似た意味を持つ「げんなり」と「うんざり」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「げんなり」と「うんざり」という言葉は、どちらも同じことが続いてすっかり嫌になり気力がなくなることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「げんなり」と「うんざり」の違い
「げんなり」と「うんざり」の意味の違い
「げんなり」と「うんざり」の違いを分かりやすく言うと、「げんなり」とは必ずしも同じことが繰り返される必要がない、「うんざり」とは同じことが繰り返す必要があるという違いです。
「げんなり」と「うんざり」の使い方の違い
一つ目の「げんなり」を使った分かりやすい例としては、「いくらお寿司好きだからといって、1週間も続くとげんなりしてしまう」「彼の浮気癖にはげんなりしている」「彼女が愚痴ばかり言うのでげんなりしたよ」などがあります。
二つ目の「うんざり」を使った分かりやすい例としては、「30歳になっても働かない息子にはもううんざりです」「彼の自慢話にはもううんざりだ」「私は決まりきった毎日の仕事にうんざりしています」などがあります。
「げんなり」と「うんざり」の使い分け方
「げんなり」と「うんざり」はどちらも同じことが続いてすっかり嫌になり気力がなくなることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「げんなり」は十分すぎて嫌になることを意味しており、必ずしも同じことが繰り返される必要がありません。一方、「うんざり」は「毎日同じ献立でうんざりする」のように、同じことが繰り返す必要があるというのが違いです。
また、「げんなり」は「寒い日はもうげんなり」のように、疲れて気力がなくなることの意味で使うことができるというのも違いの一つです。
「げんなり」と「うんざり」の英語表記の違い
「げんなり」を英語にすると「be fed up」「be sick」「be dispirited」となり、例えば上記の「彼女が愚痴ばかり言うのでげんなりしたよ」を英語にすると「I got really fed up with her perpetual complaining」となります。
一方、「うんざり」を英語にすると「be disgusted」「be fed up」となり、例えば上記の「私は決まりきった毎日の仕事にうんざりしています」を英語にすると「I am sick of fed up with my daily routine」となります。
「げんなり」の意味
「げんなり」とは
「げんなり」とは、疲れて気力がなくなることを意味しています。その他にも、飽きたり嫌になったりして何かを続ける気力がなくなることやがっかりすることの意味も持っています。
表現方法は「げんなりする」「げんなりと」「もうげんなり」
「げんなりする」「げんなりと」「もうげんなり」などが、「げんなり」を使った一般的な言い回しになります。
「げんなり」の使い方
「これだけ猛暑が続くとげんなりする」「夜遅くに仕事の呼び出しをされるとげんなりする」などの文中で使われている「げんなり」は、「疲れて気力がなくなること」の意味で使われています。
一方、「今日もシチューかとげんなりした顔をする」「彼があんなこと言うなんてげんなりする」などの文中で使われている「げんなり」は、「飽きたり嫌になったりして何かを続ける気力がなくなることやがっかりすること」の意味で使われています。
「げんなり」は複数の意味を持つ言葉ですが、どの意味でも使われています。また、基本的にマイナスなイメージを伴って使用されている言葉です。
「げんなり」は、肉体的と精神的どちらが疲れている場合にも使うことが可能で、それが原因となり、何か行動することが嫌になっている状態を表わしているというのが特徴になります。
「げんなり」はオノマトペになります。オノマトペとは、さまざまな状態や動きなどを音で表現すること、つまり擬声語や擬態語を意味するフランス語です。
オノマトペは主に自然界にある音や声など、現実に聞こえる音を人の言語で表現しています。また、日本語は他国語よりもオノマトペは多いと言われており、「げんなり」以外には「うきうき」「ふさふさ」「あつあつ」「ギザギザ」「ざーざー」「しゅわしゅわ」などがあります。
「げんなり」の類語
「げんなり」の類語・類義語としては、十分すぎたりくどかったりしてすっかり嫌になること意味する「飽き飽き」、すっかり懲りて嫌になることを意味する「懲り懲り」、 物事に飽きて嫌になることを意味する「倦怠」などがあります。
「うんざり」の意味
「うんざり」とは
「うんざり」とは、物事に飽きてつくづく嫌になることを意味しています。その他にも、期待が外れてがっかりすることの意味も持っています。
表現方法は「うんざりする」「うんざりだ」「もううんざり」
「うんざりする」「うんざりだ」「もううんざり」などが、「うんざり」を使った一般的な言い回しになります。
「うんざり」の使い方
「顧問の先生の話が長いのでうんざりする」「こんな平凡な毎日はもううんざりだ」などの文中で使われている「うんざり」は、「物事に飽きてつくづく嫌になること」の意味で使われています。
一方、「あの政治家がこんなこと言うなんてうんざりしてしまいます」「自分の不甲斐なさにうんざりする」などの文中で使われている「うんざり」は、「期待が外れてがっかりすること」の意味で使われています。
「うんざり」は物事に飽きてつくづく嫌になることや期待が外れてがっかりすることを意味する言葉で、基本的にはマイナスなイメージを伴って使われています。
また、単純に嫌になるのではなく、何回も同じことが繰り返された結果、飽きて嫌になるというのが特徴です。そのため、「うんざり」は何回も同じことが繰り返された場合にのみ使えると覚えておきましょう。
「うんざり」の由来や語源はありませんが、類語である「げんなり」と同じように、オノマトペになります。
「うんざり」の類語
「うんざり」の類語・類義語としては同じことに何度も接し飽き飽きして嫌になることを意味する「食傷」、かなりの程度に達することを意味する「大概」などがあります。
「げんなり」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、疲れて気力がなくなることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、飽きたり嫌になったりして何かを続ける気力がなくなることやがっかりすることを表現したい時にも使います。
例文1と例文2の「げんなり」は疲れて気力がなくなること、例文3と例文4の「げんなり」は飽きたり嫌になったりして何かを続ける気力がなくなること、例文5の「げんなり」はがっかりすることの意味で使っています。
「うんざり」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事に飽きてつくづく嫌になることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、期待が外れてがっかりすることを表現したい時にも使います。
例文1から例文4の「うんざり」は物事に飽きてつくづく嫌になること、例文5の「うんざり」は期待が外れてがっかりすることの意味で使っています。
「げんなり」と「うんざり」はどちらも同じことが続いてすっかり嫌になり気力がなくなることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、必ずしも同じことが繰り返される必要がないのが「げんなり」、同じことが繰り返す必要があるのが「うんざり」と覚えておきましょう。