似た意味を持つ「クラシック」と「ポピュラー」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「クラシック」と「ポピュラー」という言葉は、「音楽のジャンルの一つ」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
クラシックとポピュラーの違い
クラシックとポピュラーの意味の違い
クラシックとポピュラーの違いを分かりやすく言うと、クラシックは不規則的リズムで形式的な音楽を表現する時に使い、ポピュラーは規則的なリズムで自由な音楽を表現する時に使うという違いです。
クラシックとポピュラーの使い方の違い
一つ目のクラシックを使った分かりやすい例としては、「芸術鑑賞の授業の一環でクラシックコンサートに行くらしい」「クラシックを聴きながら勉強をしている」「秋にはクラシックな装いで出掛ける」などがあります。
二つ目のポピュラーを使った分かりやすい例としては、「現代のポピュラーで多く日本人に親しまれているのはJPOPなのだろうか」「ポピュラーな動物は犬なのか猫なのか」「随分とポピュラーな商品は今ではどこの家庭にもある」などがあります。
クラシックとポピュラーの使い分け方
クラシックとポピュラーはどちらも音楽ジャンルの区分を指す言葉ですが、表現に関わる部分が異なります。
クラシックは聴く人に飽きが来ないよう同じようなリズムが少なく和声が重視されている傾向があります。また、それらが楽譜として残り、演奏者がそれらを再現することで音楽として多くの人の耳に届きます。
一方のポピュラーはリズムが規則的な傾向があり大衆音楽として親しまれています。楽譜通りではない即興性を持つ音楽が多いながらも、聴き手の耳に残るような印象的なメロディが生み出され、流通することとなります。
つまり、クラシックは協奏曲などの管弦楽やオペラなどの舞台音楽のような音楽形式に則って不規則なリズムが奏でられる音楽を指し、ポピュラーはジャズ、ロックやヒップホップなどのキャッチーなリズムを用いた形式に捉われない音楽を指します。
また、言葉の意味も、古典的で長い年月多くの人々の模範となるものを表すクラシックと、大衆的でありふれているものを表すポピュラーとで大きく異なりますが、どちらの言葉も絵画など音楽以外のものに使われることも多くあります。
クラシックとポピュラーの英語表記の違い
クラシックを英語にすると「classic」となり、例えば上記の「クラシックコンサート」を英語にすると「a classic concert」となります。
一方、ポピュラーを英語にすると「popular」「popular music」となり、例えば上記の「現代のポピュラー音楽」を英語にすると「modern popular music」となります。
クラシックの意味
クラシックとは
クラシックとは、作曲技法や演奏法に則った古典的な音楽を意味しています。
その他にも、長い間模範なるようなものや、古風な様子を表します。
クラシックの使い方
「地域の楽団が有名なクラシックを今度演奏するらしい」「静かなクラシックは心を落ち着かせる」「クラシックギターとアコースティックギターの判別が素人には難しい」などの文中で使われているクラシックは、「古典的な音楽」の意味で使われています。
一方、「そのブランドの中でもクラシックのものが好みだ」「クラシックなヘアスタイルは品があるだろう」「彼のコーディネートのクラシックさが彼に合っている」などの文中で使われているクラシックは、「古風なもの」の意味で使われています。
クラシックは英語で「classic」と表記され、一流や最高水準の状態であることや、古典的、由緒ある様子を表します。カタカナ語として使われる場合は、古典的という意味で使われ、音楽を表すクラシックは「クラシック音楽」とも言われています。
古典的な音楽とは言え、現代においてもクラシックは作曲されているため、歴史だけでクラシックであるか否かを判断することはできません。
また、19世紀までは作曲家によって楽譜が用意され、それを演奏して再現する芸術とされてきましたが、1952年にジョン・ケージが、4分33秒の間演奏者が何もせずに環境音を聴かせる「4分33秒」という作品を発表することによって音楽のあり方が変わっていきます。
クラシックの対義語
クラシックの対義語・反対語としては、現代的であることを意味する「モダン」があります。
クラシックの類語
クラシックの類語・類義語としては、遠い過去から続いている様子を意味する「歴史的」、昔から受け継がれているものやその様子を意味する「伝統的」、古いものを好むことや古い様子を意味する「レトロ」などがあります。
ポピュラーの意味
ポピュラーとは
ポピュラーとは、大衆的な音楽を意味しています。
その他にも、一般的によく知られており人気のあるものや、ありふれているものを指します。
ポピュラーの使い方
「ポピュラーの中でもロックが一番好きだ」「アドリブが加えられるポピュラーはライブで聞くのが一番だ」「ポピュラーの中でもテクノは規則的なリズムが多いような気がする」などの文中で使われているポピュラーは、「大衆的音楽」の意味で使われています。
一方、「この店でポピュラーな料理はからあげ定食だ」「最もポピュラーなスポーツは一体何だろう」「家族内でポピュラーなお菓子は買いためてある」などの文中で使われているポピュラーは、「人気のあるもの」の意味で使われています。
ポピュラーは英語で「popular」と表記され、人気のある様子や評判が良い様子を表します。カタカナ語として使われる場合も同じ意味で使われ、音楽を表すポピュラーは「ポピュラー音楽」「ポピュラーソング」を省略した言葉として使われています。
一般的には、上記例文のように人気があるものや親しまれているものの意味で使われることが多く、ポピュラーソングはさらに細かい分類のロックやジャズ、JPOPなどの区分の名称で表されることが多いです。
また、「日本ではポピュラーなものでも海外には全く存在しないものもある」「ポピュラーすぎる物語であっても結末が異なる場合がある」などの使い方で、ありふれているものを意味することもあり、日常会話でも多く使われています。
ポピュラーの類語
ポピュラーの類語・類義語としては、一般向きであることを意味する「通俗」、世間一般に見られる様子を意味する「世俗的」、ごく当たり前なことを意味する「平凡」、ありふれていることを意味する「凡俗」などがあります。
クラシックの例文
この言葉がよく使われる場面としては、作曲技法や演奏法に則った古典的な音楽などが挙げられます。
例文4や例文5のように「古風なもの」「古めかしいもの」を表す時にも使われています。
ポピュラーの例文
この言葉がよく使われる場面としては、大衆的な音楽などが挙げられます。
例文3や例文4のように「人気である状態」を表す時や、例文5のように「ありふれている状態」を表す時にも使われています。
クラシックとポピュラーは、どちらも「音楽のジャンル」を表します。どちらを使うか迷った場合は、形式的な音楽を表す場合は「クラシック」を、自由な音楽を表す場合は「ポピュラー」を使うと覚えておけば間違いありません。