【見る】と【視る】と【観る】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「みる」という読み方、似た意味を持つ「見る」と「視る」と「観る」の違いと使い方を分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しいのか、このページの使い分け方を参考にしてみて下さい。

「見る」と「視る」と「観る」という言葉は同義語で、どれも対象を目で捉えるという同じ意味を持ちますが、それぞれの言葉の使い方には少し違いがあります。

見ると視ると観るの違い

見ると視ると観るの違いを分かりやすく言うと、見るとは目を通して物を捉えることを意味していて、視るとは調査や検査のために見ることを意味していて、観るとはじっくりと吟味するように見ることを意味するという違いです。

三つの言葉のうち、普通使われるのは「見る」だけです。視ると観るは、それぞれ「近視」(読み方:きんし)や「観客」(読み方:かんきゃく)のようには使われますが、「みる」という読み方は常用外なので普通は出来ません。

なので視るや観るを使って表現すべき物事や状況はありません。「見る」という言葉を使って表現すべきです。ですがそれぞれの言葉の意味には少しづつ違いがありますので、確認していくことにしましょう。

一つ目の「見る」とは、物を認識することを意味する言葉です。「眼球」(読み方:がんきゅう)を通して「視覚で対象を捉える」のが「見る」です。ですが、見るは物理的な対象を認識することだけに使われる言葉ではありません。

例えば「彼女の性格を見抜く」という場合の「見る」は「精神的な物事を捉える」という意味です。「心の眼で見る」などの表現と関連付けることで、この意味が理解しやすくなります。

二つ目の「視る」とは、「調査や検査などの見る」という意味です。例えば「現場を視る」や「建設予定地を視る」などのように使われますが、これらの場合にも普通は「見る」の字が使われます。

三つ目の「観る」とは、見物するときのように、じっくり眺めることに対して用いられます。例えば「演劇を観る」や「景色を観る」のように使われますが「観賞」(読み方:かんしょう)の対象に対して用いる「見る」ことだと考えると意味が理解しやすくなります。

ただし、この字も「見る」と表記するほうが一般的で自然です。視るも観るも使うべきではありません。使うべきなのは「見る」という言葉だけです。

なお、同じ「みる」という読み方をするものに、診察を意味する「診る」と世話することを意味する「看る」もあります。「診る」は常用漢字ですが、「看る」は常用外の読み方です。なので「面倒をみる」は普通ひらがなで「みる」と表記します。

見るの意味

見るとは、目で物を捉えることを意味しています。ここで言う目とは、肉眼の場合もあれば心の眼であることもあります。見るとは、物理的であれ精神的であれ、物の姿形を認識することです。

視るや観るが使える場合でも「見る」という言葉が使われるのが一般的なので、この言葉が使えれば問題はありません。また「世話を看る」や「面倒を看る」の「看る」も常用外なので「見る」の言葉で代用されることがあります。

ただし診察行為の「診る」は常用漢字なので、見るで代用することは出来ません。

見るとは単にそれを認識するだけではなく、認識した対象について何らかの知識や情報やを得ることです。例えば「見聞」(読み方:けんぶん)という言葉を思い出してみて下さい。

見るの類義語としては、聴覚を頼りに物事を捉える「聞く」、物事についての知識を得ることを意味する「知る」、遠くから細部に捉われずに全体を見ることを意味する「眺める」などがあります。

見るの対義語としては、瞼を閉じて視界を遮ることを意味する「目を瞑る」、見たくないものを見ないことを意味する「目を背ける」などがあります。

見るの見の字を使った別の言葉としては、知識を得るために実際に見ることを意味する「見学」、問題についての自分の考えを意味する「意見」、仕事を習うために人の下につくことを意味する「見習い」などがあります。

視るの意味

視るとは、調査や検査のために見ることを意味しています。単に物事の姿形を捉えるのではなく、「詳細に見ること」を意味するのが「視る」という言葉です。「凝視」(読み方:ぎょうし)や「注視」(読み方:ちゅうし)などの言葉を思い出してみて下さい。

