似た意味を持つ「独白」(読み方:どくはく)と「告白」(読み方:こくはく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「独白」と「告白」という言葉は、どちらも「口に出して言うこと」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
独白と告白の違い
独白と告白の意味の違い
独白と告白の違いを分かりやすく言うと、独白とは一人でセリフを言うことを表し、告白とは秘密を打ち明けることを表すという違いです。
独白と告白の使い方の違い
一つ目の独白を使った分かりやすい例としては、「周囲を気にせず一方的な独白を繰り返す」「独白形式のミステリー本は面白い」「ヒロインが観客に向かって心のうちを独白する」「場末のスナックを舞台にした独白劇です」などがあります。
二つ目の告白を使った分かりやすい例としては、「勇気を出して愛の告白をする」「大事なイラストを失くしたことを告白する」「過去に犯した罪を神に告白する」「懺悔室での告白の仕方を教えてください」などがあります。
独白と告白の使い分け方
独白と告白という言葉は、どちらも口に出して言うことや、胸のうちを他人に伝えることを表しますが、意味や使い方には違いがあります。
独白とは、「モノローグ」とも言い、舞台用語で、登場人物が心中の思いなどを観客に知らせるために、相手なしでひとりでセリフを言うことを意味します。この意味が転じて、ひとりごとを言うことの意味でも使用されている言葉です。
告白とは、心の内に秘めていたり、隠していた事実や気持ちを表明することを意味します。「愛の告白」とは、好きな相手に自分の気持ちを打ち明けることであり、交際を申し込むことや求婚することを指します。また、「神に告白する」のように、自分の罪を告白して懺悔する時にも使用されます。
つまり、独白とは舞台用語で一人でセリフを言うことを意味し、告白とは隠していたことを打ち明けることを意味します。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使い分けるようにしましょう。
独白と告白の英語表記の違い
独白を英語にすると「monologue」「soliloquy」となり、例えば上記の「一方的な独白」を英語にすると「a one-way monologue」となります。
一方、告白を英語にすると「confession」「profession」「declaration」となり、例えば上記の「愛の告白」を英語にすると「a declaration of love」となります。
独白の意味
独白とは
独白とは、演劇で、登場人物が相手なしでセリフを言うこと、そのセリフを意味しています。
その他にも、「ひとりごとを言うこと、そのひとりごと」の意味も持っています。
独白の読み方
独白の読み方は「どくはく」です。誤って「どくびゃく」「とくはく」などと読まないようにしましょう。
独白の使い方
「一人の人物の独白により構成された劇です」「この漫画は内的独白が用いられている」「独白体の小説でおすすめはありますか」などの文中で使われている独白は、「登場人物が相手なしでセリフを言うこと」の意味で使われています。
一方、「独白が多い人は寂しがり屋なのだろう」「無意識に独白していることが増えました」「英語で独白しながら勉強しています」「独白がうるさい人の心理とその対処法を知りたい」などの文中で使われている独白は、「ひとりごとを言うこと」の意味で使われています。
独白とは、舞台で登場人物が相手なしに一人で独立したセリフをいうことを意味し、「モノローグ」とも言います。古典劇ではよく用いられ、「ハムレット」「フィガロの結婚」が有名です。転じて、ひとりごとを言うことや、そのひとりごとを指す言葉にもなっています。
「独白体」の意味
独白を用いた日本語には「独白体」があります。独白体とは、文学小説などの文体のうち、自分が心の中で思っていることを誰かに向かって言うでもなく、一人で叙述する形式の文体のことです。独白体形式の本には、太宰治の「女性独白体」、湊かなえの「告白」などが挙げられます。
独白の対義語
独白の対義語・反対語としては、向かい合って話し合うことを意味する「対話」、小説や演劇などで対話の部分を意味する「ダイアローグ」などがあります。
独白の類語
独白の類語・類義語としては、聞く相手がいないのにひとりでものを言うことを意味する「独り言」、大勢の前で一人が話すことを意味する「独話」、演劇で登場人物が相手なしにひとりで言うセリフを意味する「モノローグ」などがあります。
告白の意味
告白とは
告白とは、 秘密にしていたことや心の中で思っていたことを、ありのまま打ち明けることを意味しています。
その他にも、「キリスト教で、自己の信仰を公に表明すること、自己の罪を神の前で打ち明け罪の許しを求めること」の意味も持っています。
表現方法は「告白する」「告白言葉」
「告白する」「告白言葉」などが、告白を使った一般的な言い回しです。
告白の使い方
「告白するタイミングが難しい」「映画に誘って告白するつもりです」「今朝、告白される夢を見ました」「相手を傷つけにくい告白の断り方はありますか」などの文中で使われている告白は、「心の中で思っていたことを打ち明けること」の意味で使われています。
一方、「神父を代理人として神に罪を告白する」「犯した罪を告白し許しを請う」「信仰告白に基づく洗礼を行ないます」などの文中で使われている告白は、「キリスト教で、自己の信仰を公に表明すること」の意味で使われています。
告白の「告」は訓読みで「つげる」と読み、言葉などで伝え知らせることを表し、「白」はありのままに率直に言うことを表します。告白とは、隠していた心の中を打ち明けることを意味します。また、キリスト教で、自己の信仰を公に表明することや罪を神の前で打ち明けることを意味する言葉です。
「信仰告白」の意味
告白を用いた日本語には「信仰告白」(読み方:しんこうこくはく)があります。信仰告白とは、神に対する自己の信仰を明白なことばで言い表わすことであり、主としてプロテスタントが用いる言葉です。
告白の対義語
告白の対義語・反対語としては、何も言わないでだまっていることを意味する「黙秘」、だまりこむことを意味する「沈黙」などがあります。
告白の類語
告白の類語・類義語としては、自分の秘密や犯した罪などを包み隠さずに言うことを意味する「自白」、警察官などの取り調べに対し犯人が犯罪事実などを申し述べるを意味する「自供」、隠していた事実や自分の犯した罪を申し述べることを意味する「白状」などがあります。
独白の例文
この言葉がよく使われる場面としては、舞台で登場人物が相手なしに一人で独立したセリフをいうこと、ひとりごとを言うことを表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文3の独白は、一人で独立したセリフをいうことを意味する演劇用語です。「独白劇」は、「ひとり舞台」「ひとり芝居」を指します。例文4や例文5にある独白は、ひとりごとを言うことの意味で用いられています。
告白の例文
この言葉がよく使われる場面としては、心の中に思っていたことや秘密にしていたことなどを隠さないでありのまま告げること、キリスト教で自分の信仰を表明したり、過去の罪を告げて神の許しを乞うたりすることを表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文4の告白は、隠さないでありのまま告げることの意味で用いられています。例文4や例文5の告白は、キリスト教用語であり、過去の罪を告げて神の許しを乞うことを意味しています。
独白と告白という言葉は、どちらも「口に出して言うこと」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、一人でセリフを言うことを表現したい時は「独白」を、心の中を打ち明けることを表現したい時は「告白」を使うようにしましょう。