ましてや」と「まして」の使い分け方
「ましてや」と「まして」はどちらも言うまでもなくのことを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「ましてや」は「まして」を強調した表現という点です。
また、「ましてや」の「や」とは強調を表す係助詞になります。係助詞は「や」の他に、「ぞ」「なむ」「こそ」「か」などがあります。
「ましてや」と「まして」の英語表記の違い
「ましてや」も「まして」も英語にすると「much more」「much less」となり、例えば上記の「彼は言葉遣いも知らないし、ましてや行儀など知るはずがない」を英語にすると「He doesn’t even know polite language, much less good manners」となります。
「ましてや」の意味
「ましてや」とは
「ましてや」とは、言うまでもなくのことを意味しています。
「ましてや」の漢字表記
「ましてや」を漢字にすると、「況してや」「増してや」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限りひらがなの「ましてや」を使うようにしましょう。
「ましてや」の使い方
「ましてや」を使った分かりやすい例としては、「彼は英語を話すことができません。ましてやアラビア語なんてもってのほかです」「彼の作品があれほど立派なのだから、ましてやその師の作品はもっと立派だったに違いありません」などがあります。
「ましてや」は言うまでもない、なおのことなどを意味する言葉で、前の場合でさえそうなのだから、この場合はもちろんそうだという気持ちを表す場合に使います。
分かりやすく言うならば、「Aでさえ出来ないのだから、ましてやBに出来るはずない」のように、前の事柄でそうなのだから、後ろの事柄でももちろんそうだという形で使います。
また、「ましてや」は基本的にマイナスなイメージで使う言葉ですが、文章によってはプラスのイメージで使うことも可能です。
「ましてや」を使う上で注意しなければならいのは、接続詞ではなく副詞という点になります。接続詞とは前の文と後ろの文を繋ぐ言葉で、「しかし」「だから」「したがって」などがあります。
一方、副詞は後ろに来る文を修飾する言葉で、「しばらく」「いささか」「あたかも」などがあります。一見「ましてや」は接続詞に見えますが、後ろの文を修飾しているので副詞です。したがって、接続詞のような使い方をしないように注意しましょう。
「ましてや」は敬語表現ではないので、ビジネスシーンなどで目上の人に対して使う場合は前後の文章を敬語表現にする必要があります。また、「や」は強調を意味していますが、相手に対して押し付けるイメージが強いため、目上の人に対しては「まして」を使う方が適している場合も多いです。
「ましてや」の類語
「ましてや」の類語・類義語としては、状態や程度が一段と進むことを意味する「なおのこと」、予想を越えて程度が甚だしいことを意味する「もってのほか」、そうなるのがあたりまえであることを意味する「当然」などがあります。
「まして」の意味
「まして」とは
「まして」とは、言うまでもなくのことを意味しています。
「まして」の漢字表記
「まして」を漢字にすると、「況して」「増して」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限りひらがなの「まして」を使うようにしましょう。
「まして」の使い方
「まして」を使った分かりやすい例としては、「私は蛙が苦手です。まして触るなんてとんでもない」「お会いできるだけでも嬉しいのに、ましてサインまでいただけるなんて」「優秀な彼ができないのなら、まして私にできるはずがありません」などがあります。
「まして」は言うまでもない、なおのことなどを意味する言葉で、前の場合でさえそうなのだから、この場合はもちろんそうだという気持ちを表す場合に使います。
分かりやすく言うならば、「Aでさえ無理なのだから、ましてBに出来るはずない」のように、前の事柄でそうなのだから、後ろの事柄でももちろんそうだという形で使います。
また、「まして」は基本的にマイナスなイメージで使う言葉ですが、文章によってはプラスのイメージで使うことも可能です。
「まして」は敬語表現ではないので、ビジネスシーンなどで目上の人に対して使う場合は前後の文章を敬語表現にする必要があります。また、目上の人に対しては、強調の意味を持っていない「まして」の方が「ましてや」よりも適している場合が多いです。
「まして」の類語
「まして」の類語・類義語としては、物事の程度が前よりいっそう進むことを意味する「なおさら」、前に述べたことから考えてこの件については言うまでもなく自明のことであるという気持ちを表すことを意味する「いわんや」などがあります。
「ましてや」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、言うまでもなくのことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「ましてや」はマイナスなメージで使われることが多い言葉です。
「まして」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、言うまでもなくのことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「まして」はマイナスなメージで使われることが多い言葉です。
「ましてや」と「まして」はどちらも言うまでもなくのことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「ましてや」は「まして」を強調した言葉と覚えておきましょう。