ただし「見る」でもじっくり見るという意味を表すことは出来ますし、そもそも視るの視という字も「視界」や「無視」などのように、詳細に見るという意味が弱い使われ方をすることも多いです。

そのため、視るには特別な意味合いがあるとは見なされないことも多く、実際「視る」という使い方は常用外です。視るという言葉は極力用いないようにし、「見る」を使うべきです。

視るの視の字を使った別の言葉としては、目で物を認識・把握する能力を意味する「視力」、目で見ることの出来る範囲を意味する「視界」、目を背けることなくしっかりと見つめることを意味する「直視」などがあります。

観るの意味

観るとは、じっくりと吟味するように見ること、対象から身を引いて客観的に見ることを意味しています。観の字が使われている「観察」(読み方:かんさつ)という言葉を考えると、じっくりと見るという意味があることが納得出来るようになります。

観るは常用外の漢字なので、一般的には「見る」が使われます。ただし、見るに比べて「見る」は「対象から一歩身を引いて客観的に見る」という意味合いが強い言葉なので、その意味合いを出したい時に敢えて使われることがあります。

例えば「テレビを観る」と表記した時には、ながら見しているのではなく、真剣に見ていることが表現されています。

観るは視ると同様に常用外の言葉ですが、視るには殆ど独自の意味が認められないのに対して、観るには一定の意味が認められているという違いがあります。

観るの観の字を使った別の言葉としては、諦めること、またある対象について意識された内容を位置する「観念」、見物を意味する「観覧」、物の見た目を意味する「外観」などがあります。

見るの例文と使い方

1.年末に行われるシェイクスピアの劇を見るために、ほんの少しだけ節約した。
2.花火を見るためにわざわざ遠出しなくていいのが、この場所に住むメリットだと自分に言い聞かせる。
3.経過を見ることにしましょう、とお医者さんに言われた。

この言葉がよく使われる場面としては、物の姿形を見ることを表現したい時などが挙げられます。「みる」と読む言葉はいくつかありますが、用いられるのが最も多いのが「見る」です。広く物事の姿形を見ることを意味します。

例文1は観ると書くことも出来ますが、見ると表記する方が一般的です。観ると表記すると「じっくり見る」という意味合いを出すことが出来ると言えば出来ますが、「劇を見る」という言葉遣いがそもそも「じっくり」という意味合いを表現しています。

「見る」という言葉を使うことが出来ない「みる」は、診察の「診る」だけです。「診る」は常用内なので「患者を診る」や「脈を診る」のように使うことが出来ます。

視るの例文と使い方

1.暗がりの先を深く視ると、黒猫もこちらを見つめていることが、かすかに分かった。
2.国は被災地の状況をもっとしっかりと視る必要がある。
3.彼の他の人を視る目付きに、何か気味の悪さを覚えることがある。

この言葉がよく使われる場面としては、調査や検査などで視ることを表現したい時などが挙げられます。しかし、この言葉はめったに使われません。

この言葉がほとんど使われない理由は、「視る」の表記が常用外だからというのもありますが、それよりも、独特の意味合いがほとんどないと考えられているからです。

視の字を使った二字熟語を調べると、「視界」「凝視」「目視」「正視」「重視」など様々な意味で視の字が使われていて、視ると見るのニュアンスの区別を付けることが難しいのです。視るという言葉は使わないようにし、見るを使うようにしましょう。

観るの例文と使い方

1.シーズンを占う大事な試合を観るために、高いチケットを取った。
2.ネットで実況しながらアニメを観ることなんて出来ないよ。
3.休日に映画館で映画を観るのが私の趣味だ。

この言葉がよく使われる場面としては、「観賞」の対象を見ることを表現したい時などが挙げられます。この言葉も視ると同様常用外なので「見る」で代用されますが、「見る対象から身を引いて客観的に見つめる」という意味合いが込められています。

視るにはほとんど特別な意味はありませんが、観るには特別な意味が一定は認めることが出来ます。そのため、視るよりは心なし観るの方が用いられる確率は高いです。

しかし「じっくり見る」や「観賞する」という意味は「見る」で十分に表現出来るものなので、こちらの言葉を使うようにしましょう。