似た意味を持つ「同送」(読み方:どうそう)と「同梱」(読み方:どうこん)と「同封」(読み方:どうふう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「同送」と「同梱」と「同封」という言葉は、一緒に他のものを入れることという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
同送と同梱と同封の違い
同送と同梱と同封の意味の違い
同送と同梱と同封の違いを分かりやすく言うと、同送は一緒に物を送ることを表現する時に使い、同梱は荷物に一緒に入れることを表現する時に使い、同封は封筒に一緒に入れることを表現する時に使うという違いです。
同送と同梱と同封の使い方の違い
同送という言葉は、「同送されていたクーポンなどが父によって廃棄された」「他の商品とこの商品は同送できないらしい」などの使い方で、何か別のものと一緒に送ることを意味します。
同梱という言葉は、「ソフトが同梱されているゲーム機が発売された」「同梱された保証書をクリアファイルに入れて保存する」などの使い方で、一つの荷物の中に一緒に入れることを意味します。
同封という言葉は、「同封の返信用はがきにてご返送お願い致します」「履歴書と共に添え状が同封されていた」などの使い方で、封筒の中に手紙と一緒に他のものも入れることを意味します。
同送と同梱と同封の使い分け方
同梱と同封はどちらも、一緒に何か他の物を入れることを意味する言葉ですが、前者は小包など荷物の中に一緒に入れておくことを、後者は封筒などの中に一緒に入れておくことを表します。
一方の同送は、他のものと一緒に送ることを意味するため、同梱や同封の意味を含む言葉です。そのため、同梱や同封という言葉と置き換えて使うことができます。
また、メールと共にファイルや画像を一緒に送る場合には、三つの言葉の中から選ぶのであれば「同送」と使いますが、一般的には「添付」が使われています。
これが、同送、同梱、同封の明確な違いです。
同送の意味
同送とは
同送とは、何か別のものと一緒に送ることを意味しています。
同送の読み方
同送という言葉は「どうそう」という読み方をしますが、広辞苑などの一般的に使用されている辞書には掲載されていません。
表現方法は「同梱同送」「同送不可」「同送広告」
今日では、通販サイトで「同梱同送」「同送不可」などと記載されていることもあり、ビジネスシーンでも使われている場合があります。
また、同送を使った言葉として、「同送広告」があります。企業サービスの会員やメンバーとなっている者に対してカタログであったり情報誌を送付する時に、他社の広告を同封することを指す言葉で、「カタログ同送」「インシップ広告」とも呼ばれます。
ダイレクトメールのみ送付するのとは異なり、需要がある情報誌などと同送することで、消費者の目につく可能性が高くなるため、新しい顧客を増やす目的で活用されています。
同送の対義語
同送の対義語・反対語としては、別途に送ることを意味する「別送」があります。
同梱の意味
同梱とは
同梱とは、一つの荷物の中に一緒に入れることを意味しています。
「同梱物」「同梱版」「同梱品」の意味
同梱を使った言葉として、「同梱物」があります。これは、ネットショッピングなどを利用した時に届く商品と一緒に荷物に入れられている物を指し、チラシなどの広告もこれに含みます。
荷物と一緒に入れられているわけではなく、雑誌や書類などに同封されているものは同梱物ではなく、「同封物」と呼ばれていることもあります。
場合によって、「同梱版」や「同梱品」とも言われますが、「同梱物」と違ってメインとなる商品と一緒に使うものや、一緒に使わなければ動かないようなものの場合に使われることが多い表現です。
同梱の対義語
同梱の対義語・反対語としては、別で出す郵便を意味する「別便」があります。
同梱の類語
同梱の類語・類義語としては、主になるものに付き従っていることを意味する「付属」、封をとじることを意味する「封緘」(読み方:ふうかん)、ふさがって通じないことを意味する「梗塞」(読み方:こうそく)があります。
その他にも、送付される小包や宅配物などの中に一緒に入っていることや入れることを意味する「同包」(読み方:どうほう)を意味する言葉も類語・類義語として挙げられますが、この言葉は広辞苑には掲載されておらず、あまり使われていません。
同封の意味
同封とは
同封とは、封筒の中に手紙と一緒に他のものも入れることを意味しています。
表現方法は「同封する」「同封します」「同封のうえ」「同封書類」
同封を使った表現として、「同封のうえ送付致します」「資料の同封漏れに気が付いた」「同封書類の一覧を作成する」などがあります。ビジネスシーンで使うのはもちろん、一般的に手紙を書く際にも使われます。
また、手紙の封筒に「在中」(読み方:ざいちゅう)と同封されているものを記載することもありますが、この在中を「同封」と描くことはほとんどありません。中に書類や金品などが入っていることを表す点は同じと言えます。
同封の対義語
同封の対義語・反対語としては、別々に封をすることを意味する「別封」があります。
同封の類語
同封の類語・類義語としては、隙間のないようにぴったりと封をすることを意味する「密封」、封筒などに入れて封をすることを意味する「封入」、書類などに気付いたことなどを書き添えることを意味する「添書」があります。
同送の例文
この言葉がよく使われる場面としては、何か別のものと一緒に送ることを意味する時などが挙げられます。
例文1の「同送」は、付属品を一緒に送るわけではないため、同梱や同封に置き換えて使うことはできません。
同梱の例文
この言葉がよく使われる場面としては、一つの荷物の中に一緒に入れることを意味する時などが挙げられます。
例文2の「同梱物」とは、商品として届けられるものと一緒に入っている付属物やチラシなどを指す言葉です。
同封の例文
この言葉がよく使われる場面としては、封筒の中に手紙と一緒に他のものも入れることを意味する時などが挙げられます。
例文1と例文3は、書類であることから同梱という言葉に置き換えて使うことは適していませんが、同送という言葉であれば置き換えて使うことができます。
同送と同梱と同封どれを使うか迷った場合は、一緒に物を送ることを表す場合は「同送」を、荷物に一緒に入れることを表す場合は「同梱」を、封筒に一緒に入れることを表す場合は「同封」を使うと覚えておけば間違いありません。