似た意味を持つ「出席」(読み方:しゅっせき)と「参加」(読み方:さんか)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「出席」と「参加」という言葉は、どちらも「会合に出ること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
出席と参加の違い
出席と参加の意味の違い
出席と参加の違いを分かりやすく言うと、出席とは行くことに重きを置いた表現、参加とは活動することに重きを置いた表現という違いです。
出席と参加の使い方の違い
一つ目の出席を使った分かりやすい例としては、「株主総会の出席率の計算方法をご存知ですか」「出席者からさまざまな意見が出されました」「不登校でもオンライン学習で出席扱いになります」「友人は感染症のため出席停止中です」などがあります。
二つ目の参加を使った分かりやすい例としては、「参加賞でお菓子がもらえて嬉しい」「ツアーの外国人参加者に英語で案内する」「私共も参加させていただきたく存じます」「参加費の勘定科目を確認する」などがあります。
出席と参加の使い分け方
出席と参加という言葉は、どちらも会合に出ることや、何らかの場に行くことを表しますが、意味や使い方には違いがあります。
出席とは、会合や授業あるいは会議などに出ることを意味します。その場に行くことにフォーカスした言葉であり、例えば、学校に行ってしまえば授業中に寝ていたとしても出席したことになります。また、多くは「席」が用意されている場に使用される言葉です。
参加とは、ある目的をもって一員として入ることを意味します。その場に行くだけでなく、一員として活動するというニュアンスがある言葉です。例えば、学校に行ったとしても授業中に寝てしまったら授業に参加したとは言えません。
つまり、出席とは何らかの集まりに行くという意味合いが強い言葉であり、参加とは何らかの集まりで一員として活動するという意味合いがある言葉です。二つの言葉を比べると、出席よりも参加の方が能動的で次元が高い行為であると言えるでしょう。
出席と参加の英語表記の違い
出席を英語にすると「attendance」「career」「presence」となり、例えば上記の「出席率」を英語にすると「the percentage of attendance」となります。
一方、参加を英語にすると「participation」「entry」「joining」となり、例えば上記の「参加賞」を英語にすると「participation award」となります。
出席の意味
出席とは
出席とは、会合や学校の授業などに出ることを意味しています。
出席の使い方
出席を使った分かりやすい例としては、「放課後は英語の補習に出席する予定です」「性行不良のため出席停止になりました」「小学生の間で出席番号占いが流行っています」「私の出席番号はいつも一番です」などがあります。
その他にも、「受付で出席表へのサインをお願いします」「出席予定者の名簿を作成中です」「各国の駐日大使が平和式典に出席しました」「出席させていただきます」「ご出席頂きありがとうございます」などがあります。
出席とは、会合や授業あるいは式典などに出ることを意味し、多くは「席」がある場合に用いられます。ただし、会社勤めや競技の試合に出ることには使われません。日常会話からビジネスシーンまで幅広い場面で使用される言葉です。
表現方法は「出席停止」
出席を用いた日本語には「出席停止」があります。出席停止とは、生徒に対して学校への出席を停止することを意味します。出席停止を行うのは、他生徒の教育に妨げがある場合と、感染症による場合があります。出席停止となる感染症には、インフルエンザや百日咳などがあります。
出席の対義語
出席の対義語・反対語としては、出席すべき会合などに出ないことや学生が学校を休むことを意味する「欠席」などがあります。
出席の類語
出席の類語・類義語としては、座に連なることや出席することを意味する「列席」、会や式典などに出席することを意味する「臨席」、式や行事などに参加し列席することを意味する「参列」、同じ席に居合わせることを意味する「同席」などがあります。
参加の意味
参加とは
参加とは、ある目的をもつ集まりに一員として加わり、行動をともにすることを意味しています。
その他にも、「法律上の関係または訴訟に当事者以外の者が加わること」の意味も持っています。
参加の使い方
「明日までに参加の可否をご連絡ください」「週末は英語のイベントに参加する予定です」「参加者名簿をエクセルで作成しました」「私も是非参加させていただきます」などの文中で使われている参加は、「ある集まりに一員として加わり、行動をともにすること」の意味で使われています。
一方、「共同訴訟人として訴訟に参加する」「訴訟参加を種類ごとに説明します」「補助参加が認められる要件を確認する」などの文中で使われている参加は、「法律上の関係または訴訟に当事者以外の者が加わること」の意味で使われています。
参加とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ちますが、一般的には「ある目的をもつ集まりに一員として加わり、行動をともにすること」の意味で用いられています。参加の「参」は仲間入りすること、「加」は団体や集まりなどに一員として入ることを表す漢字です。
表現方法は「訴訟参加」
参加を用いた日本語には「訴訟参加」があります。訴訟参加とは、当事者以外の利害関係のある第三者が係属中の他人間の訴訟に参加することを意味する法律用語です。訴訟参加には、補助参加と当事者参加の二種類があり、後者はさらに独立当事者参加と共同訴訟参加に分かれます。
参加の対義語
参加の対義語・反対語としては、参加しないことや出席しないことを意味する「不参加」などがあります。
参加の類語
参加の類語・類義語としては、会合に参加することを意味する「参会」、団体や組織などの仲間に加わることを意味する「加入」、市場などに新たに加わることを意味する「参入」、競技会などに参加することを意味する「出場」などがあります。
出席の例文
この言葉がよく使われる場面としては、授業や集会などに出ることを表現したい時などが挙げられます。
例文1にある「出席番号順」とは、学校において生徒に割り当てられる通し番号のことで、一般的には姓の五十音順に基づいて決定されるものです。
参加の例文
この言葉がよく使われる場面としては、ある事を行なう一員として加わること、ある法律関係に当事者以外の者が加わることを表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文4にある参加は、一員として加わることの意味で用いられています。例文5の参加は、法律用語として使用されています。
出席と参加という言葉は、どちらも「何らかの集まりに出ること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、授業や会合などに行くことを表現したい時は「出席」を、一員となって活動することを表現したい時は「参加」を使うようにしましょう。